二次創作小説(紙ほか)
- Act4:奇天烈の侵略者 ( No.410 )
- 日時: 2016/10/10 18:06
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
現れたのは、ごちゃごちゃとした機械を身に纏った胎児のようなクリーチャー。
そこからアームが伸び、もんずと《トロン》、《ジャバン》、《パクリオ》を掴む。
そして——もがくそれらを妙な機械に放り込み——プシュウウウ、と空気が抜けるような音と共に、新たなる電脳の使者が姿を現した。
「その効果により、《トロン》と《ジャバン》、《パクリオ》を破壊——そして、山札をサイバー・コマンドが出るまで見せ——」
《コーライル》、《クウリャン》、《トロン》——そして、4枚目でそれは姿を現した。
「《サイバー・G・ホーガン》、召喚!!」
轟!! という唸り声と共に、それは姿を現す。
巨大なる砲丸を抱えた、電脳の化身が顕現したのだ。
早くもこれが現れたという事実に、相手の豪運にコトハは簡単せざるを得ない。
「嘘ォ!? 《ホーガン》が出てきたっていうの!? 《サイバークーン》——かなり使いづらいクリーチャーって聞いてたけど!」
スーパーハッカー サイバー・クーン R 水文明 (5)
クリーチャー:サイバーロード/ハンター 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のサイバーロードを3体破壊してもよい。そうした場合、進化ではないサイバー・コマンドが出るまで自分の山札の上からカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをバトルゾーンに出し、残りを自分の墓地に置く。
それと同時に、グエンの山札の上から2枚が捲られる。
そして現れたのは——
「出でよ《サイバー・N・ワールド》に《ラブリー・ハート》!!」
サイバー・N・ワールド SR 水文明 (6)
クリーチャー:サイバー・コマンド 6000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、各プレイヤーは自身の手札と墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、それぞれ、5枚カードを引く。
W・ブレイカー
ラブリー・ハート R 水文明 (5)
クリーチャー:サイバー・ウイルス/ハンター 4000
このクリーチャーがバトルする時、バトルしている相手のクリーチャーを持ち主の手札に戻してもよい。
自分のシールドが2枚以下の時、このクリーチャーのパワーは+2000され、「ブロッカー」を得る。
今度は、2体の電脳の化身が姿を現した。
そして、《N・ワールド》により、新たなる世界が組み替えられていく。
「《N・ワールド》の効果発動! 手札と墓地のカードを全て山札に戻し、シャッフルしろォーッ!!」
「っここでそれを引くの……!?」
山札にカードを戻すコトハ。
相手の戦略を崩す一方で、自分は手札を補充することができる強力なカード、《N・ワールド》。
このデッキにおいても、《サイバー・クーン》で消耗した山札を回復させる役割を持っていたのだろう。
「——ターンエンド」
「っ……!」
コトハは押し黙る。
まずい。サイバー・コマンドは並ばれればかなり厄介な種族だ。
なるべく早く、彼を倒さなければならない。
しかし、そのためには今の手札では決め手が足りない——
「——あたしのターン、ドロー」
カードを引くコトハ。
そして——高らかに宣言した。
「よくもやってくれたわね——《霊樹の賢幻星 ニャンクス・プリエーゼ》召喚!!」
刹那、ホログラムとなってニャンクスの姿が映し出される。
杖を掲げ、マントを羽織り、超次元の穴をこじ開けた。
星のクリーチャーの存在は、彼もやはり知っているらしく、興味ありげな表情を浮かべる。
「出てきたか……! 星のカード……革命に続く日本の新たな兵器だったな」
「ふん、このまま一気に決めるわよ! 超次元ゾーンから《護衛武装 ロシアンブルー・ディープス》をバトルゾーンへ!」
穴から姿を現したのは巨大なサーベルタイガーの護衛獣。
自身のドラゴンのコストを2軽減する強力なクリーチャーだ。
「ターンエンド! 一気に決めてやるわ!」
「……果たしてそう上手くいくかな?」
——さっきので《デッドブラッキオ》が山札に流れちゃったから、かなり不安だけど——! 耐え切るしかない!
