二次創作小説(紙ほか)

ピース13:双太刀丸 ( No.25 )
日時: 2015/02/12 23:57
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 これって----------進化!? 間違いねぇ、リオのときに見たことがあるから覚えがある。
 そうだよな、前よりも一回りでかくなってって、とにかくチェックだ!!


『ポケモンDETA
フタチマル:修行ポケモン
概要:流れるようなホタチ捌きは、フタチマルによって違う。厳しい修行の末、身につけた早業は、剣の達人でも見切るのは困難を極める。ホタチの手入れは欠かせない。
体力:C 攻撃:C 防御:C 特攻:B 特防:C 素早さ:C
要注意技:シェルブレード、アクアジェット、リベンジ
危険度:4』


 やべぇ、かっこいい。凛々しく、そしてより逞しくなってやがる。
 剣の技も前より威力が期待できそう。
 よし、こっからが反撃だ!
 
「反撃だ、ミルマ! まずはレジアイスに追撃のシェルブレード!!」

 ミルマの太ももに装着されていた2本のホタチが姿を現したが、より鋭く、より煌きを増している。
 それを華麗に振り回し、レジアイスの氷の体に傷をつけた。怯んだレジアイスは後退したので、その隙にさっ、と俺の元に帰ってくる。

「チャンスよ、ライガ君! あたしのツタージャもすぐにジャノビーに進化したの。ギャラドスは限界よ! あいつを何とかどかして!」
「その前に、あいつらかっ」

 やべえ。レジアイスが再び冷凍ビームで地面凍らせてきやがった。こっちまで凍らされたらたまったもんじゃないから、凍った地面に飛び乗り、つるっと滑りそうになる。
 が、直後レジアイスが凍らせた地面に腕を振り下ろして--------------え? 凍った地面がこっちまで割れてくるとか馬鹿力にも程がなくねえか?
 あ、馬鹿力か。
 つか、その後だった。
 レジスチルがきらきらしたものを放ったとたん------------俺の後ろで沢山爆発したし。


「どわーいっ!!」


 爆風に煽られて吹っ飛んだ俺とミルマは地面と激突しそうになる。幸い、俺の唇と地面が血の出るような痛いキスを交わすことはなく、頭が再び衝突して怪我してたところから、また生暖かいものが溢れてきた。

「どう足掻いても、頭を怪我する運命にあるのか俺は」
「ライガくーん!! うわ、血が」

 しかし、このライガ、この程度で引き下がる程の臆病者ではない。ミルマもまだ立てる。
 どうやらさっきの爆発はラスターカノンの砲撃で起こったものらしい。
 起こったものらしいけど、あの数の爆発はおかしいぜ。
 いや、種は簡単だ。
 とにかく、敵のコンボは、アイス冷凍ビーム→地面凍る→地面の氷壊す→スチルラスターカノン発射→乱反射させてこっちを殺しにかかる、か。
 あの氷の破片が鏡の役割をしているってか。
 しかも、あいつらの風貌、どう見ても有機物には見えないしな。スパコン的な何かが内臓でもされてんのか?
 頭が滅茶苦茶良いのか、氷がどんな飛び散り方をしても、レジスチルはそれをこちらに反射するように計算してラスターカノンを撃ってるんだ。
 まあいい。種は割れた。
 後は、びっくりさせるだけだっ!!

「ちょ、ライガァー! こっちはもうやばそうよ!」
「もうちょい持ちこたえてくれ!」

 ああやべぇ、ギャラドスやジャノビーが奮闘してくれてる。申し訳ないが、もうちょい頑張ってくれ。
 あいつらは、さっきも似たような攻撃をしてきたが、次も同じ攻撃が来れば------------いける!
 まずは、こっちから一発浴びせてやれ!

「ミルマ! レジアイスにシェルブレード!」

 再び切り込んでいくミルマ。斬撃を二発浴びせ、再び怯ませるがチャージビームがすかさず飛んできたので、距離をとった。
 そして、再び俺の元に戻ってくる。

「相手があの攻撃をもう仕掛けて来ないなら好都合! このままヒットアンド・アウェイでダメージを蓄積させ、隙を見てレジロックにも畳み掛ける!」
「えぇぇー!?」
「というわけでミオ、そっちは抑えてな」

 さあ、次は何が来るか--------と思っていたら、レジアイスが冷凍ビームを地面に射出してきた。地面が途端に凍りだす。
 今だっ!!
 凍った地面に飛び乗った俺は一瞬でレジアイスの方を向いたね。
 そして、あいつが腕を振り下ろし、氷が飛び散ったのを確かめた。
 レジスチルがラスターカノンを放とうとする----------


「ミルマ、今だ!! あの中に切り込んで、氷を別の方向に反射させろ!」


 カキン


 フタチマルの剣の早業は達人並みらしい。二刀のホタチを目にも見えない早業で振り回す。するとどうだろうか。
 氷は一瞬でその向きを変えた(と思う)
 これが約0.1秒の世界って奴だ(見えなかったけど)
 だが、ラスターカノンは見事に乱反射し、さらに明後日の方向はおろか、放った自らと、相方のレジアイスへ------------直撃した。
 俺は伏せていたから運よく当たらないで済んだが。
 流石にチャージビームを繰り返し放ったことで威力が上がっている自分の攻撃は堪えたらしい。
 電子音みたいな音がおかしくなっている。
 さらに後ろで爆発音もした。
 ラスターカノンがレジロックにもあたったのだ。
 爆アドWピースってやつ? ピースなんかしてる暇は無いけど。

「今だ、逃げるぞミオ!」
「や、やっと終わった。戻って、ギャラドス!」

 ジャノビーは途中で何かがあったときのために出しているのだろう。
 さて、俺たちはぶっ倒れたレジロックを再び踏み越えて狭い入り口をとおり、そして二度と奴らが追って来れないように、ミルマにシェルブレードで天井を落として貰ってから、命からがらナビの地図を頼りに問題の岩崩れが起こったところまで逃げたのだった。

 
 ***

 岩崩れは既にポケモンの手で収まっており、穴が開通していた。そして、セキュリティーイッシュの隊員達が奥へ行こうとしていた。
 さて、本日の件の報告だが、地震の原因はヤーコンロードにいた伝説のポケモンが目覚めたこと。
 そして、黒き翼軍はそれを目的に……いや、それ以外の目的でこの穴にもぐりこんでいたのではないか、ということをミオは報告したらしい。
 報酬は意外と少なかった。
 まあ、依頼主と言えるような依頼主もいねえし。
 何であれ、初任務にも関わらず命からがらとはこの事だった。
 ほんと、命も投げ出し時を選ばないとな。

 それよか、頭がめっさ痛いんだけど。縫ったところまたパックリ割れてるし。