二次創作小説(紙ほか)
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.342 )
- 日時: 2016/08/24 08:12
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「《バトライ武神》——!!」
「このままいくぜ!! 《モルト「刃」》でシールドをW・ブレイク!!」
熱い魂に呼応して、最強の熱血龍が現れた。
暁の日差しで輝く戦場に、勝利を齎すために咆哮を上げる。
「狙うのは有栖川、お前のシールドだ!! W・ブレイク!!」
「ッ……!!」
シールドが2枚、大剣によって叩き切られる。
トリガーは無いようだ。そのまま、後に続くようにして、《バトライ武神》も攻めたてた。
「《バトライ武神》で攻撃するときの効果発動!! 山札の上から3枚を捲り、それが進化でないヒューマノイドかドラゴンならバトルゾーンに出せる!!」
展開されたのは——《勝利天帝 G・メビウス》、《メガ・デストロイ・ドラゴン》、そして2体目の《モルト「刃」》の3枚。
よって、3体ともバトルゾーンへ現れる。
更に——
「出たカードが全てドラゴンの時、俺のクリーチャーはこのターン、全てスピードアタッカーを得る!!」
全員が、《バトライ武神》の咆哮に応えるようにして腕を突き上げた。
まさに、臨戦態勢。
そして、士気高揚状態であった。
「更に!! 《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》を《モルト「刃」》に装備して、もう1体の《オルタクティス》を破壊だ!」
2体目の《オルタクティス》は突如現れた巨大な龍剣の前に切り伏せられた。
これだけの打点があれば、ダイレクトアタックまで持っていくことができる。
そんな希望と共に、《バトライ武神》の大剣が、ツグミのシールドを全て薙ぎ払った——
——凄いよ、ヒナタ——!! カードが連鎖するように——!! これなら、勝てるよ!!
「S・トリガー、《アポカリプス・デイ》、ちょーどーかも」
——刹那。2人の表情は凍り付いた。
次の瞬間——破壊の光が全てを包み込む。
そして、ヒナタとコトハは勿論、ツグミと真胴のクリーチャーも全て破壊されていく——
「《ニュークリア・デイ》は仕方ないかも。でも——」
「はい、ツグミ様。《サファイア》には付与されたエターナル・Ωがございます。でも、もうクリーチャーがいないので余り意味を成さないかもしれませんね」
「ッ!!」
折角、後少しだと思ったのに攻めきれなかった。
ヒナタの顔が真っ青になる。このままでは全滅だ。
ドラゴン達が次々に消し飛ばされる中——
「《バトライ武神》、龍回避だ!!」
必死に、叫ぶと同時に《バトライ武神》は要塞へと姿を変えることで破壊の光から逃れることが出来た。
「ターン、エンド……!!」
流石に戦慄する。
あれだけ並べていた軍勢が一瞬のうちに消失してしまったのだ。
「わ、わりぃコトハ——!!」
「良いのよ。殴っていれば、いずれあれを踏んで全滅していたわ。それにこっちにはまだ、ドラグハート・フォートレスがあるわ!」
「失礼。僭越ながら先ほどのお返しは、しっかりやらなければいけないようですね——!!」
零央シールド5:真胴(5) ツグミ(0)
次の瞬間、今度は真胴がカードを引く。
そして——3枚のマナをタップした。
「呪文、《戦慄のプレリュード》」
戦慄のプレリュード UC 無色 (3)
呪文
このターン、次に召喚する自分の無色クリーチャーの召喚コストを最大5少なくしてもよい。
「その効果でコストを5軽減し——このクリーチャーを召喚させていただきます。私自身の切札を——」
次の瞬間。
大地が揺れる。そして——大きな咆哮と共に、虚空が裂けた。
「鬼と修羅、今こそ2つの力を融合し大いなる救いを齎せ——」
天空に浮かび上がるのは、ゼニスの紋章だった。
それが今、現れる。
「出でよ、《超絶奇跡 鬼羅丸》」
現れたのは——以前、フジも使っていた最強のゼニス・《鬼羅丸》だった。
その効果は、ガチンコ・ジャッジを3回行い、自分が勝つ度に見せたクリーチャーをバトルゾーンに出す、または見せた呪文をバトルゾーンに出すと言うものだ。
「それでは行きましょうか——三連ガチンコ・ジャッジ!! 相手は暁ヒナタ、貴方ですよ」
「ク、クソッ……!! またこれかよ!!」
真っ青になるヒナタ。
3枚のカードが展開される。
1枚目——ヒナタが《メガ・マナロック・ドラゴン》コスト6、真胴が《G・サファイア》コスト10でバトルゾーンに。
2枚目——ヒナタが《バーニング・銀河》コスト5、真胴が《ボルシャック・クロス・NEX》コスト9でまたもバトルゾーンに。
そして3枚目——ヒナタが《次元龍覇 グレンモルト「覇」》に対し、真胴が《サイバー・A・アイアンズ》だ。
これにより——3打点持ちのクリーチャー3体が一気にバトルゾーンへ出ることになってしまったのである。
「《クロス・NEX》の効果で、貴方はコスト4以下のクリーチャーを場に出せません。そして、《アイアンズ》の効果で自分は5枚ドロー」
大きなアドバンテージだ。
差はただでさえ圧倒的であるが——とうとう猛攻を仕掛けた。
「では、そのまま《鬼羅丸》でシールドをT・ブレイク!!」
「ッ……!!」
これにより、ヒナタのシールドは既に全て叩き割られたことになる。
今度はコトハを狙い、《クロス・NEX》と《アイアンズ》が追撃する。
「《クロス・NEX》でシールドをT・ブレイク!!」
巨大な剣が振り下ろされ、コトハのシールドが3枚砕け散った。
そして——最後に《アイアンズ》がその鉄槌を振り下ろす。
「では、《アイアンズ》で最後の2枚のシールドをブレイク!!」
コトハは思わず見上げた。
——弱気になるな、あたし——!! あたしが此処で諦めたら、またあいつの足を引っ張っちゃう——!! それだけは、それだけは絶対に嫌!!