ごくり、と息を呑む。
こちらのシールドは6枚。そうそう割られることは無いと思いたいが——
「それでは行こうか! G・ゼロで《パラダイス・アロマ》召喚!」
パラダイス・アロマ C 水文明 (3)
クリーチャー:サイバー・ウイルス 2000
G・ゼロ−バトルゾーンにサイバーロードが1体でもあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
※殿堂入り
現れたのは、バクテリオファージのような容貌のクリーチャーであった。巨大な頭に、節足動物のような細い脚が生えている。
そして——その頂に、彼は更にカードを重ねる。
タップされたのは6枚の水のマナ——
「《パラダイス・アロマ》進化——《超電磁 トワイライトΣ》!!」
超電磁トワイライトΣ(シグマ) SR 水文明 (6)
進化クリーチャー:サイバー・コマンド 8000
進化−自分の「サイバー」と種族にあるクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の「サイバー」と種族にある進化ではないクリーチャーを好きな数、バトルゾーンから手札に戻してもよい。その後、このようにして戻したクリーチャー1体につき、自分の「サイバー」と種族にある進化ではないクリーチャーを1体、手札からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
現れたのは、幾つものドリルの如き電極を身に着けた電脳の化身。
激流と共に現れ、一瞬で場の流れを支配する。
「ああ……憂鬱だ。もう、このデュエルが終わってしまうのか——《トワイライトΣ》の効果で、《サイバークーン》を僕の手札へ」
その激流で、《サイバークーン》が彼の手札へと押し戻された。
そして——《トワイライトΣ》の思考回路が再構築され、巨大な龍の影を投影した——
「——伝説の鎧龍よ、その改造されし姿を今こそ此処に!! 《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》!!」
ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン SR 水/火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/サイバー・コマンド 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを自身の手札に加えるかわりに墓地に置く。
会場に再び盛況が上がった。
新たなるサイバー・コマンドにして、アーマード・ドラゴンにして、《ボルメテウス》。
まさかの登場に、そのインパクトを前にしてコトハは後ずさってしまう。
プラズマカノンを抱えた装甲、全てを焼き尽くす炎。
それは見紛うことなき伝説の龍であった。
「こいつも《ボルメテウス》を——!!」
「種族がアーマード・ドラゴンと、サイバー・コマンドになってやがる……! ブロックされねえ上に、スピードアタッカー、そしてこの軽さ——アタッカーに求められているものすべてをもってやがる!?」
驚きを隠せないのはヒナタ達も同じだった。
特に、オリジナルを所持しているレンは、またも新たな派生形を目にして動揺している。
しかし。間もなく、グエンは眼鏡を押し上げ、叫ぶ。
このデュエルの終焉を。
「行け!! 《蒼炎・ドラゴン》でシールドをW・ブレイク!!」
「っ……シールドは——!!」
轟!! と全てを焼き尽くす怒りの炎がシールドを包んだ。
もちろん、歴代の例に漏れず、墓地へ直葬される。トリガーも発動しない。
更に——彼の場には、まだ3体のアタッカーがいるのだ。
「《N・ワールド》でシールドをW・ブレイク!!」
更にシールドが叩き割られる。
この盤面を引っ繰り返す強力なS・トリガーは来ない。
しかし——
「S・トリガー、《フェアリー・シャワー》! その効果で、山札の上から2枚を見るわ!」
「関係ないね!! もう1枚!!」
山札の上から2枚を捲る。
そして、彼女は1枚を手札に加え、《水晶邪龍 デスティニア》をマナへ置く。
更に、2枚目のシールドが割られた。
「S・トリガー、《フェアリー・ライフ》! マナを1枚加速するわ!」
「ハハハハハ!! もう終わりか? もっと憂鬱に、ブルーに!! 《サイバー・G・ホーガン》でW・ブレイク!!」
パリン、と1枚目のシールドが割られた——その時だった。
「——感謝するわ。あんたがデッキをかき混ぜてくれたから、もう1回巡り合えたのかしら」
「……何?」
「スーパー・S・バック発動」
次の瞬間、《ホーガン》の割った1枚目のシールドが焼け落ちる。
そして——そこから、強大なる邪龍が姿を現した。
「——絶対なる邪悪な界王龍よ。欲望を満たし、大地を割る恐怖となれ——《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》!!」