二次創作小説(紙ほか)
- ピース10:カシワ現る ( No.18 )
- 日時: 2014/11/08 12:40
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)
驚いたの何のって、穴を辿って連中を追いかけていったら、またいたね、下っ端共。
本当蠢くGの如く沸いてきたんじゃ堪ったもんじゃないよ。しかも「こっから先は遠さねえぞ、ガキ共」とかテンプレ台詞を言ってるし。
仕方ないから
「行け、エモ」
「あら可愛い」
隊員の1人がそう言った。うんうん、同意してくれる人が居て感激だよ。とりあえずさ---------
「レッツ、放電」
とまあこんな感じに電気を流してみました。面白そうだからやった。後悔はしていない。
ビリビリバリバリ、それを無邪気な顔で放つ姿は軽く小悪魔だろう。それを平然と指示する俺は悪魔か。
敵も次々に
『あべしっ!!』
『ひでぶっ!!』
『たわらばっ!!』
とどっかのモヒカン野郎達みたく叫んでぶっ倒れた。とりあえず、面倒な戦闘は避けることができそうだ。
目ェ回して気絶してるだけで済んだから良かったぜ。
ミオが白い目で睨んできたが気にしない。しかしまあこんなに綺麗に掘られたものだと軽く感心してみる。
「戻れ、エモ」
「外道もここまで来ると逆に清々しいわ」
「……」
シカト。イッツシカトタイム。
無視? あたしは虫? とミオのギャグなのか分からん突込みを無視し、通路に抜けた。
途中でE・ナビの画面を見てミオはため息をついていた。何か良くない知らせでも入ったのかもしれないが、後で聞くことにした。
***
何だあれ。柔道着みたいなの着たスキンヘッドの男と男のポケモン----------イワークが目の前にあるどでかい石像と戦ってる。
しかもそいつの顔を見たことある。
ヒウンで見せられた写真にあった顔。それも指名手配幹部の1人、カシワという男だった。
戦慄したね。警察ってのが指名手配犯と向かい合った時、どんな気分なのか分かった。
そして男が戦ってるあのポケモン……いや、正直ポケモンかどうかも疑わしいけどね。
だけど何かミオが呆然と突っ立ってる。信じられんようなもんを見てるって顔だ。
とりあえず、E・ナビに通してみた。
『ポケモンDETA
レジロック:?ポケモン
概要:?
体力:B 攻撃:A 防御:SS 特攻:C 特防:A 素早さ:E
要注意技:?
危険度:?』
あり、概要は出てこないのにポケモンの能力値は出てきた。確かこれってその場で測定するからか。
とんでもねえ防御力だな、にしても。んでもって素早さと特攻以外は全て高水準だ。
いやでも待てよ、こんなにデータが不明瞭なのも初めてだ。
「ミオ、これは一体……!」
「……」
ミオの口が震えている。
そして搾り出すように叫んだ。
「あれはレジロック。大昔に封印された伝説のポケモンよ!!」
え、ちょっと待って、今何て……伝説ゥ!? そんなんが何で俺の目の前に!?
だけど、おかしくはないか。ヤーコンロードが開墾されたのは2年前。つまり、相当最近だ。こんなのが眠っていても全く違和感は無い、か。
「誰だ!!」
その声で向こうのカシワは気づいたのか、叫んだ。
ヤバい、気づかれた。首筋にフシデが走っていったね。
つーか伝説のポケモンって伝説のポケモンって、えええー!?
「何ィ、侵入者がなぜここに!? ええい、今一番厄介なときに!!」
「カシワ様、そろそろあれを使ったほうが良いのでは!!」
部下らしき男が駆け寄った。くっ、と息を漏らしたカシワは言った。
その手には見覚えのあるチョーカーが握られている。
え、ちょっと待って、もしそれがそうだとすれば、これって相当ヤバい局面じゃないか?
急に体の体温が下がっていく感覚が襲い掛かる。
だけど、同時に許せないって感覚も沸いてくる。
「本当ならば、これは使いたくはないのだがな。ハッ!!」
投げられたチョーカーが大きく広がって、レジロックの頭にフィットするかのように変形し、そのままビリビリしたものを放った。
そして、レジロックの動きがとまる。
え、待てよ。伝説のポケモンでも操れるのあのチョーカー。だとすれば、これって死ぬほどやばい状況じゃないの?
即脱出まであるんじゃないの?
