二次創作小説(紙ほか)
- Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝 ( No.320 )
- 日時: 2016/08/16 14:34
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
何も出来ない芋蟲へと成り果てた《マグナム》。
これこそが、呪われし魔獣・蟻獅子の力であった。
「これは……一体!?」
「効果が消滅。つまり、《マグナム》はバニラクリーチャー扱いとなる。効果を全て失い、ただそこにあるだけの木偶と化したわけだ」
「なっ、バニラぁ!?」
つまり、《メキラルコ》の効果はコスト4以下のクリーチャー1体をバニラと化すと言うこと。コスト4以下だけでも、天門が苦手とするメタカード群の圏内であり、それらを封じることが出来るというのはとても大きい。
が、しかし。ヒナタは手札を見ると笑みを浮かべる。
——だけどラッキー!! 偶然手札にもう1枚《マグナム》がある! 次のターン、こいつも出せば大丈夫だろ!! さっきこいつは、《メキラルコ》の効果が場に他の《メキラルコ》が居ない時にしか発動しないって言った! つまり、2体目以降はどうあがいても封じきれない!
封じられたのならば、もう1体出せば良い。傍から見れば除去されたのと同じだ。ならばもう1度出せば良い。
この時はそう思っていたが——
「そして《メキラルコ》の効果は、この効果の後にバトルゾーンに出たものも含む同名のクリーチャーにも作用する」
「ええええ!?」
蟻獅子の呪縛 メキラルコ 光/闇文明 (4)
クリーチャー:シャイン・モンスター/ダーク・モンスター 4500
このクリーチャーが場に出た時、場に自分の他の《蟻獅子の呪縛 メキラルコ》がなければ、相手のコスト4以下のクリーチャーを1体選ぶ。このクリーチャーがバトルゾーンにあるとき、そのクリーチャーと、同じ名前のクリーチャーの効果は失われる(この効果の後にバトルゾーンに出たクリーチャーも含まれる)。
このクリーチャーは攻撃できない。
ブロッカー
除去手段に乏しい光のデッキは、踏み倒し対策などを始めとしたメタカードを除去できたとしても、2体目以降を出されると厳しさを増すことは往々にしてよくあることだ。
しかし。《メキラルコ》はそれを許さない。
指定した相手のクリーチャーと、同名のカードの効果もロストさせるという能力は、上に挙げた事態を防いでしまうのだ。
つまり《メキラルコ》は場に並んだ複数の厄介なクリーチャーの効果を消滅させるに留まらず、手札にある同名カードを腐らせてしまう凶悪極まりないカードだったのである。
「敵を内部から崩落させるのは蟻獅子の得意戦法。見た目骨太中身はオンボロ……相手を徐々に蝕み、そして腐敗させる。君達が何処まで持つか見物だな」
「さっすが獅子怒さん。これでこっちも気兼ねなく動けますわ。いっつも通りえっぐい戦法っすね」
「そうだな」
否定することをせずに続ける獅子怒。
それにヒナタ達は戦慄を覚える。
「だが、私の戦法は、まだまだこんなものではないのだよ」
獅子怒
手札3
マナ0/3
墓地0
next turn:ヒナタ
ごくり、と唾を飲み込むヒナタ。
これ以上の被害は増えないものの、甚大だ。
出す前のクリーチャーも、場にあるクリーチャーも腐らせるこの能力は非常に厄介である。
「俺のターン……!!」
カードを引くヒナタ。
しかし。
無理矢理にでも笑みを浮かべてみせる。
「——マナをチャージし、3マナをタップして《爆熱血 ロイヤル・アイラ》を召喚! 手札の《マグナム》を捨ててカードを2枚引く!」
爆熱血 ロイヤル・アイラ P(C) 火文明 (3)
クリーチャー:ヒューマノイド爆 2000
マナ武装3:このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンに火のカードが3枚以上あれば、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、カードを2枚引く。
現れたのは和装束に身を包んだ少女。
奇しくも新旧の少女型ヒューマノイドクリーチャーが場に並んだことになる。
ヒナタ
手札2
マナ2/4
墓地1
next turn:キイチ
「おいおい、それで終わりかよ、ド無能のヒナタ……これは勝負着いたかもなぁ」
ククク、と嫌な笑みを浮かべるキイチ。
しかし。反論できない。前のターンに《マグナム》を封じられ、《トラマル GGG》の召喚を許してしまうことになってしまった。
——《天秤》があれば《モエル・ゴー》を破壊出来たが……遅かったか……!
「ヒナタ先輩……!!」
「仕方ねえ、次のキイチのターンでぜってーでっかいのが来る——だけど、何とか耐えきるしかねぇ!!」
「は、はいっ!!」
「それじゃあ行くぜェ、俺のターン!」
カードを引くキイチ。
そして、マナにカードを置き、そして火を含む5枚のマナがタップされる。
「《爆走鬼娘 モエル・ゴー》進化ッ!!」
ギラリ、と狩人の目が瞬いた。
それと同時に、巨大なミサイルを抱えた鬼人が姿を現す。
「食い破れ、《獣鬼装甲トラマルGGG》!!」
獣鬼装甲トラマルGGG(トライジー) R 火文明 (5)
進化クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン 6000
進化-自分のヒューマノイド1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、相手と3回ガチンコ・ジャッジする。自分が3回勝ったら、コスト12以下の進化ではないハンターを1体、コストを支払わずに召喚してもよい。自分が2回だけ勝ったら、コスト8以下の進化ではないハンターを1体、コストを支払わずに召喚してもよい。
W・ブレイカー
「さあ、こいつの攻撃時効果発動!! 3連ガチンコ・ジャッジだ、ヒナタッ!!」
「——来るかッ!!」
次の瞬間、ヒナタとキイチのカードが3枚展開される。
「こいつの効果で2度勝てば、コスト8以下。3度ガチンコ・ジャッジに勝てば——コスト12以下のクリーチャーがバトルゾーンへ現れる!! 覚悟しろよーッ!!」
1度目。
展開されたカードは——ヒナタがコスト4の《燃えるメラッチ》、一方のキイチがコスト9の《おやすみヒッポポさん》。キイチの勝利となる。が、それだけではない。
「《ヒッポポさん》がガチンコ・ジャッジで捲られて勝った時、山札の下に戻す代わりにバトルゾーンへ出すことが出来る!!」
「っ!?」
「さあ出て来い!!」
おやすみヒッポポさん R 自然文明 (9)
クリーチャー:ドリームメイト 9000
自分がこのクリーチャーを見せてガチンコ・ジャッジに勝った時、このクリーチャーを山札の下に置くかわりにバトルゾーンに出す。
W・ブレイカー
空間を裂き、巨大なドリーム・メイトが姿を現す。
ファンシーな見た目ではあるが、その存在感は圧倒的だ。
「ふ、増えた——!!」
「さあ二度目だ!! 覚悟しやがれ!!」
捲られるカードはキイチが《永遠のリュウセイ・カイザー》、そしてヒナタが《勇愛の天秤》。またもヒナタの負けだ。
「此処まで2敗——!!」
「さあ行くぜ、三度目——!!」
カードが捲られる。
早くも、このガチンコ・ジャッジがこのデュエルの命運を分けようとしていた——