二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.119 )
日時: 2015/03/28 12:58
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: lQjP23yG)



化猫の宿ケット・シェルターギルド前。

「妖精の尻尾フェアリーテイル、青い天馬ブルーペガサス、蛇姫のラミアスケイル
そしてウェンディにシャルル、ヴィーヴル。

よくぞ六魔将軍を倒し、ニルヴァーナを止めてくれた。
地方ギルド連盟を代表してこのローバウルが礼を言う」

治療や着替えを終わらせて化猫の宿マスターの言葉に笑う。
この流れは宴だろーと、騒ぐナツ達。
しかし冷たい風が空気をしらけさせる。

「皆さん…ニルビット族の事を隠していて本当に申し訳ない」

マスターは今からする話を聞いてくれ、と言う。

「まずはじめに…ワシ等はニルビット族の末裔などではない」


ニルビット族そのものだと。
400年前、ニルヴァーナをつくったのはこのローバウル自身だと。

400年前世界中で勃発していた戦争を止めるため、善悪反転の魔法を作った。
そしてそれがニルヴァーナ。このおかげで一時は平和な時代が訪れた。
しかし強大な力には必ず反する力が生まれる。
闇を光にかえた分だけ、ニルヴァーナはその"闇"をまとっていった。

人々から失われた闇はニルビット族にまとわりつき、
彼らは族内で争い、共に殺し合い、全滅してしまったのだ。

彼はその罪を償う為…また、力なき亡霊の代わりに、
ニルヴァーナを破壊できるものが現れるまで、400年見守ってきた


そして、この時点で…

「今…ようやく役目が終わった」


言い終えたマスターは穏やかな表情をする。
シャルルが目を見開きウェンディが俯く。
イルは目を閉じてただ黙って話を聞いていた。

次々とギルドのメンバーが人々が消えて行く。
そう、彼らはみんな幻。
イルは知っていたのか、ただその様子を見てから口を開く。

「ウェンディちゃんが来る前、俺はこのじいさんを見つけたんだ」

すぐに亡霊だと気付き今でも現世を漂っている理由を聞いていた。
しかし1人で止めることは出来ないのは分かる。
イルもまたこの時を待っていたらしい。
そんな時に現れたのが1人の少年と小さな女の子。
7年前のことだ。

少年は、この子を預かってくれと言った。

マスターローバウロは、そのまっすぐな瞳につい、承諾してしまう。
そしてその女の子、ウェンディのために作り出された幻の仲間たち。


「そんな話聞きたくない!バスクもナオキも消えないで!!」

「ウェンディ、シャルル…。
もうおまえたちに偽りの仲間はいらない。本当の仲間がいるではないか」

マスターは満面の笑みで笑う。


「お前たちの未来は始まったばかりだ。皆さん、本当にありがとう。
ウェンディとシャルルを頼みます」

ウェンディとシャルルがマスターの元へと走る。
しかし彼は2人がたどり着く前に消えてしまった。
残された2人にエルザがそっと近付く。妖精の尻尾へ来ないか、と。