二次創作小説(紙ほか)

ピース12:石像、氷像、鋼像 ( No.24 )
日時: 2015/02/11 13:28
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「何だぁぁぁ!?」

 揺れる地面、落ちてくる石ころ。穴の開いた左右の壁からはそれぞれ右から氷像、左から鋼鉄と思わしき物体の像が現れる。
 何か、ミオはそれをみてあんぐりと口を開いているし。
 E・ナビを当てて確かめたら、再びレジロックのときのように、概要以外確かめられない状態になった。
 まず、氷像。


『ポケモンDETA
レジアイス:?ポケモン
概要:?
体力:B 攻撃:D 防御:A 特攻:A 特防:SS 素早さ:E
要注意技:?
危険度:?』

 
 こいつ、防御面はレジロックより薄いな。だけど、特防の方が以上に高くなってる。
 次に、(多分)鋼鉄の像。


『ポケモンDETA
レジスチル:?ポケモン
概要:?
体力:B 攻撃:C 防御:S 特攻:C 特防:S 素早さ:E
要注意技:?
危険度:?』

 
 うわ、かってぇ!! こいつはやばい。手が付けられんかもしれん。防御、特防共にSランク!? これならどっちかSSの方がまだマシだった。弱い方を突けば何とかなるからな(その弱い方もAと決して低くはねぇけど)

「何だよ、こいつらさっきのレジロックの仲間か!?」
「多分、ね。だとしたらレジロックが危険な目に遭ってるから助けに来たってところ、かしら……このヤーコンロードに伝説の”像”ポケモンが3匹共眠っているとは思いもしなかったわ」
「つか、分かる訳ねぇだろんなことよぉ!?」

 さて、翼軍サイドの方を見ていたが……どうやら強欲かつ身の程知らずの下っ端共が早速ポケモンを繰り出し、2匹の捕獲に出たが-----------


「馬鹿者ッ!!」


 と、カシワの一喝が響く。

「何をしている、まともにやり合って勝てる相手では無いぞ!」
「ですが、カシワ様……! チョーカーを使えば……!」
「駄目だ、あれは使ってはならん!!」

 意地になってチョーカーを使うことを渋るカシワ。とりあえず、これはチャンスだぜ。
 今のうちに逃げ-----------あ。


「レジ……ロッ」


 入り口でぶっ倒れてたレジロック起きとるがなぁぁぁぁーっ!?
 まずいまずいまずい、伝説ポケモン3匹に囲まれちゃったよ、でもこれって敵も同じのはずだ! うん、そうだ! 増援も来てくれるし。

「そーだよ、どうにかな----------」
「えぇぇぇーっ!?」

 うるせぇっ!! この女いきなり悲鳴上げやがって。

「ど、どうしたミオ」
「何か、今メールでさっきの地鳴りでヤーコンロードの岩壁が崩れて封鎖されたって。救援要請も兼ねて伝説ポケモンたちの写メ送ったら、そう返ってきた」
「それ、まさか逃げられたパターン……」
「無いから!! そういうのは無いから!!」

 いや、でも何この状態。マジでピンチなんですがぁー!?
 
「出て来いヤジロン!!」
「行け、ヤジロン!!」

 あれ、下っ端達が何か変なの繰り出してきた。何か土偶みたいなポケモンだ。そいつらがわらわらと出てきて何するのかなー、て思ってたら円陣組んで-----------皆丸ごと、全員消えた。
 カシワも居なくなっていた。

「……テレポートされたわね、ありゃ」


『ポケモンDETA
ヤジロン:土偶ポケモン
概要:一本足で回転しながら移動する。紀元前に栄えた古代都市の壁画にヤジロンとその進化系の絵が描かれており、話題になった。後、下手にいじると爆発する。
体力:D 攻撃:D 防御:D 特攻:D 特防:C 素早さ:D
要注意技:テレポート、自爆、サイケ光線
危険度:2』


 つまり、逃げられたってことか、これ。
 しかも、次の瞬間だった。3匹共、俺らに向かってチャージビームを放ってきやがったし。
 どうやら、俺らは完全に敵と思われたらしい。

