二次創作小説(紙ほか)
- ピース11:乱入者 ( No.23 )
- 日時: 2015/02/10 15:46
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「プテラ、フリーフォールッ!!」
先手を仕掛けたのはプテラか、しかし素早さのランクがSってことはリオよりも上か。なかなかに厄介だぜ。
とりあえず、だな。リオをこっちに引き寄せて、小声でコレを囁いておくか。
「リオ、ひそひそ……頼むぞ!!」
「むっ」
次の瞬間、指示したとおりにリオは真空波を撃ってくれた。
真空の刃は空気を切り裂く程のスピード。奴を先に仕留められなくとも、そこから追撃を仕掛けることならば出来る!
野郎は此処で倒さねぇとな!
「その程度! 避けろ、プテラ!」
って、速すぎやしねえか。
おもくそ真空波が避けられて岩を切り裂いていく。飛び道具は通用しねえか------------こっち来たぁぁぁ!?
「上昇、そして-------------」
げっ、掴まれて天井に、まさかこれって---------
「ライガ君、やばいわよ! フリーフォールは相手を掴んで上昇しそのまま叩きつける技! 高さは十分、そこから落とされたら一溜まりも無いわ!」
「って言ってる場合かよっ!! 敵はもう1体いるんだぞ!!」
リオがプテラに攫われてる間に、もう1体。レジロックがこちらへ突進してくるのが分かった。
あんなのを食らったら今度はこっちが木っ端微塵だ、オーマイガー。
どうすんの、マジで死ぬけど俺ら。
待てよ。こういうときに1つだけ状況を変えることが出来る方法がある。
足を使うんだ。
そう、つまり------------
「逃ィげるんだよォォォーッ!!」
「やってることこの間と一緒じゃないのよぉーっ!!」
「うっせぇぇぇ! 通路の方に逃げるぞぉぉぉ!!」
「自分のポケモン放っぽり出してぇぇぇぇ!?」
「命が惜しい」
「何このド外道!?」
と、叫びながら通路の入り口まで逃げた。
悔いは無い。
逃げることも時には必要である。
決して命が惜しかったとかそういうのではない。
あ、言っちゃってた。
突っ走って10mくらいだったろうか。急にどすん、どすん、という足音が聞こえなくなった。
恐る恐る振り向いてみると、あろうことか伝説ポケモンは頭がつっかえたまんま足踏みをしていた。
つまり、逃げ切れたということか。
「おっ、おおおおお!! すげぇぞ! 相手バカだからこっちに全然来れてねぇ! ラッキー!」
「や、やったわね、これは!」
ははははーっ! バーカバーカ! 漫画で手に入れた知識が上手く役に立ったぜ!
しかも、今ならば首が丸出しだ!
ミルマにシェルブレードでチョーカーを切り裂け、と命令するとそのまま突っ走っていき-------------チャージビームの餌食となった。
「ごめん、ミルマ」
「出オチに哀れすぎて涙も出てこなかったわ」
「うん、飛び道具あったんだ、うん」
あいつ電気タイプの技使えるのかよ、知らないよ、んなこたよぉ!?
ミルマをボールに戻し、とりあえずどうするか考えたが------------良い事を思いつく。
「エモ、お前の電撃でチョーカーを破壊するんだ!」
開幕、約三秒。飛んでる状態からそのまま電撃放ち、一瞬で仕事は終わった。
ミルマよ、お前は何の為に出てきた。あ、出したのは俺か。
チョーカーを破壊した途端、ガブリアスのときと同じく、レジロックは膝をついて倒れた。
「よし、部屋の方に戻るとするか、リオも心配だしな!」
「最悪ねコイツ……」
へっ、何とでも言え。
***
案の定、そこにはプテラに圧し掛かられたリオの姿と、苛立ったカシワ、そして下っ端数人がいた。
しかし、カシワに手を出すのは止められているのだろうか。
状況的にはそんなに経っていないから、食らったのはあのフリーフォールだけか。しかし、なかなかの痛手っぽいな、見るからに。
「あっちゃー、遅かったか」
「貴様……! 自分のポケモンを捨てて逃げるとは、何たる外道ッ!!」
「悪人に外道と言われる筋合いはねーな」
「自らのポケモンを大事にしないトレーナー……このカシワが最も忌むべきトレーナーよ!! プテラ、やってしまえいっ!!」
キェーッ、と叫んだプテラは俺の方に飛んで-----------これなかった。
次の瞬間、そこには全員の驚く顔があったはずだぜ。
何故ならオこの俺が練りに練った奇策だからな。
「幹部クラスの相手によぉーっ、正面から挑んで勝てねぇってのはもう学習済みだよ」
「な、な、馬鹿な!?」
そこには、プテラの尻尾を掴んで離さず、そして立っているリオの姿があった。
「多分てめぇの攻撃は一度食らったらシメェだ。だからこそリオには”オボンの実”を持たせた。”倒れたフリしながら、反撃のチャンスを得るため”にな!!」
「し、芝居だったって言うの!」
流石のミオも驚いてるみたいだな。
まあ、そゆこと。さて、指示したタイミングだが、勿論あの囁いたタイミングだな。
猿芝居ならぬ、犬芝居打たせて貰ったぜ。
「待てい!! 何時だ! 奴はいつオボンを口にしたのだ!」
「プテラの攻撃を食らうときに、飲まなくて良いから口の中に放っておけって、頼んだのさ。後は奴がピンチになったら勝手に噛み砕いて飲み込むだろ。その後、反撃せずにしばらく倒れておけって指示したんだ。長いからよー、”プテラが迫ってきたら、オボンを口に含め。後は死んだフリしろ”って命令した」
「こいつぅぅぅ!!」
おー、頭に来てる来てる。脳まで岩で出来てるのかね。
「まー、待てよ。一番頭にきてるのは、リオの方だと思うぜ。さっきもみたとおり、こいつは強い攻撃食らうと---------」
あ、駄目だ。声が途切れるくらいの岩を砕く音がした。
「キレちゃって、相手をぶちのめしたがるんだよなぁー」
はっけいが、プテラの背骨を直撃したらしい。麻痺状態になったプテラはそのまま飛べなくなり、地面に落ちる。
「リオ、決めろ! トドメの真空波!!」
不意打ちだったが仕方がねえ。
真空の刃はプテラを今にも切り裂かんと------------
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ
あり? リオが手を止めた。
どうしてだ? と壁の方をみた。すると、部屋の左右にあった壁が崩れた。
あまりの突然の流れにあんぐり口を開けていたが、そこには、またしても巨大な2つの”像”が----------!!
「レ……ジ……スチル……!」
「レ……ジ……アイス……!」
ちょい待て、何で出てきたしぃぃぃーっ!?