二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.121 )
日時: 2015/04/01 21:08
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

第42話「別世界エドラス」

それから数日後。
はやいもので傷も癒え、新しく妖精の尻尾フェアリーテイルにウェンディとシャルルが入った。
イルは何処のギルドに入る訳でもなく、何処かでひっそりと暮らすらしい。


そして100年クエストへと出掛けていたギルダーツの帰宅。
それぞれが思い思いに過ごしていた。

「シャルルー!!」

「!」

シャルルとフェーリが一緒に話していると魚を持って走ってくるハッピーの姿。
その様子にフェーリが積極的ですね、と笑う。

「これ…オイラがとった魚なんだ。シャルルにあげようと思って」

「いらないわよ。私…魚嫌いなの」

「そっか…じゃあ何が好き?オイラ今度…」

「うるさい!」

いきなり怒鳴ったシャルルにハッピーは固まる。
更には私につきまとわないで、とギルドから出て行ってしまった。

「…シャルルさん、待って下さいよ」

「あ!待ってシャルルー」

ギルドから出て行くシャルルを追いかけるハッピーとフェーリ。
やっと追い付き、ハッピーが何か悪い事でもしたかとしょげる。

「あなたにナツは守れない。私はウェンディを守る。何があっても絶対にウェンディを守る」

「オ…オイラだってナツを守れるよ!!ナツはオイラを仲間って言ってくれるんだ!」

「守れないわ。自分が何者か知らない猫には」

それだけ言ってスタスタと何処かへ歩いて行ってしまったシャルル。
2匹はそれ以上、追いかけようとはしなかった。

「一雨…降りそうですね」

空を見上げたフェーリが言う。

+++


「おまえさ、ベタベタしすぎなんだよ」

降り出した雨は大雨へと変わり、中々止みそうに無かった。
そんな中でグレイはカラメードフランクを食べるジュビアに一言。
ジュビアの手はとてつもなくベタベタしていた。

「もっと上手に食えねぇのかよ」

「ジュビア…は、初めて食べるものだから……」

「っだあ!じゃあ、何でそんなもん頼んだんだよ、ジュビア!」

「はぅあっリン様!?」「リン!?」

いきなり後ろからジュビアへと突っ込んで行ったリンに驚く2人。

「いきなりどうしたんだよ…お前」

「お前ら見てたら我慢出来なくなった。
いいか、ジュビア。こいつは上品に食べるモンじゃねーの」

ジュビアに食べ方を教えるリン。
そんなリンをグレイが不思議そうに見ていた。

その時、大風がギルドを包む。
それは竜巻のようになりマグノリアの街を巻き込み空へと吸い込まれるようにして消えて行く。
気付いた時には既に何も無くなっていた。
ギルドがあった場所に立つのはウェンディただ1人。

「あれ?何で私だけここにいるの?」

もぞっと地面が膨れ上がりもぐらのように出てきたのはナツの姿。
自分以外に人がいたことにウェンディが安心して涙を流す。
そして今起きた事を簡潔に説明した。
ナツは信じていないみたいだが。


「もしかして!滅竜魔導士だけが残された!?」

「そうよ」

声が聞こえ、そこにいたのは翼を出したシャルルの姿。
あなた達だけでも無事でよかった、とシャルルは言う。
ナツはそれでやっと今の状況を理解したらしい。


「正確に言えば“アニマ”に吸い込まれ消滅した。
あれは向こう側の世界、“エドラス”への門」

暴れだすナツをウェンディが抑える。
シャルルは何か知っているのかと。
遠くから飛んで来るのはハッピーとフェーリ。

「私は向こう側の世界“エドラス”から来たの。そこのオスネコとフェーリもね」

「ど…どういう事…?」

「この街が消えたのは私とオスネコ、フェーリのせいって事よ」

ハッピーとフェーリはシャルルが発した言葉に驚いていた。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.122 )
日時: 2015/04/04 14:31
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: v2BiiJyf)


こことは別の世界、エドラス。
そこでは今、魔法が失われ始めている。
こちらの世界とエドラスでは魔法は有限。
使い続ければいずれ世界かはなくなる。
その枯渇してきた魔力を救う為にエドラスの王は別世界…
つまりはこの世界から魔力を吸収する魔法を開発した。
それが超亜空間魔法、アニマ。
さっきの空に開いた穴がそうらしい。

6年前に始まったその計画はこの世界の至る所にアニマを展開した。
けど思うような成果は上げられなかった。
何者かがアニマを閉じて回っていたのだ。

だけど今回のアニマは巨大すぎた。
誰にも防ぐ術などなくギルドは吸収された。

「そ…それが…オイラとフェーリとシャルルのせい…なの?」

「間接的にね」

「私たちはエドラスの王国からある別の使命を与えられてこの世界に送りこまれたのよ」

そんなハズない、とナツとウェンディが講義する。
フェーリは少し考え事をしているようだ。
シャルルは言う。

私はエドラスに行った事がない。
この世界で生まれ、この世界で育った。
でも私たちにはエドラスの知識や自分の指名がすりこまれてる。
生まれた時から全部知ってるハズ。

「なのにアンタは何で何も知らないの!!?」

「! オイラ…」


ポフン、と間抜けな音がして音が鳴った方を向く。
どうやら音を鳴らしたのはフェーリらしい。手を叩いた音だ。

「……フフ。その使命、とやらは私にも分かりませんが1つだけ心当たりがあります。
それと、私の生まれはエドラスです。もうしばらく行っていないので地形は覚えてませんがね。

少し考えさせて頂き私の中で話は纏まりました」

フェーリは、笑う。
シャルルが生まれはエドラスだという言葉に驚く。


「ハッピー。凄く聞きたそうですが今、使命の話はやめておきましょう。
今後、使命についての質問は全員しないこと。

今、やらなくてはいけないことはただ1つ。
エドラスへ魔力にされた仲間達を助けに行く事です」

「だな!」

ナツはフェーリの言う言葉に賛成した。
シャルルも連れて行ってあげない事もないがいくつか約束事を頼む。

1つは変装すること。
2つはフェーリも言った通り、使命については詮索しないこと。
3つはナビゲートは出来ないこと。

「私もあまり覚えてませんしね」


「最後に。私とオスネコ…フェーリがあなたたちを裏切るような事があったらためらわず殺しなさい」

その約束事には2人も困り顔だ。
それでもシャルルは翼を出してウェンディを掴み、空へと飛んで行く。
その後をフェーリやハッピーもナツを掴み着いて行った。

「アニマの残痕からエドラスに行きましょう。2人とも、魔力を解放して下さい!」

「分かってるわよ!」「あいっ!!」


フェーリを先頭にそれぞれが空の穴へ一直線に飛び込んだ。