二次創作小説(紙ほか)
- Act1:記憶×触発 ( No.75 )
- 日時: 2014/12/01 16:32
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「俺様のターンにゃ!」
3ターン目、先攻ニャンクス。現在、互いにシールドは5枚。そして、ニャンクスは2枚目のマナを置いた。
デッキカラーは見たところ、自然が入っているようだった。
「呪文、《フェアリー・ライフ》でマナを増やすにゃ!」
山札から1枚捲られ、マナゾーンに置かれた。次のターンに4マナとなる。
さて、ヒナタのターン。怒っていながらもヒナタは冷静だった。より確実に相手を潰すためだ。
怒りに身を任せてしまえば、プレイングが乱れることは過去の経験で知っている。
「俺のターン、3マナで《爆炎シューター マッカラン》を召喚!」
《マッカラン》はマナ武装3でスピードアタッカーとなる。そのまま、1枚目のシールドを叩き割った。
S・トリガーも発動せず、ターンはニャンクスへ。
「俺様のターン。4マナで《エコ・アイニー》召喚にゃ! 効果で山札から1枚目を捲ってマナに置くにゃ」
マナにおかれたカードは《ナチュラル・トラップ》。幸い、《エコ・アイニー》のドラゴンがマナゾーンに置かれたときにもう1枚のカードをマナに置く効果は発動しなかった。
エコ・アイニー C 自然文明 (4)
クリーチャー:ファイアー・バード 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。そのカードがドラゴンであれば、自分の山札の上からさらに1枚、自分のマナゾーンに置く。
「まぁ、良いか。ターンエンドにゃ」
にやり、と笑うニャンクス。何かを隠してそうだった。
「俺のターン! 《メテオ・チャージャー》でマナを加速するぜ! ターンエンド!」
チャージャー呪文によって、ヒナタのマナは5枚。しかし、手札は0枚に。
だが、そんなことは気にせずに《マッカラン》でシールドを再び叩き割った。
しかし。
「S・トリガー、《古龍遺跡エウル=ブッカ》で《マッカラン》をマナゾーンに送るにゃ!」
「手札が無いからな、くそっ」
語散るようにヒナタは呟くと、ターンをそのまま終えた。
「俺様のターンにゃ!」
叫んだニャンクスの顔は自信に満ちていた。そのまま、4枚のカードをタップする。
「4マナで《爪英雄 長靴のニャンクス》召喚にゃ!」
「何?」
今までの英雄とは違う。いずれも今までの星の英雄のコストは7だった。しかし、《ニャンクス》はコスト4。コストを軽減したのではない。本当に4なのだ。同じ4マナの英雄、《斬英雄 マッカラン・ボナパルト》という前例があるものの、驚きを隠せない。
さらに、マナゾーンのカードが光った。
「マナ武装5、発動にゃ! これにより、自分のクリーチャーは呪文では選ばれなくなるにゃ」
「マナ武装、5……だと」
「ターン終了にゃ」
今までの英雄とは何かが違う。少々不気味さを覚えながら、ヒナタはカードを引いた。
そして----------
「《龍覇 スコッチ・フィディック》召喚! 効果で超次元ゾーンからドラグハート・フォートレス、《天守閣 龍王武陣 -闘魂モード-》を出す!」
天守閣 龍王武陣 -闘魂モード- VR 火文明 (3)
ドラグハート・フォートレス
自分の火のクリーチャーがバトルする時、そのターン、そのクリーチャーのパワーは+2000される。
龍解:自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の火のクリーチャーが2体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
ヒナタの背後に巨大な和風の城が聳え立つ。
「だけどまずったな、龍解には後もう1体クリーチャーが必要なのによ」
ターンエンドだ、と続けるヒナタ。
「俺様のターン、これで7マナにゃ! まずは《龍覇 マリニャン》を召喚にゃ! 効果で《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を出すにゃ!」
ニャンクスの背後に巨大な遺跡が聳え立った。
その遺跡からは強大な自然のパワーを感じる。
「さらにっ! 《エコ・アイニー》でシールドをブレイクにゃ!」
シールドが割られた。
「そして、ターンの終わりに自然のマナが7枚以上あるため、《ニャンクス》のもう1つのマナ武装発動にゃ--------」
もう1つ、という言葉に不気味さを感じるヒナタ。
マナの力を使ったのか、丸薬を作り出したニャンクスは、ぴんっとそれを指で弾くと、何と自分で食べてしまった。
それだけではない。ビキ、ビキ、と体から音が聞こえ始める。
みるみるうちに口は裂け、毛は抜け落ちて耳は引っ込み、次の瞬間にはマナ武装の前の面影が全く感じられない姿へとなっていた。
ただただヒナタは戦慄を感じるしかなかった。
爪英雄 長靴のニャンクス 自然文明(4)
クリーチャー:ビースト・フォーク/ドリームメイト
マナ武装5--マナゾーンに自然文明のカードが5枚以上あるとき、自分のクリーチャーは呪文によって選ばれない。
マナ武装7--ターンの終わりに、マナゾーンに自然文明のカードが7枚以上あれば、自分のクリーチャー1体のパワーは2倍になり、種族に「ジュラシック・コマンド・ドラゴン」を得る。さらにそのクリーチャーはパワーが6000以上のときにW・ブレイカー、12000以上のときにT・ブレイカー、20000以上のときにQ・ブレイカーを得る。
