二次創作小説(紙ほか)

Act3:ニューヨークの来訪者 ( No.369 )
日時: 2016/09/05 21:12
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

 現れたのは復讐の炎を纏った闇の侵略者。
 骸骨の顔に、無数のダガーを携えた鎧、そして骨が剥き出しになったような四肢は不気味ささえ感じさせる。
 
「それじゃあいっくわよ! 《ギャロウィン》でシールドをW・ブレイク!」

 ダガーが放たれ、シールド2枚を叩き割った——しかし。
 砕かれたシールドが収束し、天国への門が開く。

『S・トリガー発動、《ヘブンズ・ゲート》!! 効果でこの私、《勝利の女神 ジャンヌ・ダルク》と』
『この私、《破滅の女神 ジャンヌ・ダルク》をバトルゾーンへ!』

 現れた2体の光器。
 その神々しい光と禍々しい紫電がバトルゾーンを侵食していく。
 それを見た少女は——

「お、おおお! 燃えてきたわ! 相手の切札登場!? これは倒しがいがあるってものよね!」

 ——むしろ、滾っていた。
 その様子を見たノゾムは訴えかけるように「大丈夫なんすかアレぇ!?」とレンに言った。その彼も呆れてはいたが。そんな中、ホタルだけがデュエルの展開に目を見張っていた。
 ——何だろう……あの余裕。あの《ギャロウィン》ってカード、まだ力を発揮していないような……!

『私の効果により、《ボンバク・タイガ》をタップします!』
『そして私の効果により、場にある光のハンターの数だけ墓地を捨てろ!』
「あーあ、手札が」

 少女の最後の手札は——《ゲロNICE・ハンゾウ》であった。
 このとき——女神達は戦慄する。
 このカードを墓地に落としたということは——

「マッドネス、発動! 《ゲロNICE・ハンゾウ》召喚だよっ! その効果で《ミル・アーマ》のパワーをマイナス6000して破壊するわ!」



ゲロ NICE(ナイス)・ハンゾウ UC 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは-6000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
相手の呪文の効果または相手のクリーチャーの能力によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに置いてもよい。



 現れたのは、狩人と化した戦国の忍。
 その毒を塗ったクナイは、一瞬で金色の鎧を砕き、内側から腐らせ——破壊する。
 何であれ、見事な切り返しだ、とレン達は戦慄する。しかし、あの女神2体をまだ倒せたわけではないのであるが。

「いやぁー、まあ。さっきの《邪魂創世》で運よく2枚が手札に入ったからなんだけどねぇ。たはは……ま、なんであれ私はターンエンドだよ」

 少女:山札23 手札0 マナ5 墓地3

『おのれ小娘め……!』
『私たちのターンです』

 カードが目の前の手札へ加えられる2体の女神。
 そして——1枚のカードを突き付けた。

『《光器パーフェクト・マドンナ》召喚——このクリーチャーは場を離れないブロッカーだ』
『この守り、そう簡単に突破させるわけにはいきません。それでは——この私、《勝利の女神 ジャンヌ・ダルク》自らあなたの場を清めて差し上げましょう! 《ボンバク・タイガ》を攻撃!』

 先に躍りかかったのは《勝利の女神 ジャンヌ・ダルク》であった。 
 その効果により、《ハンゾウ》もまたタップされる。攻撃時にも相手をタップする《ジャンヌ・ダルク》は非常に突破力が高い。
 そして——《ボンバク・タイガ》を勝利の光によって撃ち貫き、破壊した——その時であった。

「あーあ、よくも私の可愛いクリーチャーを——絶対に許さないよ? 私の《ギャロウィン》は。やられたらやり返す。執拗に、陰湿に、そして凄惨に、貴方の命も一緒に道連れにしてあげる」

 次の瞬間、《ギャロウィン》のダガーが《破滅の女神 ジャンヌ・ダルク》を突き刺した。
 そしてそのまま——女神は砕かれる。

『な、なにが起こった——!?』
「《ギャロウィン》の効果発動。このクリーチャーがタップされていれば、私のクリーチャーが破壊されたとき、貴方のクリーチャーも破壊して、《超復讐 ギャロウィン》以外の闇のクリーチャーを1体、墓地から回収する」



超復讐 ギャロウィン SR 闇文明 (6)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 8000
進化−自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略−闇のコマンド
W・ブレイカー
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーがタップしていたら、相手のクリーチャーを1体破壊し、《超復讐 ギャロウィン》以外の闇のクリーチャーを1体自分の墓地から手札に戻す。




「そして私が回収するのは、《ボンバク・タイガ》。やったね。次のターンも破壊出来るよ!」
『そ、そんな——!』

 やられたらやり返す。それが復讐の侵略者の真髄。
 実質、アドバンテージを失わずに確定除去を行えるのは強力で、さらに自爆でも効果が発動する以上、実質スレイヤーの上位互換のように扱えるのだ。

「私のターン。それじゃあ、《ボンバク・タイガ》を召喚して、その効果で《パーフェクト・マドンナ》のパワーをマイナス3000して破壊——そして、《超復讐 ギャロウィン》でシールドをW・ブレイク!」

 シールドが2枚、叩き割られる。
 そして、追撃を仕掛けるようにして《ハンゾウ》も飛び掛かった。

「《ゲロNICE・ハンゾウ》で攻撃——するときに侵略発動! そのまま、《復讐 ブラックサイコ》に!」

 現れた途端に、再び女神達の知識は切り裂かれる。
 墓地へ落とされたのは《天国の女帝 テレジア》に《光器セイント・マリア》だ。

「私、昔っから攻撃しながらハンデスするの好きだし得意なんだよね! それじゃあ、最後のシールドをブレイク!」

 そのまま、最後のシールドを切り裂かんとするが——

『させません! 《勝利の女神 ジャンヌ・ダルク》でブロック! 破壊です!』
「《ギャロウィン》の効果で《ジャンヌ・ダルク》も破壊。そして、手札に《ブラックサイコ》を加えるよ。ターンエンド」
『くっ……!!』

 破壊しても破壊され、クリーチャーを墓地から回収される。
 地獄のようで、悪夢のような光景だった。
 もはや、このクリーチャー達を処理することは出来ない。バウンスしても進化されれば一環の終わりだ——

『私たちのターン——ターンエンド』

 打つ手なし。
 完全に詰まされた。
 そのまま、復讐の侵略者の刃は容赦なく突き立てられる——

「それじゃあ私のターン——」

 《ギャロウィン》の瞳が復讐に燃えた。
 そして——無数のダガーが女神達を狙い撃つ。
 



「——《超復讐 ギャロウィン》でダイレクトアタック」