二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL 君との思い出日記 .+*煌めく星々*+. ( No.95 )
日時: 2014/12/01 22:59
名前: ドロップ ◆5/7K.VcEo2 (ID: HOE8nich)

では、番外編!!
グレジュビいっきま〜す


   §§§


グレイは、ルーシィと別れた後、しばらくの間地面に座り込んでいた。
いつの間にか雨が降ってきていたが、気にならなかった。

とにかく、無心になりたかった。


(グレイ様……)


そのすぐ近くで、ジュビアがその姿を見つめる。
実は、ジュビアもこの近くで仕事をしていて、さっきの現場を目撃してしまったのだ。

つまり、グレイがルーシィを好きだったということを知ったということ。
悔しいし、とても悲しい。
でも、今のグレイを見ていると、なぜか泣く気にもなれない。


「……風邪、ひきますよ」


すっ、と傘を差し、隣に座る。
声をなんとか掛けたはいいが、何を話せばいいのか分からない。
しばらく、沈黙が続いた。

その沈黙を破ったのは、グレイだった。


「……悪い、今はひとりにしてくれねぇか」


いつもと違う、低く、重たい声。
体が、気のせいかひんやりとした気がした。

雨なんてもう慣れて平気なはずだったのに、時々当たる雨粒が、ひどく冷たく感じる。

こんなときに、自分は何もできないのだろうか。

手をぎゅっ、と握り締める。
失恋した。その言葉が、頭の中をぐるぐると回る。
今頃になって、実感が湧いて、悲しくなってきて———。


(ジュビアは……ジュビアは……)


胸に手を当て、考える。
———どうすればいい? そんなの知らない。そんなの分からない。


「近くにいるのに」


———どうして? 仲間なのに



   「なんで、わざわざひとりにしなくちゃいけないんですかっ!?」



ジュビアの大きな声に、グレイは驚き少し目を見開く。
すると、グレイの手のひらに何か、生温かいものが零れおちた。

ジュビアの目から溢れ出る、涙。

雨と同じ水滴なのに、どこか温かくて。
なぜか、悲しみがふっと和らいで。

ジュビアは、グレイの手にそっと自分の手を重ね合わせた。

その手は、男の自分とは違って、小さくて。
いつも喧嘩しあっているような男たちとは違って、どこか優しくて。


「ジュビアは、グレイ様のそばにいたいです。悲しんでいるのを、見てるだけなんて嫌なんです……!!」


目の前が、明るくなっていく。
光が差し込み、雨は止み、綺麗な青空が見えてくる。


(———ウル?)


『おまえの闇は、私が封じよう』


心の中にまで差し込むような、温かい光。
自分の闇を払う力強い心と、優しいぬくもり。

グレイは、自然とジュビアを引き寄せていた。


「……わりぃ。しばらく、このままでいさせてくれ」

「はい。グレイ様がそうしたいなら」



———相手を想う気持ちは、温かく力強い光となって、幸せを呼びよせるでしょう