二次創作小説(紙ほか)
- Act5:貴方の為に ( No.381 )
- 日時: 2016/09/22 18:49
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
復讐武装 ブラックジード 闇文明 (5)
ステラアームド・クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 4000
T(ティタン)・コア
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手の手札を見ないで1枚選び、捨てさせる。その後、そのカードよりもコストの小さいクリーチャーを1体、墓地から手札に戻す。
星芒武装—自分のクリーチャーが進化した時、このクリーチャーを裏返し、《ケルス》と名のつくクリーチャー1体の上に置く。
現れた地獄の門番は、けたたましい咆哮を上げた。
明らかにそれは、侵略者の1つの銘柄”復讐”の影響を受けている。焼き付けられた鳳の紋章はまさにそれだ。
「このステラアームドは、インベイトがケルスの持っていたものに手を加えた傑作——さっき言った不良品のステラアームドと違って、暴走は起きないようになっているからね!」
「不良品……!?」
「さて、《XANTHUS》の武装時能力で場の進化クリーチャーの中でも、一番上のカードだけを手札に加えるよ!」
「なっ!?」
「これで次のターンも”進化が出来る”」
進化が出来る、ということに意味があるとでも言いたげだ。
通常、退化とはデメリットしかない。
強い効果を持ったクリーチャーは、その効果を失ってしまうし、高いパワーを持ったクリーチャーはパワーが低下してしまう。
そのデメリットを押しのけて退化させる時というのは、例えば青黒退化など、墓地進化の進化元を非常に強力なクリーチャーにする特殊なギミックを持ったデッキくらいだが——見たところ、彼女のデッキは普通のビートダウンにしか見えない。
それと同時に——《ギャロウィン》がホタルのシールドを狙って大量のダガーを放ち、シールドが2枚、割れた——が、確かに破片が降りかかっても何も感じない。
まるで、ホログラムのようだ。
「というわけで——ターンエンド」
「……私のターン」
《ルネッサンス》を墓地に落とされた今、使える手段は限られている。
どうにかして、あの怪物と取り巻きを何とかしなければ——と彼女は思案する。
「まずは、《ララァ》をもう1体召喚! 更に《予言者クルト》も出して、ターンエンドです!」
しかし、大して今のハンドでは有効打が見当たらない。
仕方なく、ターンを終えることになってしまう。
「よし、それじゃあ追撃いきますかー! 私のターン!」
カードを引くノア。
「それじゃあ《ギャロウズ》で再び攻撃——するときに、侵略発動! その効果で、《ブラックサイコ》と《ギャロウィン》を多重侵略進化!!」
「なっ——!?」
次の瞬間、ホタルの残る手札は全て叩き落された。
現れたのは煉獄から蘇りし復讐の侵略者。その身を更に重ねることで凄惨な悲劇を呼び起こす。
さらに——地獄の番犬が、吠えた。
「そして《XANTHUS》の効果発動! 自分のクリーチャーが進化したとき、相手のコスト6以下のクリーチャーを1体選んで持ち主の手札に戻すよ! 《ララァ》をバウンス!」
「なっ!?」
「その後、相手の手札を1枚選んで捨てさせる——これで、捨てたカードが手札に戻したカードと同じならば」
当然、ホタルの手札は無かったのに、そこに加えられたのは《ララァ》のみ。そのまま墓地へ叩き落された。
更に——じゅっ、と音を立ててホタルのシールドが破られる。
「——相手のシールドを1枚選び、それをブレイクする!」
「ッ……! 打点稼ぎ、ですか!」
「そう。それと私は今、《ブラックサイコ》から更に《ギャロウィン》に進化させたから——もう1回効果が発動するよ!」
今度は再び《ララァ》がバウンスされる。
そして——手札から叩き落された。
「そして効果でシールドをもう1枚ブレイク!」
「ッ……残りシールドが、1枚……!?」
「そして、《ギャロウィン》で最後のシールドをブレイク!」
再びダガーが放たれ——シールドが破られた。
しかし。
それは光となって収束する。
「S・トリガー、発動!! 《DNA・スパーク》!! その効果で、相手のクリーチャーを全てタップし、シールドを1枚追加します!」
「ふうん、やるね。でも——」
《XANTHUS》へ、無数の光の鎖が螺旋状に縛り上げていく。
しかし——1つの首が、その鎖を食い破ってしまった。
「——《XANTHUS》の効果発動。この子は、各ターン中タップされたとき、それが1度目か2度目ならば——アンタップする」
煉獄復讐 XANTHUS(ザンザス) 闇文明 (9)
スターダスト・クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 6000
T(ティタン)・コア
このクリーチャーが各ターンタップされたとき、それがターン中1度目、または2度目ならばアンタップする。
自分の闇のクリーチャーが進化したとき、相手のコスト6以下のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。その後、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。その捨てたカードが手札に戻したクリーチャーと同じ名前のカードであれば、相手のシールドをひとつ選び、ブレイクする。
このクリーチャーが武装したとき、自分の進化クリーチャーの一番上のカードを好きなだけ手札に加えてもよい。
武装解除
ホタルは戦慄を覚えた。
1度目か2度目にアンタップするということは——実質、このクリーチャーは3度、ターン中に攻撃できるといっても過言ではない。
「つまり、残る1枚のシールドを選んでブレイク、そして——とどめを刺すことが出来るってこと。実質T・ブレイカーみたいなもんだけど、多段攻撃でダイレクトアタック出来るってところがポイントだよね」
「……そ、そんな」
吠えた番犬は、最後のシールドを2つ目の首で食い破った。
そして——最後の首が、ホタルへ向かっていった——
「——や、やっぱり私なんかに——」
やはり自分は、1人では何も出来ない。ノゾムやヒナタ達と違って強くない。
絶望の中——シールドが光となって収束する。
「!」
それを握った瞬間——力が抜ける。
体中を駆け巡る血が止まっていくような錯覚を覚えた。
視界が、暗転した。