「は、はは……終わったんじゃねえか」
「待ちなさいよ、ここはとにかく応戦するっきゃないわ!」

 んなこと言ったって、伝説のポケモン3匹って聞いてないよう。

「だって考えてみろよ! お前の切札のギャラドスにしたって、電気タイプのチャージビーム食らったらしめぇだぞ!?」
「だーかーらーっ、何故あんたが戦わないっ!! タイプ解析で、こいつら3体は岩、氷、鋼、タイプで格闘が弱点なのよ!」
「あ、そっか」

 じゃあ話は早かった。リオなら3匹共行けるんじゃないか、これ。
 やっちまえー、リオ! ぶっ潰せー!

「このアホは……頭いいのか、馬鹿なのか……」
「今、奴らはそれぞれ離れた場所に居る、つーことはまだ接近戦ならば分はこっちにある! リオ、レジロックにはっけい!!」

 ドッ、と手痛い一撃がレジロックに入る。
 効果は抜群------------と思いきや、全く利いていない。

「んじゃあ、ボーンラッシュを連続でブチ当てろ!!」

 気合で固めた骨の棍棒で何度も殴りつけるリオだが、ぺしっと巨大な腕が一振り。
 そのまま吹っ飛ばされてしまった。
 成るほど、文字通り馬鹿力で吹っ飛ばされた訳か。

「お、おい、マジかよ」
「防御SSランク、更に攻撃Aランクはダテじゃないわね……はっきり言って、此処まで耐久力があるポケモンを見るのも初めてだけど。奴はとりあえず、ギャラドスで抑えておくわ!」

 ギャラドスが出てきて、すぐにレジロックの体に巻きついた。しばらくは大丈夫か?
 って、今度はレジアイスが変な挙動を------------

「冷凍ビームよ、逃げないと!!」
「嘘だろ!? 戻れ、リオ!!」

 とりあえず、岩にめり込んで再起不能になっているリオをボールに戻す。これは本当に逃げねばならない。
 ビームが地面を走っていき、次々に凍らせていく。
 それはそれは恐ろしい光景だ。
 ビームが止まった。再びレジアイスの方を向き、今度は回復させておいたミルマを繰り出す。

「こいつは防御が薄いはずだ! やっちまえ、ミルマ! リベンジだぜ!」

 突撃していったミルマが今度はホタチから闘のオーラを湧き出させて、レジアイスにぶつけた。
 効果は抜群、今のは流石に手痛かったはず---------------

「レジ……アイス……!!」

 ……微動だにしていたいんですが、それはぁぁぁーっ!?
 ああ、駄目だ。こっちの物理攻撃力が低すぎてそれどころじゃねえ。
 やばい、今度はレジスチルがラスターカノンっぽいのを放ってきやがったし。地面に向けて撃ったことで、地面を破壊して氷を飛ばしてきやがった。
 うわっ、やばい、めちゃくちゃ眩しい。
 光をこれで反射させるつもりかよ。
 凍った床が砕けて、破片となり、ミルマに襲い掛かる!!

「お、おいっ!! 避けろ、ミルマ!!」

 叫んだ俺は気付いた。
 ミルマは離れられていない。レジアイスの体から。
 凍ってやがる。
 レジアイスの表面の冷気にやられて、体が凍り始めている!!
 どうすんだよ、レジロックも既に動き出してるんだぞ!! いや、奴は辛うじてミオのギャラドスが抑えてる、か。
 まずい、ラスターカノンが今度こそ、放たれた-------------!!

「危ねぇ、ミルマァーッ!!」


 カキン


 ふと、音がした。
 何かが再び跳ね返るような、そんな音-----------------。
 ホタチで、あのラスターカノンを弾いたのか?
 見れば、光で全く見えなかったけど、ミルマの奴の姿がそれよりも眩い光に包まれていく、だと!?
 これってまさか-----------進化? このタイミングで、か!?
 その光の中でミジュマルとしてのミルマが消滅し、新たな姿、新たなポケモンとしてのミルマが誕生するのがはっきりと分かる。
 そして、それが終わった瞬間------------


 ガッ

 
 あのレジアイスをミルマは蹴っ飛ばして、堂々と新たな姿で地面に降り立った。