二次創作小説(紙ほか)

Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.339 )
日時: 2016/08/22 00:42
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

 言った彼女も、7枚のカードをタップする。
 ようやくこのターンで7マナのカードを使えるようになったのは大きい。
 一気にエンジンを掛けることが出来る。
 ——今回も頼むわよ!

「《龍覇 イメン=ブーゴ》召喚! その効果でコスト4以下の自然のドラグハート、《邪帝斧 ボアロアックス》を装備するわ!」

 現れたのは仮面を被った邪悪なシャーマン。
 そして、虚空が裂けて邪悪なる斧がその手に渡る。

「……やっとでてきた……あなたの、きりふだ」
「その効果で、マナから《電流戦攻 セブ・アルゴル》を召喚するわ! その効果で、《イオの伝道師 ガガ・パックン》を召喚!」



電流戦攻セブ・アルゴル UC 水文明 (5)
クリーチャー:アースイーター/サイバーロード/エイリアン 2000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト5以下の、光、水、闇いずれかのサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。



イオの伝道師ガガ・パックン UC 光文明 (4)
サイキック・クリーチャー:バーサーカー/エイリアン 3000
相手の呪文を唱えるコストは1多くなる。
覚醒リンク−自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《タイタンの大地ジオ・ザ・マン》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。

 

 今度は、不定形な電脳の異星獣が現れる。
 それと同時に、虚空を裂いて更なる異星獣も姿を現した。
 呪文の詠唱を制限する《ガガ・パックン》だ。
 これでコトハの場のクリーチャーの数は4体に増えた。しかし——これだけでは終わらない。

「そして、場にあるクリーチャーのコストは《ベニジシ・スパイダー》と《セブ・アルゴル》の5×2で10、《ガガ・パックン》を足して14、そして——《イメン=ブーゴ》で計21になるわ! よって、ターン終了時に龍解条件達成よ!」

 ゴオオオオオ、と命の源を取り込むように斧が唸る。
 そして——《イメン=ブーゴ》がそれを大地へ突き立てる。
 茨が生え、斧は肥大化した欲望と龍魂を取り込むように——遺跡となる。



「《邪帝遺跡 ボアロパゴス》、2D龍解完了!」



 龍解したそれは、強大なる遺跡であった。
 クリーチャーを出す度にマナからコスト5以下のクリーチャーを出せる繁栄のドラグハート・フォートレス。
 これにより、コトハの布陣は盤石になる——そう思われた。

 コトハ
 手札0
 マナ0/8
 墓地1
 next turn:ツグミ

「これでどーよ!」
「すげぇ! まさか、リベンジ・チャンスから繋げて一気に龍解させるなんて!」
「……甘いかも。あなたは前に、このこの事をすこししか見てないからわからないかもだけど——」

 カードを引いたツグミは——1枚のマナをタップする。

「呪文。2枚目の《オラクル・タクティクス零式》。そのこーかでカードを1枚引き、次に出すオラクリオンのコストを最大3下げるかも」
「……?」

 次は何を出すと言うのか。 
 彼女は握った1枚に軽く口づけすると——4枚のマナをタップした。

「そうぞうせよ、あんだーわーるど。じゅんかしたせかいに——戒めを——」

 次の瞬間、《オルタクティス》の身体が神々しい光に包まれる。




「——”神化”、《神世戒 ニュークリア・デイ》」



 ざわっ、と一際強大な風が2人を襲った。
 それは、覇気だ。
 一般のクリーチャーでは放て得ない強大な覇気なのだ。
 現れたのは、天使の翼と悪魔の翼の両方を生やした、半人半獣の神であった。
 腕も、顔も、既存の神を継ぎ接ぎしたかのようなイビツさだが、それが逆に不気味さを煽る。

「で、出たわね——!!」
「あれか、コトハ……!! 前にお前が言ってた、一番でかい奴……!!」
「そうよ。イマイチ、効果の詳細までは分からなかったけど……!!」
「こーか発動。じゅんかせよ、《ニュークリア・デイ》」

