二次創作小説(紙ほか)
- Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝 ( No.319 )
- 日時: 2016/08/11 22:56
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「俺のターン、2マナを使って《一撃奪取 トップギア》を召喚!」
早速、2度目のターンがやってきた。
お馴染み、弓を構えた無法者が現れる。
「ノゾムッ!」
「はいっ!」
「そっちもそっちで整えろよ! 何かされる前に、こっちが展開して何も出来なくしてやろうぜ!」
「言われるまでもありません!」
「その意気だッ!」
いつもの活気が戻ってくる師弟コンビ。
ヒナタはノゾムを完全に信頼しているし、もうノゾムにも負い目が感じられなかった。
「ターンエンドだ!」
暁ヒナタ(鎧龍)
手札3
マナ0/2
墓地0
next turn:槙堂キイチ(聖羽衣)
「俺のターンか。やーれやれ。まあ良い。こっちも仕掛けていこうかね」
そう言うと、マナをチャージするキイチ。現在の彼のマナゾーンには、火の《ミサイル・バーストG》と自然の《躍喰の超人》が置かれている。
「《霞み妖精 ジャスミン》召喚! こいつを自爆させ、マナをチャージ!」
現れたのは、最早定番自然の初動カードの《ジャスミン》。
その身を大地に捧げ、新たな命の糧とする。
「ターンエンド」
槙堂キイチ(聖羽衣)
手札4
マナ1/3
墓地1
next turn:十六夜ノゾム(鎧龍)
ステロイド構築であることは変わっていないようだ。
しかし。まだ何をしてくるかは分からない。前回とデッキが同じとは2人とも思ってはいない。
「オレのターン! ドロー!」
しかし、そこに不安は無い。
迷わずカードを引くと、ノゾムはマナにカードを置いて、2枚をタップする。
「《アクア超人 コスモ》召喚! ターンエンドだ!」
アクア超人 コスモ C 水文明 (2)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃 2000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーがブロックした時、カードを1枚引いてもよい。
十六夜ノゾム(鎧龍)
シールド5
手札4
マナ0/2
墓地0
next turn:獅子怒シド(聖羽衣)
「これで前回のようなビートダウンはある程度抑制できるはずです!」
「よし、このままいくぜ!」
現れたのはチューブを身体に繋げた、水棲人の剣士クリーチャー。
凡庸なブロッカーではあるが、ブロック時にカードを1枚引ける、という能力を持つ優秀な守り手だ。
しかし。
「ブロッカー、か」
ぽつり、と呟いたのは獅子怒であった。
「お、早速”見せる”んですか、アイツを」
「うむ。こちらも動き出そう」
カードを引く獅子怒。
それと同時に、会場の歓声がどんどん大きくなっていく。
応援歌まで聞こえ出す始末だ。
それほどに。
それほどに聖羽衣では彼と言う存在が大きいのだろうか。
「2マナをタップ。聖羽衣の開発した、従順なる我が僕——その力をお見せしよう」
マナがタップされると共に、宙に巨大な影が現れる。
消費されたのは光と闇のマナ。
相対する2つの魔力が、歪に支配された尖兵を生み出した——
「《蟻獅子の隷属 アントニオ》を召喚!!」
次の瞬間、現れたのは槍を持ち、そして蟻のような触覚と複眼を備えた甲冑を被った兵士。
見たところ、種族はジャスティス・ウイングのそれに似ている。
だが、彼を支配しているのは崇高な天命などではない。それだけは見て取れた。
「こいつが居る限り、私の《蟻獅子》と名の付くクリーチャーのコストは1下がる」
「……ってことは……! まだいるってことか……その蟻獅子とかいうクリーチャーは……!」
指定のカードのコストを軽減するサポートクリーチャー。
初見での印象はそれだ。
しかし。初めて見た異質なクリーチャーを前に、底知れない何かをヒナタは感じてしまう。
「ターンエンド」
獅子怒シド(聖羽衣)
手札4
マナ0/2
墓地0
next turn:暁ヒナタ(鎧龍)
落ち着き払った態度の底には何があるのか。
まだ分からないことが多いが、それはこの試合の中で手探りで探していくしかないようだった。
