二次創作小説(紙ほか)
- Act4:一角獣は女好きか? ( No.43 )
- 日時: 2014/06/23 14:21
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
ホタルとハーシェルのデュエル。はっきり言って、初めて決闘空間で戦う彼女にとっては、”相棒のクリーチャーがいない”、つまりプレイング面や精神面のサポーターがいないという異色の事態になった----------が、以前オラクルに襲われた多くのデュエリストに通ずることである。
だが、彼女は逆に歓喜していた。
ようやくこれで、自分の祈願を果たせる、と。
(お父さんとお母さんをこの家に帰って来させるために……!!)
現在、3ターン目後攻:ハーシェル。互いに光文明のデッキだ。
ホタルの場には《聖龍の翼 コッコルア》、一方のハーシェルの場には《純潔の翼 キグナシオン》がいる。
(今更ですけど、召喚したクリーチャーが本当に実体化するなんて……)
聖龍の翼 コッコルア UC 光文明 (3)
クリーチャー:ジャスティス・ウイング 3500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
自分のコマンド・ドラゴンの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
「我がターン、《光陣の使徒 ムルムル》召喚じゃ。ターン終了」
《ムルムル》は自軍ブロッカーのパワーを+3000するブロッカーデッキの要。特に、《光器パーフェクト・マドンナ》や《我牙の精霊 HEIKE・XX》なんかと組まれたらうっとおしいことこの上ない。
「私のターンです、とにかくマナチャージして……」
ここで、ホタルは早速動き出した。ならば、先にこちらも動き出せばいいこと。
「お願い! 《光線の精霊龍 カチャルディ》召喚!」
現われたのは、パワー6000のブロッカー持ちのエンジェル・コマンド・ドラゴンだった。
外敵を排除せんとばかりに、目まぐるしく広々とした空間を飛び回る。
光線の精霊龍 カチャルディ UC 光文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 6000
ブロッカー
バトルゾーンに自分の他の「ブロッカー」を持つクリーチャーがなければ、このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
W・ブレイカー
「《カチャルディ》はブロッカーがいなければ攻撃できないですが、W・ブレイカー持ちです!」
「ふん、成る程。だが、こちらはこちらのペースで進めさせてもらうぞ。我がターン、《龍覇 アリエース》召喚じゃ」
「ドラグナー……! それに、ドラグハート・ウェポン……」
現われたのは、ジャスティス・ウイングの龍騎士(ドラグナー)、《アリエース》。さらに、裂した空間から神々しい槍が舞い降りる。
「《神光の龍槍 ウルオヴェリア》を装備じゃ、ターンエンド」
龍覇 アリエース C 光文明 (4)
クリーチャー:ジャスティス・ウイング/ドラグナー 2000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト2以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
バトルゾーンに自分の光のドラグハートがあれば、このクリーチャーのパワーは+2000される。
神光の龍槍 ウルオヴェリア UC 光文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーは「ブロッカー」を得る。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
まずい。野放しにしていれば、次のターンに龍解されてしまう。
《アリエース》のパワーは効果で合計7000。
《ウルオヴェリア》の龍解条件は装備元のドラグナーがタップされていること。
だが、相手にとってもそれは危険な賭けのはず。
「なら呪文、《ドラゴンズ・サイン》で《天運の精霊龍 ヴァールハイト》召喚です! これで何とかしのぐしか……」
「ほーう」
「効果で、山札を2枚見ます!」
天運の精霊龍 ヴァールハイト P 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 6500
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から1枚を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加え、もう1枚を自分の手札に加える。
W・ブレイカー
捲られたのは、S・トリガー呪文の《ヴァルハラ・マジック》とマナ武装を持つ精霊龍、《天英雄 ヴァルハラ・デューク》だった。
迷わず、《ヴァルハラ・マジック》をシールドにおき、《ヴァルハラ・デューク》を手札に加える。
「ターンエンドです!」
「ふむ。だが、どこまで持つかのう」
無邪気に笑うその顔の裏には、とんでもない邪気と憎悪が隠されていた。
「我のターン。成る程、シールドと手札、そしてブロッカーを増やし、我を警戒させる作戦じゃな」
じろり、と嘗め回すように場を見るハーシェル。しかし、溜息をつくと続けた。
「まあいい。何も攻撃だけがタップさせる手段では無いわ! 出て来い、《交錯のインガ キルト》召喚!」
「あぅ……。あれって確か……!」
交錯のインガ キルト P 光文明 (4)
クリーチャー:オラクル 2000
S・トリガー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。
現われたのは、オラクルの神に関係する位階に属する”インガ”のクリーチャーだった。
だが、《キルト》は単に相手をタップするためだけに使われるわけではない。効果の対象圏は”自分のクリーチャー”にも位置する。
「攻撃してもバトルに勝つから良いのじゃが、場数を増やすついでじゃ。効果によって、《アリエース》をタップ。そして、ターンの終わりに龍解が発動じゃ! 出て来い、《神光の精霊龍 ウルティマリア》!」
槍が天高く昇り、神々しい光と共に龍の形を成した。
「龍解、完了じゃ」
神光の精霊龍 ウルティマリア UC 光文明 (5)
ドラグハート・クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
しまった。これでまた、ブロッカーが増えてしまった。さらに、《ムルムル》の効果でパワーは10500。相手を攻撃できないのがせめてもの救いである。
「私のターン……! 《デ・バウラ・チャージャー》を墓地の《ドラゴンズ・サイン》に使用、手札に加えて、ターンエンドです」
これで次のターンは確実に8マナとなる。しかし、じりじりとだが追い詰められている感覚が抜けない。
「ふむ。では我のターンじゃ、《麟英雄 一角のハーシェル》を出すぞ!」
「切札……ですか!」
「そうじゃ。マナ武装7で我がシールドのドラゴンを全員S・トリガーに、そして味方のクリーチャーの攻撃対象を我がシールドに!」
「えっ!?」
《アリエース》の攻撃でハーシェルのシールドがブレイクされた。その中から、S・トリガーで《充填の精霊龍 シャクシール》が現われてしまった。
パワー12500のクリーチャーが、《ムルムル》でパワー15500に。
「ターンエンド。と、同時に我のシールドを1枚追加じゃ」
「ッ……!!」
まずい。これでハーシェルの場は整ってしまった。
次のターン、総攻撃してくるのは目に見えている。
(ノゾムさん……やっぱり私、貴方みたいに強くないよ……!)
じりじりと追い込まれている状況と盤面を見て、ホタルはただただカードを引くために山札に手を掛けるのだった。