二次創作小説(紙ほか)
- Act2:狩猟者は皮肉か? ( No.31 )
- 日時: 2014/06/15 08:30
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
ホログラム発生マットによる立体空間が発生している中、有名人の2人を見に多くの野次馬が集まったのだった。
ヒナタとキイチのデュエル。現在、2ターン目(後攻キイチ)だが、キイチは早速動き出した。マナに置かれているのは《火焔タイガー・グレンオー》に《ナチュラル・トラップ》だったため、まだどんなデッキか判別不可能だったが-------------
「馬鹿ヒナタ。教えておいてやる。これが俺の”本気(ガチ)”デッキだ。《ヤッタレ・ピッピー》召喚!」
甲高い声を上げて、ハンターのファイアーバードが現われた。
つまり、キイチが使用しているのは以前のようなアウトレイジデッキではなく、ハンターということになる。
「デッキ変えたんだな」
「ハッ。馬鹿言え。これが俺の本来のデッキだ」
冷めた声で言う。
だとすれば、次に出てくるクリーチャーは、コスト4台か。
「んじゃ、俺のターンだ! 《ネクスト・チャージャー》で手札を全部山札に戻して、その数だけ引くぜ! 」
手札2枚を山札の一番下に置き、2枚引く。
手札交換をしつつ、チャージャー効果でマナ加速もできる便利な呪文だ。
「ふん。悠長な奴だ。俺のターン、《ヤッタレ》の効果でコストを1下げて------------1マナで《流星のコブシ・エース》召喚」
「あ? パワー1000の雑魚獣か?」
「お前は何も分かっていないらしい。ハンターの本当の恐ろしさは、”これ”だ」
流星のコブシ・エース C 火文明 (2)
クリーチャー:ヒューマノイド/ティラノ・ドレイク/ハンター 1000+
ハンティング(バトル中、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分のハンター1体につき+1000される)
にやぁー、と口角を上げるキイチ。別にハンターの数だけバトル時のパワーが上がるハンティング能力の事を言っている訳ではないらしい。
「さらにコストを1下げて、《コブシ・エース》進化! 《鬼神!ヴァルボーグなう》に!」
「げっ!?」
鬼神!ヴァルボーグなう C 火文明 (3)
進化クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター 6000
進化−自分のハンター・クリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
まずい。《ヴァルボーグなう》はコストが低い上にパワーも打点もある進化ヒューマノイドだ。
転生前の《ヴァルボーグ》から一転、一気に進化元の幅が広がったといえる。
キイチが言いたかったのはこれだ。ハンターは種族間の結束が非常に強いため、それぞれのカードを組み合わせることで強烈なシナジーを発揮するのだ。
「テメェこそ、マナから見たらドラゴンデッキに変えたようだが-----------悪いが、ドラゴンは出させねェぜ! 《ヴァルボーグなう》でシールドをW・ブレイク!」
「先輩っ!!」
ノゾムの呼びかける声が聞こえる。
しかも、こんなときに限ってS・トリガーが来ない。
「へっ、どうした? いつもの運はよォ!? 後に続け、《ヤッタレ・ピッピー》!」
さらにシールドが割られる。
「ッ------------もう、2枚かよ!? いや、まだだ! S・トリガー発動! 《熱血龍 バトクロス・バトル》でお前の《ヴァルボーグなう》と強制バトル! パワー7000のこいつなら《ヴァルボーグなう》を破壊できる!」
「チッ」
舌打ちするキイチ。《バトクロス・バトル》は相手ターンにS・トリガーで出てきた場合、そのターンの終わりに山札へ戻ってしまう。
だが、相手に7000火力を放つことができるのは強烈だ。
「ターンエンドだ」
ついでだ。あの《ヤッタレ・ピッピー》も除去しなければなるまい。
「俺のターンだ! 《勇鬼ヒャクバイザー》召喚!」
現われたのは、レッド・コマンド・ドラゴンだった。それも、スピードアタッカーだ。
「こいつは、攻撃するたびにガチンコ・ジャッジをして勝てばドラゴンをサーチできる効果付きだ! 《ヒャクバイザー》で《ヤッタレ・ピッピー》を攻撃!」
さらに、ガチンコ・ジャッジで互いに山札の上を捲る。
「---------コスト6の《鬼カイザー「滅」》だ!」
「---------ちっ、コスト3の《青銅の鎧》か」
ヒナタの勝ちだ。
「効果発動! 《鬼カイザー「滅」》を手札に!」
これで、次のターンにこちらも畳み掛けられる。
キイチも残りの手札が少ないので、何も出来ないように見えた。
「俺のターン。《ヤッタレ・ピッピー》を召喚。ターンエンドだ」
今しか無い。
ここで畳み掛ける!
