二次創作小説(紙ほか)
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.89 )
- 日時: 2015/06/01 01:47
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「《龍素戦闘機 エウクレイデス》、龍解完了!!」
2D龍解を果たしたノゾムは、何とか次のターン、耐えしのげるか心配になった。
手札は4枚。《エウクレイデス》の龍解条件は、手札がターンの始めに5枚以上あることであるが、十分に条件は達成できるはずだ。
「マダダ……我ガターン……ドロー」
しかし、相手も諦めるつもりは毛頭無いらしい。完全にこのターンで攻めきるつもりなのである。
ノゾムは冷や汗が垂れるのを感じた。このターンは、何が何でも耐え凌がねばならない。
「《スフィンティラノスβ》、《流星魚α》、召喚……!! 効果ニヨリ、両方共スピードアタッカー、アンブロッカブル……!」
「げっ」
まずい。もう、ノゾムのシールドは1枚しか残っていないのである。
ブロッカーも最早、使い物にならないため、祈るしかない。
「《スフィンティラノスβ》デシールドブレイク……!!」
ノゾム、シールド残り1枚。
割られたシールドは、光となって---------------集積しなかった。
「S・トリガーは……無いぜ」
「ソウカ」
流星魚は、淡々と抑揚の無い声で言った。
そして、最後の一撃をノゾムに向けた」
「《流星魚α》デ、ダイレクトアタック----------------!!」
突貫する流星魚。目の前の夷敵を貫かんとばかりに。
ノゾムの顔は俯いて見えなかった。
そして、その顔を流星魚へ向ける。
その顔は--------------勝利を確信した笑みであった。
「----------だが、手が尽きたとは一言も言ってないぜ!!」
ぎょっ、と流星魚は悪寒が走った。しかし、攻撃を今更止めることなどできない。
それに、ハッタリだと思ったからだ。
しかし。
「-----------ニンジャ・ストライク7発動!! 《斬隠オロチ》召喚!! 効果で《スフィンティラノスα》を破壊するぜ!」
----------何ッ!?
流星魚の顔が驚愕で歪む。
そして、次の瞬間、自らのバックに居た《スフィンティラノス》が一瞬で激流に押し流され、砕け散ったのが見えた。
さらに、流星魚の山札から《フウセンアワダケβ》が現れる。しかし、この状況では何の役にも立たない。
「ヒナタ先輩のお古だけどよー。これ、かなり役に立つんだぜ」
『ヒーローってのはさー、奥の手を最後まで隠しておくモノだもんねー! 作戦、大成功だよー、のぞむー!』
「さーて、目の前の魚野郎をスクラップにしてやろうじゃねえか」
ノゾムの眼は、完全に目の前の敵を狩るハンターのそれと同じであった。
「そして、《スフィンティラノス》が居なくなったってことは! もう、スピードアタッカーを追加できるクリーチャーはいねえ! つまり、その攻撃はキャンセルされるぜ!」
「ギィィィ!? バ、バカナ……!!」
サバイバーは数を増やすことで厄介になる。逆に言えば、何かを減らしてしまえば、もう何も出来なくなってしまうのだ。
もう、流星魚に残された行動は無かった。
そして、ヒーロータイムの幕開けである。
「俺のターン! ターンの始めに手札が5枚以上あるため、《エウクレイデス》を龍解させる!!」
龍素戦闘機 エウクレイデス P 水文明 (4)
ドラグハート・フォートレス
自分の水のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンのはじめに、自分の手札が5枚以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。
龍素を原動力に飛行する戦闘機は、龍素を更に取り込み、真の龍へと昇華する。
結晶に包まれた、神秘のクリスタル・コマンド・ドラゴンへと、昇華する。
「その咆哮、強きを挫き、悪を貫く刃となれ!! そして、未来を掴み取れ!! 3D龍解!!」
龍の鼓動が聞こえた。《エウクレイデス》の機体が折り込まれ、次第に龍へと近くなっていく。
