二次創作小説(紙ほか)

Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.90 )
日時: 2015/06/02 02:42
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 ***


 一方のヒナタとブレイズザウルスのデュエル。完全にヒナタは敵の切札、《シグマ・トゥレイト》の進化を許してしまった。
 先ほどからヒナタが焦りに焦っていた、単純明快な問題。種族デッキを相手にする際、最も恐れなければならないこと。
 それは、”進化クリーチャー”の存在であった。

「グオオオオオオン!」

 咆哮を上げるブレイズ・ザウルス、いやシグマ・トゥレイト。本体も本来のクリーチャーとしての姿を現したのだった。
 しかし、相手は未だに動く様子が無い。それどころか、そのままターンを終えてしまったのだった。
 ----------何だコイツ、また殴らなかったぞ……!?
 敵の行動に違和感を禁じ得ないヒナタは、とにかく何かされる前に攻めきることを選ぶ。

「俺のターン、ドロー! そして、《エヴォル・メラッチ》進化!!」

 叫ぶヒナタ、同時に炎に身を包んだ鳥《エヴォル・メラッチ》が革命の熱に身を焼き、自らを更なる存在へと昇華させる。 
 ----------ドラゴンを超えるもう1つの新たなドラゴン! それが、メガ・コマンド・ドラゴンだ!!


「頼むぜ、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》!!」


 現れたのは、飛行機のようなパーツが体中についた、炎を吹く竜・《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》だった。
 
「《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》の攻撃時能力発動! 俺の場の《ジェット・ポルカ》をタップするぜ!」

 

ゴウ・ブレイクドラゴン VR 火文明 (5)
進化クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン 6000
進化クリーチャー−自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、攻撃の後、バトルゾーンにある自分の火のクリーチャーを1体タップしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー



 咆哮する《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》。身体から溢れ出る炎は、止まることを知らない。
 そして、一気にシグマ・トゥレイトのシールドを叩き割る。そして、再び起き上がったのだった。
 《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》の効果は、簡潔に説明すれば味方のクリーチャーの行動を犠牲にする代わりに、自らを再び起き上がらせるというものだ。
 しかし。

「《ジェット・ポルカ》とのコンボ発動! 《ジェット・ポルカ》は進化クリーチャーが攻撃するとき、アンタップする!」

 不屈の魂を持つファイアーバード炎もまた、何度でも起き上がるのだ。つまり、これによって《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》は何度でも攻撃することが出来るようになったのだ。
 つまり、《ガイグレン》よりも更に速く、無限攻撃を繰り出すことが可能なのである。

『考えたな、ヒナタ』
「へへっ、どんなもんだ! 《ガイグレン》は確かに強力だ。だけど、条件がちーと厳しいのさ。だから、俺は更にビートに特化させた編成に組み込むために、こいつを使うことにした! このまま、押し切ってやる!!」

 叫んだヒナタは、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》で二撃目を放つ。咆哮する竜、それに炎を供給し、再び起き上がらせる炎鳥。
 この2つが合わさり、シグマ・トゥレイトのシールドは残るところ1枚になったのだった。
 しかし。運命は平等に配られるもの。そう簡単にはいかなかった。
 割られたシールドが集束し、放たれたのは--------------1つの大太刀だった。
 それが《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》を一瞬で真っ二つにする。断面から炎を吹き出して、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》は爆発四散した。更に、巨大な鉄槌が《ジェット・ポルカ》を押しつぶす。

「《めった切り・スクラッパー》に《グシャット・デストロイ》か……! 運が良い奴だぜ!」
『仕方があるまい。此処で運を恨んでも何も始まらないぞ、ゲホッゲホッ』
「チッ、ターンエンドだ」

 しかし、此処まで相手が一切の攻撃をしなかった理由がわからない。下手をすれば除去される可能性があったというのに------------
 そんな余裕は一瞬で粉砕されることになった。

「ゴオオオオオオオオオン!!」

 一瞬で、3体のサバイバーがバトルゾーンへ現れた。《ブレイズザウルスα》に、2体目の《威嚇するスマッシュ・ホーンα》だ。それらが現れる度に、《シェル・ファクトリー》の効果でサバイバーが補充されていくので、手札が途切れない。
 これによって、場のサバイバーは5体となった。
 ---------し、しまった!!
 ヒナタは己の失念に気付いた。しかし、時既に遅し。次の瞬間には、ヒナタのシールドは”全て”割られていたのだ。
 
「ぐあああああああああああ!!」

 言葉にならない悲鳴をあげるヒナタ。シールドの破片が一気に身体へ降り注ぐ。それが全身を切り裂いていく。
 ---------ワンショットキル、か-----------!!



シグマ・トゥレイト R 火文明 (6)
進化クリーチャー:サバイバー 9000
進化−自分のサバイバー1体の上に置く。
クルー・ブレイカー:サバイバー



 数を並べるサバイバーと、最も相性が良い進化クリーチャー、《シグマ・トゥレイト》。
 その唯一にして最大の能力は、クルー・ブレイカー:サバイバーだ。クルー・ブレイカーとは、特定のクリーチャーの数だけシールドのブレイク数を増やすことができるというもの。
 敵のサバイバーは《シグマ・トゥレイト》を除いて、4体。ヒナタのシールドを全て叩き割るには容易かった。
 今まで、この一撃のために相手は準備を整えていたのだ、とヒナタは痛感した。物理的にも、であるが。
 そして、最後の一撃が襲い掛かる。《スマッシュ・ホーン》がヒナタを突き殺さんと、その巨大な角を振り上げた-------------!!


「だけど、まだ終わっちゃいねえ!!」


 だが、ヒナタは諦めていなかった。
 次の瞬間、目の前に居た《スマッシュ・ホーン》が破壊される。
 S・トリガーだ。無理も無い。あれだけ多くのシールドを叩き割ったのだ。
 出る可能性は無きに非ず、だった。

「《爆竜剣術 紅蓮の太刀》で《スマッシュ・ホーン》を破壊する!!」

 しかし、まだ相手には《シェル・ファクトリー》が残っている。
 だが、心配には及ばなかった。

「そして、もう1枚だ! S・トリガー、《破壊者 シュトルム》! 《シェル・ファクトリー》と《ブレイズザウルス》を破壊!」

 

破壊者スクラッパー シュトルム 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
S・トリガー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーをパワーの合計が6000以下になるように好きな数選び、破壊する。



 新たなるアウトレイジ、《シュトルム》。その破壊火力は今までの常識を打ち破った。パワー6000以下破壊。スクラッパー呪文の新たな境地であった。
 完全に攻め手を失ったシグマ・トゥレイトは沈黙するしかなかった。
 そして。

「俺のターン!! 此処で勝負を決めるぜ!!」

 ヒナタの瞳には、完全に勝利への確信が見えていた。

「《鬼切丸》を再び召喚! そのままシールドをブレイクだ!」

 最後のシールドが叩き割られた。もう、相手に後は無い。
 そして、最後の一撃は------------


「《破壊者 シュトルム》で、ダイレクトアタック!!」


 -----------無法者によって、締められたのだった。