 次の瞬間——《マナロック》と《ボアロパゴス》が消し飛んだ。
 跡形も無く、光のように、消失したのだ。
 手をかざしただけで、それをやってのけた目の前の神——まさに、格が違うとしか言いようが無い。

「《ニュークリア・デイ》のこーか——それは、相手のコスト8以下のカードを2枚まで選び、持ち主の山札の一番下にけしとばすことかも、だよ?」



神世戒しんせかい ニュークリア・デイ 光/闇文明 (14)
進化クリーチャー:オラクリオン零式 13000
進化--自分の無色クリーチャー1体の上に置く。
ソウルシフト
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の場にあるコスト8以下のカードを2枚まで選び、持ち主の山札の一番下に置く。
自分の他の無色クリーチャーに「エターナル・Ω」を与える。
山札、バトルゾーン、マナゾーンにあるこのクリーチャーを無色クリーチャーとして扱っても良い。
T・ブレイカー



「ッ嘘でしょ!?」
「2枚も……!! カード除去ってことは、フォートレスだろうが何だろうが消し飛ばされちまうってことじゃねえか!!」
「それと、この子以外の無色クリーチャーは全て「エターナル・Ω」を得るから」

 エターナル・Ω。それは、本来ならばゼニスにのみ許された特権のような能力。
 しかし、一部の進化オラクリオンもこの能力を持つが——
 ——幾らソウルシフト持ちの進化クリーチャーだからって、やばすぎだ……!! 他の奴に除去耐性追加した時点で《レオニダス》の時とは訳がちげーぞオイ……!! 素人目に見ても、こいつが2体並んだら……!!

「ターンエンド」

 ツグミ
 手札2
 マナ0/5
 墓地2
 next turn:ヒナタ

 告げるツグミ。
 その正面には、余りにも大きすぎる神の姿があった——
 ——どうする俺……!! 召喚さえも制限されてるし——ん? 待てよ、召喚?
 はっ、とヒナタは気付く。確かに敵の切札は強大で厄介だ。しかし、突破口はある、と。
 胸を突き動かされるような感覚に任せてカードを引いた。

「呪文、《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》!! その効果でマナゾーンのドラゴンの数6体分だけ山札の上から6枚を展開して、コスト8以下のドラゴンを場に出す!!」
「ヒナタ!?」
「よく考えてみれば簡単な話だったぜ! 進化したってことは、《オルタクティス》の効果も、もう気にせず戦えるってことじゃねえか!!」
「ッそこでそのカードを引くなんて——」
「行くぜッ!! 俺が出すのはコイツだ!!」

 火焔の陣が現れる。
 そこに召喚されるのは知識と呪文を司る秘術の結晶龍だった。

「《龍素記号Sr スペルサイクリカ》! こいつの効果で、俺はもう1回《ジャックポット・エントリー》を使える!」
「《サイクリカ》……!?」

 おおっ、と目を輝かせたのはノゾムであった。

「すっげぇ! 先輩がこんな形で《サイクリカ》を使うなんて!」
「元は水使い、だからでしょうか……!」
「あいつは基本、どんな戦法もどんなデッキも、使いこなせるからな。そうやって対戦相手の良い所を吸収し、暁ヒナタは無限に強くなる。例えそれが、命を賭けて戦った相手のものだろうか、どんどん取り込む。そういう奴だ」
「ヘッ、流石ァ。我が後輩ながら怖いね」

 現れた《サイクリカ》。この龍の力により、もう1度《ジャックポット》を唱える戦法は——アンカから流用したものであった。
 ——俺の方が、もっと使いこなせる!!
 という対抗心から来たものでもあるが。
 展開されるカード。そこからヒナタが選び取ったのは——



「俺が出すのはコイツ——《激龍剛撃 ドン・ドドフェル》だ!!」