『うおおおーっ!! 力が漲って来たぜぇーっ!!』
その姿は一言で言えば恐竜だった。そう、獰猛な肉食恐竜の姿だ。古代の荒れた大地を支配した暴君だった。
『この俺様のパワーはマナ武装の効果により、2倍の8000ッ! さらにW・ブレイカーを得る!』
咆哮したニャンクスは地面を踏み鳴らす。
地響きが、こちらにも伝わってきた。
「くっ、なら俺は《龍覇 グレンモルト》を召喚! 効果で超次元ゾーンより《大いなる銀河 巨星城》を出す!」
怯まず、ヒナタも2体目のドラグナー、そしてドラグハート・フォートレスを繰り出した。
これで火のクリーチャーは2体。次のターンの始めに龍解ができる。安全に龍解させるため、ここでは攻撃しなかった。しかし。
『俺様のターンだ!! 呪文、《ナチュラル・トラップ》で《グレンモルト》をマナゾーンへ』
「くっ」
『古き時代では力こそが全て! そして、我が力を使えばそれは今も同じよ! 食らうが良い、W・ブレイク!』
シールドが2枚、砕け散ってヒナタの頬を破片が裂いた。
『さらに《エコ・アイニー》でシールドをブレイク!』
ヒナタのシールドは残り1枚。しかも、ここまでトリガーは1度も来ていない。
『マナ武装7がターン終了時に発動! 俺様はパワーが2倍になり、T・ブレイカーとなる!!』
呪文では除去できず、しかも龍解も封じられる。このままではヒナタに勝利は無かった。
いや、このままでは。
「ちょいと、調子に乗りすぎたんじゃねーか、テメェ」
ヒナタの声は低く、ドスが利いていた。
「忘れんなよ、こっちにも英雄がいるってことをよォ! 俺のターン、さっきテメェがブレイクしたシールドから来たこいつを出す!」
『何ィ!?』
炎を纏ったそのカードを投げる。そして炎は九尾の姿を象った。
「《尾英雄 開闢の「白陽」》召喚だ!」
『私の効果により、貴様のドラゴン及びドラグナーはもう攻撃できない』
「さらにマナ武装7で《スコッチ・フィディック》に《ニャンクス》、テメェの力を”貼り付ける”!!」
次の瞬間、《スコッチ・フィディック》の体が膨張し、恐竜の姿に。
「よって、《スコッチ・フィディック》はてめぇの力をコピーし、コスト4、パワー16000のT・ブレイカーとなった!」
『な、な、馬鹿なァーッ!!』
「そしてっ! 《スコッチ・フィディック》で《ニャンクス》に攻撃! しかし、《ガイシュカク》の効果でパワーは+3000! 一方的に破壊だ!」
破壊されたニャンクスは同時に激しい光とともに、元の姿に戻った。そして、自らが破壊されたことに驚いて叫ぶ。
「にゃ、にゃにゃんとぉーっ!?」
「さらに、《巨星城》の効果で火のクリーチャーがバトルに勝ったので1枚カードを引ける!」
ターンエンドだ、とヒナタは言った。
しかし、ニャンクスのターン。《エウル=ブッカ》がゴゴゴと音を立てて動き出した。
「……待てよ、でもこれ龍解は防げてねーよな」
「自然のクリーチャーが場に2体以上、よって龍解条件クリアにゃーッ!! 現れよ、神秘の古代龍!」
龍解。
これにより、背後にあった遺跡は巨大なドラグハート・クリーチャーとなったのだ。
「《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》!!」
遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ R 自然文明 (6)
ドラグハート・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 5000
自分のクリーチャーの召喚コストを最大2少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
まずい。これにより、ニャンクスの場には攻撃できるクリーチャーが3体。対してヒナタのシールドは1枚。絶望的だ。
「んでもって、《古龍遺跡 エウル=ブッカ》で《「白陽」》と《スコッチ・フィディック》をマナゾーンに沈めてやるのにゃ!」
「ヒ、ヒナタァーッ! 脚に何か絡み付いて---------」
言葉はそこで途切れた。沢山の蔓が白陽と《スコッチ・フィディック》を地面に引きずり込んでしまったからだ。
まずい。本当ならば《「白陽」》でニャンクスのドラゴン、そしてドラグナー攻撃を止めるつもりだったが、それは叶わない。
さらに、ヒナタの場にはフォートレスだけでもうクリーチャーは居ない。クリーチャーがいないから、フォートレスは龍解できない。
まさに、絶望的状況だ。
「《マリニャン》でシールドブレイク!」
最後のシールドがはじけ飛ぶ。ヒナタの顔には冷や汗が浮かんでいる。
「これで、トドメにゃーッ!」
ニャンクスが咆哮し、《レジル=エウル=ブッカ》突貫したそのときだった。
『ヒナタ、S・トリガー発動だ!』
「えっ-------」
声がする。白陽だ。そして、割られた最後のシールドは-----------
『私もクレセントを見て思ったのさ。時にはリスクを犯してでも勝たなければならない時があると!』
「お前、まさかこれって-----------分かったぜ、白陽! お前の覚悟、しかと受け取った!」
次の瞬間、突貫してきた《レジル=エウル=ブッカ》の周りに炎が現れる。ニャンクスは熱を感じて空間の遥か上を見上げた。炎を身に纏った白陽がそこにいた。
「シールド・トリガー発動! 《陰陽超技 炎熱乱舞》!!」