「よし、やってしまえレジロック!!」
「ピロロロ……」
ギャァース!! こっち向いたぁー!! さっきまでカシワと戦っていたのに、完全に言いなりになってるよ!!
「ライガ君、何やってるの! こういうときこそポケモン使うんじゃないの!」
「お前は一体全体何を言ってるんだ-------そうか、見たところやつは岩タイプ、リオなら有利になれる!」
ひゅん、とボールを投げる。現れたリオは、キッと目の前の夷敵を睨んだ。
よし、伝説ポケモンだかなんだか知らんが、一気にぶっ潰してやるぜ!
「リオ、はっけい!」
「させんぞ」
イワークがカシワの握っていたボールに戻った。一体何を繰り出すんだ?
敵は岩タイプの使い手。リオの格闘技に対して受身を取れるようなポケモンなんざ、そうそういないとは思うが---------
「行け、プテラ!」
出てきやがったのは、プテラノドンみたいなポケモンだ。石の体に恐竜のような頭、そしてギザギザに並んだ歯。
見たところ、どうやら”飛行”タイプが混ざっている、か。
確かに、飛行タイプが入っているならば打撃も受け流してしまう。
ガブリ、とリオの拳に噛み付いた。顎の力が相当強いのかそのまま投げ飛ばしてしまう。
「リオッ!?」
慌てて声をかける。だけど、すぐさま起き上がった。目の前のプテラを睨みつける。
あーあ、これ絶対”君が! 泣くまで! 殴るのをやめない!”スイッチが入っちゃったね。怒りに燃えてらい。
こういうときのリオをボールに戻そうとすると、ボーンラッシュで殴られる。
「クックックッ、正面から一気に叩き潰す。単純だがそれが最強! ”攻撃こそ最大の防御”、岩タイプの使い手であるこのカシワの座右の銘よ!」
このハゲ頭の使ってるプテラ……相当鍛えられてやがる!!
岩タイプってのは意外と防御面には脆い奴が多い。弱点の多さが何よりもその証明! よって、格闘タイプなど、物理技で捻じ伏せる相手に対しては滅法弱い。
だけど、速攻で叩き潰してしまうなら話は別ってことか。
前にテレビの番組でCGのプテラが飛んでるところを見たことがあるけどすっごい速さだったのを覚えている。
この空洞は元々あのレジロックを安置するためにあったのか広い。こいつが飛びまわれるだけはある。
だけど考えてみれば、プテラは岩・飛行タイプ。対してこっちは格闘・鋼タイプ。
決して不利ではないし、見方によっちゃあ有利かもしれない。
「何怯んでんのよ! とっとと戦いなさい!」
「っせえな! 冷静な相手の分析って奴だ!」
「分析、ねえ」
ん、何だ。少々ミオの顔が曇った。
「はっきり言って、分析だの頭脳戦だのに於いてははあんたよりもよっぽど得意な奴、あたし知ってるから」
「前言ってたお前の相方か」
「さっき連絡が入ったんだけどね、どうやら此処には来れなさそう。退院前の検査に手間とってるっぽいわ」
じゃあ援軍はセキュリティー・イッシュの隊員だけってことになるか。
頼もしいのかどうかは知らないけどよ。
「レジロック、プテラ!! やってしまえ!!」
カシワの怒声が轟いた。プテラが甲高い声を発し、レジロックが腕をぶんぶんと振り回す。
さらに部下も何人かスタンバイ。
まだこいつらが居たか。
だけど、ポケモンを無理矢理操ろうとするような輩、俺は気に食わねえ。
全力でぶっ潰すしかないってことか。
「行くぞ、ミオ!」
「あたしに命令しないで! とっとと片付けるわよ!」
ククッ、とカシワは喉で笑った。
はっきり言って滅茶苦茶胸糞が悪い。
「この私、がお前達を直々に始末してやることになるとは……面倒なことになったものよ! 覚悟はできたか? 破ッ!!」
『ポケモンDETA
プテラ:化石ポケモン
概要:琥珀に残された遺伝子から復活した。甲高い声で空中を飛び回る。硬い牙を持っていたことから、肉食であることは確実。鋭い爪で獲物を捕らえていたと想像される。また、数年前、化石から復活させた際、理性を失って暴れまくり、研究員が何人か襲われて死亡する事故があった。
体力:B 攻撃力:A 防御力:C 特攻:C 特防:C 速さ:S
要注意技:フリーフォール、超音波、原始の力
危険度:7』