羽が広がり、首が伸び、手足が顕現した。
今此処に、ドラグハート・クリーチャーとして龍解を成し遂げたのだ。
「その正義を立証せよ、《龍素記号Ad ユークリッド》!!」
龍素記号 Ad ユークリッド P 水文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 7000
自分のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
これで、打点が増えた。そして、十分に相手を攻撃できる範囲である。
「《ジャバジャック》でシールドをW・ブレイク!!」
「ギヤァァァ!!」
「《ユークリッド》でW・ブレイク!! 効果で1枚カードをドローする!」
敵のシールド・トリガーは無い。
そして、ノゾムは一気にチェックメイトを仕掛けた。
「---------《龍覇 ガンバライダー》でダイレクトアタック!!」
***
一方のホタルは、遂に《ハーシェル》を引くことに成功したのだった。
「ハーシェルの効果で、ターンの終わりにカードを1枚シールドゾーンにおきます!」
此処では、あくまでも守りを固めることに専念するホタル。
そして、遂にガリア・ゾールは一気に攻めてきたのだった。
「要塞化・《紫電城 バルザーク》。効果デ、私ノクリーチャーノシールドヲブレイクスル数ヲ二倍ニ!」
紫電城バルザーク SR 火文明 (5)
城−自分のシールドをひとつ選び、このカードを付けて要塞化する。 その要塞化されたシールドがシールドゾーンから離れた時、このカードを自分の墓地に置く。(「S・トリガー」能力を使う場合は、このカードを墓地に置く前に使う)
バトルゾーンにある自分のクリーチャーがブレイクするシールドの数を2倍にする。
この城を付けて要塞化したシールドが他の城によって要塞化されていなければ、そのシールドが相手のクリーチャーにブレイクされる時、かわりに他のシールドを1枚手札に加えてもよい。
まずい。相手が5色レインボーであることを失念していた。ダメ押しに打点増強の手段まで持っているとは!
このまま、ガリア・ゾールはホタルを攻め落とすつもりなのである。
「《ギガリングα》デW・ブレイク」
砕け散ったシールドの破片が身体に振り注ぐ。身体を切り裂いていく。
「くっ、ホタル……! すまぬ、ワシがいながら不甲斐ない……!」
「私は、大丈夫です……。それより、後でしっかり治してくださいね?」
「ああ。そのためにも勝たないとな!!」
《シータ・トゥレイト》による二撃目が襲い掛かった。
シールドが二枚、再び砕け散る----------
「来た、S・トリガー発動! ハーシェルのマナ武装7で私のシールドの光のドラゴンは、全てトリガーヒットします!」
ビキッ、とガリア・ゾールの無機質な身体からヒビの入るような音が鳴る。
「---------バ、バカナ」
「《聖霊龍王 ミラクルスター》を、《ガガ・ピカリャン》から進化させます!」
現れたのは、奇跡を司る輝く龍。その咆哮で、全てを浄化してしまうほどだ。
そして、奇跡は起こった。残るガリア・ゾールのクリーチャー2体を一瞬でフリーズさせてしまったのである。
聖霊龍王 ミラクルスター P 光文明 (6)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 12000
進化−自分の光のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを2体選び、タップする。そのクリーチャーは次の相手のターンのはじめにアンタップされない。
T・ブレイカー
「いきますよ! 私のターンです!」
逆転。そして、一気に追い込みをかけていく。
「《ミラクルスター》でT・ブレイク!!」
ガリア・ゾールのシールドが3枚、吹き飛ばされた。もともと、クリーチャーで制圧するタイプのデッキであるサバイバーには、S・トリガーは余り入れられていない。
つまり。
「《リブリバリア》でシールドをW・ブレイク!!」
最早、成す術も無く。
最後は、虚偽に塗れた光さえもかき消す、ユニコーンの粛清が下ったのだった。
「《ハーシェル》でダイレクトアタックです!!」