二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.111 )
日時: 2015/03/15 16:57
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

第38話「遠い過去の知識」

ニルヴァーナとは人々の性格を変える魔法。
そしてその最初の段階…黒い光は善と悪の狭間にいる者を強制的に変えてしまう。
リンはリオンを探しながら服を着なおすグレイにそう説明していた。

「人々の性格を変える魔法…か。何で知ってんだ?リン」

「……グレイやリオンと会う前に所属していたギルドでの知識だよ、」

「妖精の尻尾フェアリーテイルが最初じゃなかったのか…」

「ごめん、これ以上は話せない」


「十分だ。お前が全て話してくれる日まで俺はずっと待ってる」

そう言ったグレイにリンは笑った。
全てを話せる日が来るように祈って。

「おい、あれ…」

グレイが遠くで倒れている人影を見つける。
それは紛れもなくリオンの姿だ。
2人はすぐに駆けつけ彼を起こした。
ひどい傷ではあるが、命に別状はない。

後は性格が変わってしまったシェリーを探すだけ。

「見つけた、妖精の尻尾の魔道士」

「今の声…こっちだ!」

リンが微かに聞こえたシェリーの声を辿り走る。
そこにいたのはナツとルーシィを今にも襲おうとしているシェリーの姿が。
グレイが後ろから飛び付き、シェリーを地面へ押さえ付ける。

ナツとルーシィは無事だ。

「放せ!くそっ!まだ生きてたのか!!リオン様の仇っ!!!」

「誰の仇だって?」

暴れるシェリーへ話しかけるのはリオン。


「俺を勝手に殺すんじゃない」

「リオン様……」

リオンの姿を見たシェリーは安心したのか涙を流し抵抗をやめた。
すると何か魂のようなものがシェリーから出てきて消滅する。


「…黒い柱が白に変わった」

後から歩いてきたリンが言うと皆の視線はニルヴァーナに。
それからしばらくたたない内に“ゴゴゴ”と音を立て出てきたのは何かの足だ。
とにかく中央へと向かうぞ、
とのナツの言葉でリオンとシェリーを抜いた4人がその足を掴み登り始めた。



ウェンディ、シャルルとイル、フェーリ。
シャルルはウェンディを掴み、フェーリはイルを掴んで空からニルヴァーナを見ていた。
足の数は8本。

「シャルル!イルさん!私たちもあそこに行こう!!」

ウェンディがそう言うと4人はニルヴァーナの上へ。
着陸する頃にはシャルルの魔力が尽きてしまっていた。
フェーリはまだ平気そうだ。

「イルさん、私は心配なのでリンを探しに行きますね」

「あぁ、任せたぞ。…気付かれないようにしてるみたいだけど大分、怯えてるみたいだったからな」

「そんなの知っていますよ。まぁグレイさんがいますし彼女の精神は大丈夫でしょうけど」

それだけ言ってフェーリは勢いよく飛んで行った。

「グレイ…か」


フェーリとの会話が終わり、イルはウェンディの方に向き直る。

「私…なんとかしてこれを止めなきゃって!私にも何かやれる事があるかもでしょ!?」

その彼女の決意にシャルルとイルが笑った。
その時ふいにシャルルが進行方向の先を見つめる。


「ま…まさか偶然よね!?そんな事あるハズ…この方角…このまままっすぐ進めば…



化猫の宿わたしたちのギルドがあるわ」

「「え?/まずいな」」


Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.112 )
日時: 2015/03/17 09:21
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)


「リン!」

リンを呼ぶ声にリン達3人が振り返るとそこにこちらへ向かって来るフェーリの姿。
フェーリはそのままリンへと飛び込んだ。
リンは飛び込んできたフェーリを抱き締め腕の中に収める。

「どうしたんだよ、フェーリ」

「いえ…ただ心配になった、それだけですよ」

それしか言わないフェーリにリンはそっと笑った。
“私は大丈夫だ”の意味を込めて。
フェーリとの合流の後、ホッドアイを連れたジュラと合流。
その後すぐにミッドナイトとも出会ってしまった。
しかしホッドアイ…本名をリチャードが私が戦うと前に出た。

リン達は彼を信じて王の間へと向かう。
それまでの間にナツを引きずれたブレインと遭遇。
化猫の宿ケット・シェルターを狙っているということで理由を聞こうとしたが。
ジュラが呆気なく倒してしまった。


そしてウェンディ達とも合流。

「おそらくニルヴァーナを操ってたのは、このブレインよ。
それが倒れたって事は、この都市も止まるって事でしょ」

「気にいらないわね。けっきょく、化猫の宿が狙われる理由はわからないの?」


「…イルなら分かるんじゃないのか?」

シャルルの言葉にリンが彼の方を向いて言う。

「まぁ、大体予想はついてる」

「何よ!知ってるなら話しなさい」

「いや、それは……俺からは話せないかな…」

ウェンディの方を向いてイルは儚く笑う。
深い意味はないんじゃないのかとグレイが言うと早くニルヴァーナを止めるために、
王の間へ行こうと再び走り出した。


+++

「どうしよう?解毒の魔法をかけたのにナツさんが…」

王の間に着いて、ナツの解毒を行うウェンディが言う。


「ナツは乗り物酔いだよ」

「乗り物酔い?だったらバランス感覚をやしなう魔法が効くかも。トロイア」

すると、顔色も完全によくなり自由に動き回れるようになったナツ。
残るはニルヴァーナを止める方法…だが。

操縦席はない、王の間には誰もいない、ブレインは倒された。
それでは何故これは未だ動き続けているのか。


「まさか自動操縦!?すでにニルヴァーナ発射までセットされて……」


「私たちの…ギルドが…」

「大丈夫!ギルドはやらせねえ。この礼をさせてくれ。必ず止めてやる!!!」