二次創作小説(紙ほか)

Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解 ( No.78 )
日時: 2015/01/11 22:38
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「じいちゃん、デュエマできんのか!?」

 叫ぶ孫・ノゾムに龍三ははっきりと

「出来る。何、この札で遊ぶ遊戯に本気で打ち込んでいるお前を見ていたら、ワシもやりたくなった」

 断言した。

「い、いやー、流石に無理があんだろ」
「ああ、それと今、老人会でも流行ってて」
「だから無理があんだろ!」
 
 ともかく、と目の前の祖父はデッキケースを握って言った。
 このじいちゃんは要するに孫である自分とデュエマがしたいらしい。厳しく硬派な感じの祖父だが、まさかこんなものに興味があるとはノゾムは思わなかった。
 思えば、自分が鎧龍に入りたいと言ったときも祖父は止めなかったなー、と思い返す。
 --------剣道以外に自分から打ち込めるものを見つけたのならば、ワシは止めんよ。だが週一度の稽古には出なさい。良いか?
 こんな感じだった。

「おいおいじいちゃん、こないだも稽古の途中でぎっくり腰になったばっかだろ? 知らないぜ、オレにコテンパンにされてまたぎっくり腰になっても」
「渇!! それはこっちの台詞じゃ。いつか言わんかったかのう。勝負とは、どちらかが勝ち誇ったときに既に決まっているのだと」
「----------わりー、わりー、そうだったな」

 クレセントのカードをデッキから抜き、1枚カードをデッキに差し込んでノゾムは言った。

「おい、クレセント。今回はオレとじいちゃんの1対1にしてくれ」
『おっけー!』

 ふぅ、と息を吐くと龍三は言った。

「稽古場に行くぞ。既に準備はしてある」
「は、準備?」

 龍三に剣道の稽古場に来てみると、そこにはデュエルテーブル、さらにその上に鎧龍に置いてあるカードの画像を読み込んでホログラムを映し出すホログラム発生マットが敷かれていた。

「じいちゃん、こんなもんまで買ってたのかよ」
「まあ良いではないか。さて、始めようか----------」

 ***

「わしのターン、《スクランブル・タイフーン》で山札からカードを5枚引いて、うち3枚を墓地に!」

 見たところ、龍三の使うデッキは水/闇の2色らしかった。
 現在、彼の場には《氷河フランツI世》がいる。そしてその効果によってコストを1軽減して唱えられた《スクランブル・タイフーン》で墓地には3枚のカードが。
 一方のノゾムはまだ場にクリーチャーはいなかった。しかし、チャージャー呪文で既にマナは6枚に。

「オレのターン、《龍覇 M・A・S》を召喚だぜ! 効果で《フランツ》をバウンスし、超次元ゾーンから《エビデゴラス》を出す! ターン終了だ」
「では、わしのターン。こっちも超次元ゾーンを使わせて頂くぞ」

 龍三のターン。5枚のカードがタップされ-----------

「《超次元 ミカド・ホール》で《ヴォルグ・サンダー》を出すぞ!」

 現れた《ヴォルグ・サンダー》の効果により、ノゾムの山札からカードが捲れていく。
 《アクア・ハルカス》、《幾何学艦隊ピタゴラス》、《スパイラル・ゲート》、《龍素記号 IQサイクロペディア》が墓地へ。
 《ヴォルグ・サンダー》は登場時にどちらかの山札をクリーチャーが2枚出るまで墓地に置かせ続けるクリーチャーだ。
 自分には墓地肥やし、相手には山札破壊として使える凶悪なサイキック・クリーチャーである。

「しかも、ビクトリー・カードかよ」
「これが大人のデュエマという奴じゃ。超次元ゾーンに後3枚積んでおる」
「うげっ、マジか」
「さらに!」

 次の瞬間、《M・A・S》の体が弾け飛ぶ。

「《ミカド・ホール》の効果で《M・A・S》のパワーを-2000して破壊する」
「やられたか。クソッ」



超次元ミカド・ホール P(UC) 闇文明 (5)
呪文
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーは-2000される。
コスト9以下の闇のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。



ヴォルグ・サンダー  ≡V≡  闇文明 (6)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー




 攻撃はせず、ターンを終えた龍三。
 そして、ノゾムのターンとなる。此処で龍解はしておきたいところ。

「くっ、オレのターン、《エビデゴラス》の効果でカードをドロー、そしてターンの始めのドロー! そして、《アクア隠密 アサシングリード》を召喚して、その効果で《ヴォルグ・サンダー》を超次元ゾーンに! ターン終了だぜ!」

 とりあえず、クリーチャーをどかしたものの、どうも腑に落ちない。
 何を考えているのか、全く分からないのだ。

「わしのターン。《龍覇 トンプウ》を召喚」

 現れたのはドラグナー《トンプウ》。その効果で超次元ゾーンからドラグハートが呼び出されるが---------

「《龍芭扇 ファンパイ》を出して装備!!」



龍芭扇 ファンパイ P 水文明 (3)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが呪文であれば、自分がコストを支払わずに唱えてもよい。そうした場合、その後、その呪文を相手の墓地に戻す。
龍解:自分のターンの終わりに、相手の墓地にカードが5枚以上あれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。



 出されたカードは妙に重厚感の溢れるものだった。
 噂の3D龍解カード。それは、カードが正しく変形し、3段階の龍解を遂げることができるドラグハートなのだ。

「ノゾムよ、龍脈術の力をその目に焼き付けろ! ターンの終わりにお前の墓地が5枚以上ある場合---------《ファンパイ》は龍解する!!」
「な、何だって!? まさかさっき、オレの墓地を増やしたのは--------」
「このためじゃ、ノゾム!!」

 その瞬間、カードが変形し武器から”要塞”へと姿を変えた。
 ノゾムは鎧龍では発売して間もないこのカードをあまり見かけたことはない。
 しかし、デュエリストの本能が告げる。
 ----------これはとてつもなく強い、と。

「2D龍解、《龍脈空船 トンナンシャーペ》!!」

 ドラグハート・フォートレスになったことによって、もう除去を一切受け付けない。
 一方のノゾムだが、要塞に対抗するために結晶龍を繰り出す。
 更なる高みを目指すために。

「驚きだぜ、じいちゃん。此処まで新しいカードを使いこなしてたなんてよ!」

 にぃっ、と笑って見せた。そしてカードをバトルゾーンに繰り出す----------------