二次創作小説(紙ほか)

Act3:ニューヨークの来訪者 ( No.368 )
日時: 2016/09/05 19:09
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

 突如現れた少女とジャンヌ・ダルク2機のデュエル。
 3ターン目、先攻を取ったのは少女の方だが、場には互いに、少女が《強襲のボンスラー》、対するジャンヌ・ダルクはハンデスされれば墓地からカードを回収する上に呪文では選ばれない《墓守の鐘ベルリン》が居た。
 そして、一緒に空間に巻き込まれたホタル達も、このデュエルを見届けることになったのである。

「相手、闇使いみたいっすねレン先輩……!」
「そうだな。しかも闇単らしい。美学を感じるな」
「確かにそうですけど……それよりもあの犬のクリーチャー! あれも、生きたカードですよね!?」
『間違いないのう……』
『ところであたし達、いつまでここに寝っ転ばされてるんだろうね……』
『さあ……あの少女が負けたら全員黒焦げですかね。あ、私とハーシェルは大丈夫ですが、そこの子兎。貴方は大丈夫ですかねえ。まあ、直撃したら焼き兎の完成ですね。じゅるり』
『こんな時にまでブラックなジョークを言うのやめよう!? それジョークだよね!?』

 何処か、不穏さを同時に感じる。アヴィオールの発言にも、そして少女のデッキにも。
 ともかく一体、何を考えているのか——明るそうな性格の少女ではあったが、抱えているのは凶悪な闇。それは間違いない。

「じゃっ、私のターン! 《復讐 ギャロウズ》を召喚するよ! このときに私は、手札の《復讐 ブラックサイコ》を見せるから、この子のコストはマイナス2されて、5コストから3コストに! だからそのまま3マナ払ってバトルゾーンへ!」



復讐 ギャロウズ UC 闇文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 4000
このクリーチャーを召喚する時、自分の手札から進化クリーチャーを1体相手に見せてもよい。そうしたら、このクリーチャーのコストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
スレイヤー



「侵略者……しかも、コトハの兄も使っていたカードが見えたぞ」
「《ブラックサイコ》……あれが闇の侵略カードなんですね……」

 ——しかし、場には《ベルリン》がいるぞ……。ハンデスは意味を成さない……どうする?
 場を守っている《ベルリン》は、この場合かなり厄介な敵となるだろう。ハンデスが通用しない上に、半端に高いパワーでウィニーは殺されてしまう。
 しかし、そんなことは意にも介さず彼女はターンを終えたのだった。

 少女:山札28 手札2 マナ3 墓地0 

『私たちのターン』
『人間よ。我々に盾突くなど、何万年も早い——3マナで《コアクアンのおつかい》を唱え、山札の上から3枚を捲ります。そして、その中から光と闇のカード——この私、《勝利の女神 ジャンヌ・ダルク》』
『そしてこの私、《破滅の女神 ジャンヌ・ダルク》を手札に。残る《龍脈術 水霊の計》を墓地へ』

 彼女たちが使ったのは手札補充だ。
 マナも見るに、ヘブンズ・ゲート系列のデッキの挙動であることは間違いない。

『ターンエンド』

 ジャンヌ・ダルク:山札26 手札4 マナ3 墓地2

 では、と言った彼女はカードを引く。
 そのまま少し思案すると、1枚のカードを突き付けた。

「呪文、4マナで《邪魂創世》! その効果で、《ボンスラー》を破壊して、カードを3枚引くよ!」

 

邪魂創世 P 闇文明 (4)
呪文
自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、カードを3枚引く。


 
 《ボンスラー》は犠牲にこそなったものの、その代わりに少女の手札は一気に3枚に増える。
 そのまま攻撃せずに、彼女はターンを終えたのだった。

 少女:山札24 手札3 マナ4 墓地2

『私たちのターン——おのれ、小賢しい真似を……《王機聖者 ミル・アーマ》召喚』
『この効果によって、我々の呪文のコストはマイナス1されます』

 

王機聖者ミル・アーマ P(C) 光/水文明 (3)
クリーチャー:グレートメカオー/イニシエート 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
ブロッカー
自分の呪文を唱えるコストを1少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にならない。



 現れたのは金色の身体に身を包んだ聖者。
 呪文のコストを1軽減する能力は、かつて《ドラヴィタ・ホール》などに繋がるが故に規制された程。
 これにより、次のターンにジャンヌ・ダルク達は次のターンに《ヘブンズ・ゲート》が使えるようになったのである。

『ターンエンド! さあ、次のターンでお終いにしてやろう!』
「……へーえ」

 笑みを浮かべた少女は、カードを引く。
 巨大なブロッカーが並べられるのは、ビートダウンにとってはかなり厳しい状況だ。
 しかし。そんな生温い考えは、侵略の前では無力——

「それじゃあ貴方にも、私のとっておきを見せてあげるよっ!」

 カード3枚を横に倒し、彼女は言う。
 
「まずは《爆弾団 ボンバク・タイガ》召喚! そのマナ武装3で《ベルリン》を破壊!」



爆弾団 ボンバク・タイガ C 闇文明 (3)
クリーチャー:ファンキー・ナイトメア 2000
マナ武装 3:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンに闇のカードが3枚以上あれば、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは-3000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)



 現れたのは大量の爆弾を抱えた虎のぬいぐるみ。
 それが《ベルリン》へ向かって爆弾を投げつけ、爆破してしまう。
 マナ武装により、マナゾーンに闇のカードが3枚あれば圧倒的なコストパフォーマンスを発揮する。今までの低コストパワー低下カードよりも、使い勝手は良い。
 これにより、ハンデスの邪魔になるカードはいなくなったと言えた。

「そして、そのまま《ギャロウズ》で攻撃——するときに」

 復讐の鬼は、突貫する。
 あらゆる恨み辛み妬みを抱え、それをあらぬ方向へぶつけるため。
 同時に1枚のカードが《ギャロウズ》の頂きへ置かれた。

「侵略発動、《復讐 ブラックサイコ》——」

 次の瞬間、ジャンヌ・ダルクの手札2枚が切り裂かれる。
 落とされたのは《セブ・コアクマン》と《ヘブンズ・ゲート》だ。
 復讐の刃はどんな知識もそぎ落とす。
 しかし、これだけでは復讐は終わらなかったのである。

「——そして、”多重侵略”発動!!」
『なっ!?』

 この場の全員が驚愕した。
 少女は、《ブラックサイコ》の頂にさらに1枚、カードを重ねる。
 それは禍々しき復讐の刃。
 《ブラックサイコ》の身体が黒い炎に焼き尽くされ——そこから新たなる侵略の化身が姿を現した。
 
「復讐の炎、燃えて、滾って、そして焼き尽くしちゃって!!」

 幾万もの刃は全てを突き貫き、灼熱の復讐の炎はあらゆる命を滅す。
 その姿は突如、蹂躙するかのようにして現れた。




「——《超復讐 ギャロウィン》、Sally go!!」