最も、そんなことは今までにもあったので、今更慌てふためくことではない。そう、ヒナタは自分に言い聞かせ、カードを引く。
「ま、ビビっててもしゃーねーわな。なら、こいつを使うぜ! 《早撃ち人形 マグナム》召喚だ!」
早撃人形マグナム UC 火文明 (4)
クリーチャー:デスパペット/エイリアン 3000
スピードアタッカー
いずれかのプレイヤーが、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
現れたのは、代価を支払わぬものに弾丸を打ち込む赤の《マグナム》。本家との違いは、踏み倒されたクリーチャーを直接破壊する、という点だ。
味方も巻き込んでしまうこのカードではあるが、これにより厄介な《ヘブンズ・ゲート》系の呪文やハンターの連携を成す踏み倒し戦法を封じたことになる。
「これで、クリーチャーの踏み倒しなんか出来ねーだろ。ターンエンドだ!」
ヒナタ
手札2
マナ0/3
墓地0
next turn:キイチ
「俺のターン」
目配せをするキイチ。
獅子怒もそれに頷く。
そして、彼もまた迷わずクリーチャーを繰り出した。
タップされたのは火の4マナ。そして炎がデュエルフィールドを包み込む。
「《爆走鬼娘モエル・ゴー》を召喚! こいつの効果で山札からハンターを1体、手札に加える」
爆走鬼娘(ばくそうおにゃんこ)モエル・ゴー C 火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中からハンターを1体選び、相手に見せてから手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
現れたのは、バイクに跨った少女型のヒューマノイド。
そして、その効果により消耗しがちな手札を山札から直接キイチは調達することが出来る。
持ってくることが出来るのはハンターという指定がついているものの、その範囲はかなり広い。
「ハンター……!?」
「そして俺は《獣鬼装甲トラマル GGG》を手札に加えてターンを終了する」
キイチ
手札3
マナ0/4
墓地1
next turn:ノゾム
わざわざ手札のハンターをガチンコ・ジャッジに勝てば踏み倒すことが出来る《トラマル》を手札に加えた、余裕とも取れるこの行動。
先ほどの《アントニオ》と言い、何かが隠されているようだ。確認を取るようにノゾムはヒナタの方を向く。ヒナタも、どこか考えられるものがあったらしい。頷いた。
「先輩……!」
「嗚呼。わざわざ破壊されちまうのに、あれをサーチしたってことは、悠長に構えてもられねーな」
「とにかく、オレも備えないと……!」
カードを引くノゾム。
そして、手札からカードをマナに置いて、そのまま3枚のマナをタップする。
「《アクア・スーパーエメラル》召喚だ! 効果で手札を1枚シールドに置いて、シールドから1枚を手札に加える! ターンエンド!」
ノゾム
手札3
マナ0/3
墓地0
next turn:獅子怒
シールドの交換を行い、攻撃の牽制をするノゾム。
ブロッカーも2体並んでいるこの状況。序盤ではかなり並んだ方ではないか。
そう思った。
しかし——
「——私のターン」
静かに、そして重々しく。
彼は告げる。
「獅子怒さん。アレを使うんですよね?」
「嗚呼。折角だ、蟻獅子の脅威、身を以て体験して貰わねばな。《アントニオ》でコストを1軽減し、3マナをタップ」
生み出されるのは光と闇のマナ。
再び、歪なる使徒が生み出されようとしていた——
「《蟻獅子の呪縛 メキラルコ》を召喚!!」
次の瞬間。
場に戦慄が走る。
地中から現れたのは、魔獣だ。それも——獅子の顔に、蟻の腹部を併せ持った異形。
しかもその眼球は蟻の複眼で不気味さを助長する。
「な、何だよアイツ……!!」
「《メキラルコ》の効果発動」
言った獅子怒の指は、《マグナム》へと向けられている。
そして、淡々と宣言をした。
「このクリーチャーが場に出た時、場に自分の《蟻獅子の呪縛 メキラルコ》がなければ——相手のコスト4以下のクリーチャーを選び、そのクリーチャーの効果を消滅させる」
「なっ……!?」
刹那。
めきっ、と音がする。
《マグナム》の身体からだ。そこから、蟲の触覚が伸び、脚が生えていく——
「そのまま無惨に朽ち果てるがよい」
そう言い終った頃には、最早そこにあるのは——何も出来ない蟲の姿だった。