二次創作小説(紙ほか)
- Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解 ( No.79 )
- 日時: 2015/02/09 16:15
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
まず、ターンの最初と《エビデゴラス》のドローで2枚のカードをゲットしたノゾムは笑みを浮かべると、水晶龍を繰り出す。
「出て来い、《龍素記号Fz オシロスコープ》召喚!」
「ふん、そいつだけでは何も出来まい」
《オシロスコープ》は自分が呪文を唱えたとき、相手のクリーチャーを1ターンの間、攻撃もブロックも出来なくさせる効果を持つ。
しかし、このクリーチャー単体では何もできないのだ。
龍三に好きにさせていれば、《トンナンシャーペ》が第二の龍解を遂げる危険性がある。
だから、此処で少しでも時間を稼ぐしかない。
それが相手の攻撃手を封じるだけでも、だ。
「さらに、呪文《ザ・ストロング・スパイラル》で《アサシングリード》を俺の手札に戻し、さらにパワー6000以上のクリーチャーがいるので手札を1枚引く!」
「むっ、これはまさか」
「《オシロスコープ》の効果で《トンプウ》の動きを封じる! そいつには動かないで貰うぜ! ターンエンド!」
しかし、問題は、だ。次のターンで相手がどう出るかだ。
ノゾムは祖父の動きを見ていた。
そのときだった。にわかに祖父の口元が緩んだ。
「わしのターン」
ふっ、と笑ったのだ。あの祖父が。厳格で笑みなど滅多に見せないあの祖父が。
まるで、楽しんでいるようなのだ。このデュエマを。
「《ロスト・ソウル》によって、お前の手札を全て破壊!!」
「なっ!?」
「まだまだ甘いのう、ノゾムよっ!!」
しまった。とノゾムの顔は真っ青になった。前のアヴィオール戦のようにマッドネスは手札に無い。
手札が6枚。6枚程が墓地へ全て真っ逆さま。その中には、ドラグハートが龍解したときのための除去法《アサシングリード》もあった。
つまり、此処から立て直すのは-----------いや、まだ《エビデゴラス》がある。
「ターン終了」
「くっ、オレのターンだ! 《エビデゴラス》の効果で追加でドロー!」
ピンッ、とノゾムの中に閃くものが来る。
-----------これは!!
来た。これさえあれば、状況をひっくり返せる。
「そして、《理英雄 デカルトQ》を召喚!」
現れた装甲纏いし水晶の龍が吼えると、恵みの水がたちまち溢れ出す。
その水は、ノゾムの失われた手札を再び潤すのだ。
「マナ武装7発動、水のマナが7枚あるのでカードを5枚引くぜ! そしてこの瞬間、《エビデゴラス》の龍解条件は満たされた! じいちゃん、特と見やがれ!!」
変形する空母、そして現れしドラグハート・クリーチャー。
それは正義の為に、弱きものを守る為に現れる。
「弱き者の盾となれ! そして未来へ羽ばたけ蒼き龍王よ! 最後にして最期の龍解を成し遂げろ! 《最終龍理 Q.E.D+》ッ!!」
閃光と共に現れたのは、最強の蒼き鋼の龍王だった。
今、ノゾムを助ける為に、更なる高みへ昇っていく。
「《オシロスコープ》でW・ブレイク!」
シールドを2枚叩き割り、残り3枚。後ろには龍素の王の姿が。
「《Q.E.D+》でシールドをW・ブレイク!」
シールドが再び吹き飛んだ。2枚。
だが、しかし。
「掛かったな、S・トリガー《龍脈術 水霊の計》! 《Q.E.D+》よ轟沈し、海の藻屑と化せい!!」
「龍回避でフォートレスになれば生き残る!!」
危ない危ない、再び龍解させねばならないが、こちらにはブロッカーもいる。向こうはフォートレスと雑魚一匹。
そう簡単には破れないか、とノゾムは思っていた。
が、本音は内心ガクガクだったが。
「だが、残念だったな! わしのターン!!」
次の瞬間、《トンナンシャーペ》が閃光に包まれる。
「ターンの始めにお前の墓地が10枚以上あるので、龍解条件達成!!」
そして、形を変え、深海を支配する偉大かつ雄大かつ尊大な龍へ。