それにこたえるかのように、コトハの最後のシールドが収束する。
「S・トリガー、《古龍遺跡 エウル=ブッカ》!! その効果で、《G・サファイア》と《クロス・NEX》をマナゾーンへ!!」
次の瞬間、遺跡から伸びた蔓が2体のクリーチャーを拘束し、地面へ引きずり込んだ。
これにより、真胴の場に攻撃できるクリーチャーは居なくなる——
「バカな——!! まあ、良いでしょう……《鬼羅丸》が居る限り、私の布陣は盤石です」
「そうね。でも、学習しないおバカさんには少し痛い目を見て貰うわ」
「……何?」
次の瞬間——コトハの手札から2体のクリーチャーが現れる。
「《ベニジシ・スパイダー》2体をリベンジ・チャンスで場に!! あんたが手札を引いてくれたおかげで、こいつらのリベンジ・チャンスが発動したわ」
「今更ザコを並べたところでなんにもならないかも」
「その効果でマナを更に2枚増やす。そして、マナから《ニャス》を《ボアロパゴス》の効果で出すわ。雑魚も、増えたら意外と厄介ってのがこの世界の通説なのよね!!」
「!!」
再び、如月コトハのマナゾーンは虹色に染まった。
そして、それだけではない。まだ、《ボアロパゴス》の効果は終わっていないのだ。
「今度は《セブ・アルゴル》召喚! その効果で超次元から《ガガ・パックン》を出すわ!」
「……ふむ」
「そして——あたしのターン」
彼女はカードを引いた。そして、静かに呟く。
「ヒナタ。あんたの背中を今まで追いかけてきて分かったことがあるわ」
「……?」
「あんたがどれだけ大きなものを背負っているか——どれだけ苦しいものを抱えているか——あたしにも分かった。だから——それを、一緒に背負わせてほしい!!」
「……コトハ……!?」
マナをタップする。自分の思いを、最大限に引き出すように。
「あたしは5マナで《龍覇 マリニャン》を召喚。その効果で、超次元から《無敵剣 プロト・ギガハート》を装備するわ。そしてマナから《ボアロジー》を出して、マナを2枚加速する! そして、7マナで《護英雄 シール・ド・レイユ》も召喚。その効果で狙うのは勿論その2体!! マナ武装7でシールド送りよ!」
「っ……!!」
「《ボアロパゴス》の効果で《コートニー》をバトルゾーンへ」
此処まで、コトハはマナゾーンにある元々あった11マナのうち、5枚を消費するも更に2マナをチャージ。
そして、使える9枚のうち、7枚を消費して残りは2マナある。
「だけど、それだけならまだどうにかなるかも。それに、それ以上強力なクリーチャーはだせないかも」
「——そうね。だけど、見せてやるわ。こっからがあたしの革命よ!!」
次の瞬間、彼女は2枚のマナをタップし、言った。
「——森羅万象の理に従い、今こそその身を大地に捧げん——革命2、発動!!」
次の瞬間、浮かび上がった自然の紋章が6つから2つに減った。
つまり、これはコスト軽減だ。それも、まだ見えないクリーチャーが自分自身のコストを軽減したと言うことになる。
「この子はね、革命2でシールドが2枚以下のとき、最大コストが5まで小さくなるの。そして、《マリニャン》から進化!!」
淡く抱いていた思い。
そして囚われていた苦しみ——それさえも、全て糧にして。
大地の始祖龍が今こそ進化しようとしていた。
「目覚めよ、そして恐れ戦く龍の革命を果たしなさい!!」
その身体は、羽毛の生えた始祖鳥のようであった。
自分の気持ちの表と裏——そして生じるジレンマも、苦しみも乗り越えて始祖龍は咆哮する。
今、大地から目覚めた古代の革命軍が、その遺伝子と共に蘇る。
「大地を糧に、新たな命を生み出す母体となれ!
《革命目 ギョギョウ》!!」