二次創作小説(紙ほか)

Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.338 )
日時: 2016/08/22 03:04
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

 ——鎧龍と零央のデュエル。
 序盤から、《フェアリー・ライフ》や《霞妖精 ジャスミン》でマナ加速の応酬を繰り返す真胴とコトハ、そして《メンデルスゾーン》を使って一気にマナを増やすヒナタ。先にコトハが《薫風の面 ニャス》を出したことで、それは打ち止めとなる。
 対する真胴は《フェアリー・シャワー》で手札もマナも増やし、更に展開していく姿勢を見せた。更に次のターン、《飛散する斧 プロメテウス》を出してマナと手札を増やしている。
 また、ツグミは此処までに大きく動いてこそいないものの、3ターン目にチャージャー呪文でマナを増やしたことで、次のターンに《オラクル・タクティクス零式》でコスト7のオラクリオンを出せる圏内となっていた。
 此処まで睨み合いが続き、一歩も譲らなかったが——

「あたしのターン、《奇跡の面 ボアロジー》を召喚! その効果で、マナゾーンのカードに全ての文明が揃っていれば、あたしは山札からカードを2枚、マナに置ける!」



奇跡の面(ミラクル・スタイル) ボアロジー 自然文明 (4)
クリーチャー:ビーストフォーク號 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンにすべての文明が揃っていれば、自分の山札の上からさらに1枚、マナゾーンに置く。 



 現れたのは、5文明のマナを現した仮面を被ったビースト・フォーク。
 地面に向かって祈りをささげると同時に、召喚者であるコトハのマナに恵みを齎す。
 これにより、彼女は既にマナゾーンに7枚のカードを溜め込むことに成功する。

「ターンエンドよ! 早期に加速すれば、《戒・神聖騎 オルタクティス》だって怖くは無いわ!」

 前回はそれにより、出鼻を挫かれたが、今回は次のターンでマナが8枚になる。
 コトハは、もう遅れは取るつもりは無かった。

 如月コトハ(鎧龍)
 手札2
 マナ3/7
 墓地1
 next turn:有栖川ツグミ(零央)

「——確かに。でも足は止められるかも——《オラクル・タクティクス零式》をとなえて、カードを引いたのちに次に出すオラクリオン、無色クリーチャーのコストを最大3下げるかも。私が出すのはこの子——」

 言った彼女は、残る4枚のマナをタップした。
 そして——目の前に神のコアが形成され、そこに凶悪で凶暴な神が凶兆と共に現れる。
 神聖で邪悪な神の儀式の元に——




「それは完全にして不完全なタクティクス。降臨せよ、《戒・神聖騎 オルタクティス》」 



 
 ——顕現した。
 相手がマナゾーンの枚数以上のコストを持つクリーチャーを出すことを禁じる上に、バトルゾーンに出た時に相手クリーチャーを1体選び、パワーを-6000するという光文明らしからぬ効果を持った脅威のオラクリオン、それが《オルタクティス》。
 その雷が、今度は《ニャス》を狙い、打ち滅ぼす。

「とーじょーじ効果で《ニャス》のパワーをマイナス6000し、破壊かも。ターンエンド」

 有栖川ツグミ(零央)
 手札3
 マナ0/5
 墓地1
 next turn:暁ヒナタ(鎧龍)
 
「キツイなおい……!!」
「ヒナタも早くマナを溜めた方が良いわ! 行動を縛られるわよ!」
「分かってる! 何のために、さっきから《メンデルスゾーン》と《ミツルギブースト》でマナを増やしたと思ってんだ! このまま動きを縛らせて貰うぜ!」

 カードを引いたヒナタは、そのまま6枚のマナをタップする。
 《オルタクティス》の効果でマナと同じコストのクリーチャーも出せないが、此処までの過剰とも言えるブーストはそれも見越しての事だ。
 カードを引いた彼は、迷わず6枚のマナをタップする。
 
「強欲な咎人に断罪の鎖を!! 振るうは刃、断ち切るは生命の根源!! 
《メガ・マナロック・ドラゴン》召喚!!」

 次の瞬間、現れたのは大剣を携えた巨龍であった。
 それが一気に間合いを詰めると、真胴のマナゾーンへ大剣を突きさす。

「あんたのマナにあるのは、自然、水、火の3種類!! よって、《プロメテウス》と《ニヤリー》、《カツキングMAX》の3枚をフリーズする!!」

 ——この男のデッキ……!! 見たところ、シータカラーのビマナみたいだ……! 取り敢えず、次のターンが回ってくるこいつを封じておくか、と思ったけど有栖川ツグミの方を封じた方が良かったか……!? でも、これ以上野放しにするのは危険だし……!!
 火でありながら、コントロール色の強いカード、《メガ・マナロック・ドラゴン》。前回現れてすぐさま破壊された鬱憤を晴らさんとばかりに咆哮する。
 どちらを縛るかは正直迷ったが、すぐにターンが来る方を縛った方が相対的に有利にはなるはずだ。
 ——時間稼ぎにはなるはずだが……!

 暁ヒナタ(鎧龍)
 手札0
 マナ1/7
 墓地1
 next turn:真胴ハツタ(零央)

「——ターンエンド」
「それでは自分のターンでございますね」

 恭しく礼をした彼はカードを引く。
 そのまま——5枚のマナをタップする。

「呪文、《伝説の秘法 超動》。その効果で2枚ドロー。ターンエンドです」

 そのまま、彼はカードを引いただけでターンを終えてしまった。
 ヒナタのマナロックが牽制になったのかは分からない。しかし——これだけは言える。



 真胴ハツタ(零央)
 手札4
 マナ0/8
 墓地3
 next turn:如月コトハ(鎧龍)



「……手札も増やしてきたか……ターン中に合計3枚。なら、あんたのターン終了時にリベンジ・チャンス発動よ!」

 宣言するコトハ。
 次の瞬間、彼女の手札から糸が張られ、蜘蛛のようなクリーチャーが現れる。

「《ベニジシ・スパイダー》のリベンジ・チャンスは、相手がカードを3枚以上引いていた時に発動し、ターン終了時に場に出るわ!」



ベニジシ・スパイダー C 自然文明 (5)
クリーチャー:ジャイアント・インセクト 4000
W・ソウル
リベンジ・チャンス−各ターンの終わりに、相手がそのターン、カードを3枚以上引いていた場合、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。



 ——ま、それでも蟲は苦手だからこれの造形はこないだの蟻獅子を思い出すけど——!
 少し、背筋にぞっとするものを感じながらも彼女は自身の選択は間違っていなかった、と喜ぶ。 
 これで、準備は出来た。彼女はぐっ、と拳を握り、気合を入れる。

「とにかく、こっちもそろそろ仕掛けていかないといけないみたいね——!」