「俺のターン! 《鬼カイザー「滅」》召喚だ!」
これで場には、《ヒャクバイザー》と《「滅」》の2体。
「行け、《「滅」》でW・ブレイク!」
「S・トリガー、《ナチュラル・トラップ》で《「滅」》をマナへ」
ここで攻撃しても良いだろう。だが、逆に殴り返されるのも怖い。
「しゃーねぇ! やれるときはやるっきゃ無いんだ! 《ヒャクバイザー》で攻撃! ガチンコ・ジャッジ発動!」
しかし。
「コスト7の《めった斬り・スクラッパー》だ!」
「残念。こちらはコスト8の《武器阿修羅の大猿》だ」
負けた。効果は何も発動しない。
項垂れるヒナタ。唯でさえ手札が危ういというのに。
「S・トリガー、《特攻の菊》召喚」
特攻の菊(ブッコミ・ハリネズミ) P 自然文明 (5)
クリーチャー:ビーストフォーク/ハンター 3000
S・トリガー
相手のクリーチャーが自分を攻撃する時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、その攻撃を中止する。
さらに、自爆すれば相手の自分への攻撃を防ぐS・トリガー獣が現われてしまった。
ここで、追い討ちをかけるように、キイチが動く。
「俺のターン、《次元流の剛力》を出して《魂の大番長 「四つ牙」》を召喚」
次元流の豪力(ジオ・バリバリ・ミランダ) C 自然文明 (5)
クリーチャー:ビーストフォーク/エイリアン 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト6以下の光、火、自然いずれかのサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
※殿堂入り
魂の大番長「四つ牙」(クワトロ・ファング) R 自然文明 (6)
サイキック・クリーチャー:ビーストフォーク/ハンター 6000
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
W・ブレイカー
クリーチャーが5マナで一気に2体も現われてしまった。
じりじりと追い詰められる感覚を覚えるヒナタ。
『どうするんだヒナタ! これでは私の出番なく』
「ああ、テメェの出番はねぇよ! 相手がドラゴンじゃねえと、お前の能力はあってねぇようなモンだろうが!」
小声で手札の《白陽》に話しかける。
「俺のターン! 《爆竜バトラッシュ・ナックル》を手札から召喚! 効果でお前の《「四つ牙」》をバトルして相打ちに破壊!」
「ちっ」
次のターンで決めるつもりだったのか、キイチは露骨な舌打ちをする。
とんだ邪魔が入ったものだ、と。
「まだ足掻くんだな」
「足掻くぜ! 何度でもな! 《ヒャクバイザー》でシールドをブレイク! ガチンコ・ジャッジだ!」
特攻覚悟で攻め込むヒナタ。後続のドラゴンが手札に来れば、勝てる。
しかし、今度もガチンコ・ジャッジは負けだった。ヒナタがコスト3の《メテオ・チャージャー》、一方のキイチがコスト6の《ナチュラル・トラップ》だったからだ。
「まあ、もうすぐそれもできなくなるが」
しかし、それを見てもキイチは動じてはいなかった。
「俺のターン。コストを1下げて、こいつを出す」
手札から現われたクリーチャーは、ドラゴンだった。
「流星の名の下に、邪悪なる者に永遠なる眠りを!
------------《永遠のリュウセイ・カイザー》」