「破! 今、その姿を此処に現せ、知識の支配者よ! 欲望のままに全ての呪を解き放つが良い、3D龍界ィーッ!! 《亜空艦 ダイスーシドラ》よ!!」
亜空艦 ダイスーシドラ P 水文明 (8)
ドラグハート・クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 11000
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、いずれかのプレイヤーの墓地から呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。そうした場合、その後、その呪文を持ち主の墓地に置く。
なんて、強大で威厳にあふれた姿なのだろうか。ノゾムはホログラムで現れたその姿に戦慄した。
亜空間さえも切り裂き、全ての知識を求め彷徨う結晶龍。
しかし、それは他のどの龍ともスケールが桁違いに巨大だ。他のドラグハート・クリーチャーでも話にならないほどに。
「さらに、超次元呪文《ミカド・ホール》で《ヴォルグ・サンダー》を再び召喚! 効果で我が墓地を更に増やすぞ」
このとき、龍三は1枚のカードに目を向けた。
-----------来たぞ、《英知と追撃の宝剣》!
「加えて、《ダイスーシドラ》で攻撃!」
ノゾムのシールドが2枚吹き飛ばされた。
さらに。
「《ダイスーシドラ》の効果で我が墓地から《英知と追撃の宝剣》を使う! そして、お前のクリーチャー2体を選択。どちらかを破壊し、どちらかを手札に戻せ」
「《オシロスコープ》を破壊して、《デカルトQ》を戻す!」
「次はマナゾーンのカードだ! 《ジャバ・キッド》と《スタローン》のどちらかを破壊し、どちらかを手札に戻せ」
「《スタローン》を墓地に!」
攻撃するたびに、亜空間を経由して呪文を使う。それが《ダイスーシドラ》の能力だった。
しかも、今のでノゾムは4枚ものアドバンテージを取られてしまったのだ。
「そして、使った呪文を我が墓地へ。次のターンもこれで使えるようになった」
亜空艦 ダイスーシドラ P 水文明 (8)
ドラグハート・クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 11000
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、いずれかのプレイヤーの墓地から呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。そうした場合、その後、その呪文を持ち主の墓地に置く。
反則級の強さである。この手の効果で使った呪文は大抵、山札の下に行くものだが、まさか次のターンもリサイクル可能とは誰が思っただろうか。
強すぎだろう。
さらに《トンプウ》にシールドをブレイクされ、ノゾムのシールドは残り2枚。
しかも龍三を倒すには後2撃最低でも与えなければならない。しかし、それには次のターンでフォートレスを龍解させなければならないという上に、さらに攻撃できるクリーチャーを用意しなければならないのだ。
ぶっちゃけ、進化クリーチャーを使えば良いのだが、どちらかを取るとマナを減らされた所為でどちらかが出来なくなる。
そして次のターン。引いた手札を見てノゾムは溜息をついた。
まず、マナは8枚から6枚に減っていたのが、7枚に再び増える。そして、英雄を繰り出した。
「《デカルトQ》召喚! 効果で手札を5枚引き、《エビデゴラス》を龍解! 《Q.E.D+》でシールドブレイク!」
「ふんっ」
龍三、残りシールド0。しかし、後一発が届かない。
「ここまで、か」
「わしのターン。《ダイスーシドラ》でW・ブレイク。効果で墓地より《英知と追撃の剣》を唱えて《Q.E.D+》と《デカルトQ》を選択」
「駄目かっ、くそっ!! 《Q.E.D+》を破壊! 《デカルトQ》を手札に!」
ブロッカーは、もういない。
よって、ノゾムのシールドは容赦なく吹き飛ばされることになった。
そして、最後の一撃は--------------
「《龍覇 トンプウ》でダイレクトアタック」
確かに突き刺さったのだった。