二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.123 )
- 日時: 2015/04/06 21:59
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)
第43話「エドラスの仲間」
「あれ…フェーリ達か……」
ギリドから少しだけ離れた場所、空へ飛んでいくフェーリ達をリンは見ていた。
「こちらに気付く様子はねーな。まぁいいんだけど…」
どうするかなぁ、とリンは溜息をつく。
起きたらギルドも街もなく、こんな状況だ。
頼りのフェーリは、何処かへ飛んで行ってしまった。
その時、リンに近付いてくる1つの影。
「残っている者がいたのか」
「ん…ミストガンじゃねーか。どうなってんのか分かる?コレ」
他にも人がいた、と安心するリン。
ミストガンはさきほど、シャルルがしていたような説明をする。
「へぇ、信じられないような話だけど。信じるしかない…か。吸収された皆はそのエドラスに?」
「ああ。あちらでは魔水晶となっていると思う」
「そいつらを助け出す方法は?」
「残念ながら滅竜魔導士にしか助けられないんだが…リンは滅竜魔導士なのか?」
まさか、とリンはから笑い。
「違うよ。オレは違う。滅竜魔導士じゃない。
まぁでも…ここにいてもつまらないしオレもエドラスに行きたいかな……」
「……分かった。エドラスに送ろう。それとあちらに着いたらこれを食べるんだ」
手渡されたのは薬のようなもの。
どうして、と聞こうとしたリンだが既に遅く周りは光に包まれていた。
「転移魔法か…」
そっとリンは目を閉じる。
+++
「誰だてめーら。ここで隠れて何コソコソしてやがる」
変装したナツ達と人間の姿へと変身したフェーリ。
妖精の尻尾を見つけ、
隠れて様子を伺っている所、ギルドのメンバーに見つかってしまっていた。
彼女はよくルーシィと似ているが性格がまったく違う。むしろ真反対だ。
相手がナツに気付くと思い切り抱き着いてきたルーシィ。
ギルド内を見渡すと顔は同じだが、性格が違う人達がたくさん。
更には、死んだはずのリサーナまでもがこのギルドにはいた。
「みんなが“逆”になってる訳じゃないって事ね」
シャルルが指した方向を見るとそこにはいつもと変わらないミラが。
更には成長したウェンディの姿もあった。
「なるほど…ここは“逆”ではなく“違う”のですね」
「そう、この人たちは私たちの探してるみんなじゃないわ」
*
擬人化したフェーリは、白髪に灰色のメッシュを入れた男っぽい見た目です。
服装もまた、動きやすくシンプルな服装なので男と間違えられやすいですが♀です。
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.124 )
- 日時: 2015/04/10 23:02
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)
ありえない話ではない。
パラレルワールドのようなものだ。
エドラスには独自の文化や歴史があり、妖精の尻尾が存在する可能性だってある。
これ以上、ここにいるのもめんどうだとシャルルがハッピーを連れて外に出ようとする。
向かうは王都だ。
そこに吸収されたギルドの手掛かりがあるはずだと。
「妖精狩りだぁぁぁーっ!!!」
「そこのネコ!どこへ行く気だ!外はマズイ!!」
異常なざわめきにシャルルは立ち止まる。
大気が震え、空から飛んで来たのは2頭の怪物。
「王国が妖精の尻尾を狙ってる!?何の為に」
「そんなの決まってるじゃない」
王の命令で全ての魔導士ギルドは廃止された。
残ってるのは世界でただ1つ、ここだけだ。
つまりエドラスの妖精の妖精は闇ギルド。
「よし!転送魔法陣展開!!転送開始!」
怪物がギルドを食らおうとするその時、ギルドは地面の中へと潜ってしまった。
「んー本当…逃げ足の速い妖精だねえ」
「シュガーボーイ、いたのか」
「んーおしかったねぇ妖精狩り(フェアリーハンター)」
けど奴等も転送できる回数は残り少ない。
狩れる日は時間の問題だとシュガーボーイと呼ばれた男が言う。
「それより例の巨大アニマ作戦成功したらしいよ。んで…魔戦部隊長は全員王都に戻れってさ」
「………」
話を聞いていた1頭が突然動き出す。
上に乗っているものが指示を出したのだろう。
「おっと…気が早いですね。姫」
「きっと妖精狩りに任命されたのが不満なんでしょう」
+++
「野郎ども!引越し完了だ!!」
ギルドごと移動してきたナツ達。その様子にただ、困惑していた。
「な…何だったんださっきの奴は…」
「あれは王都魔戦部隊隊長、エルザ・ナイトウォーカー。
またの名を妖精狩りのエルザ。
そして同じく魔戦部隊隊長、リン。王様の娘にして私達を裏切った女」
「エルザとリンが……敵!?」
「クシュンッくそ、石は投げられるわネコだらけだわどうなってやがる」
その頃リンは、浮遊島エクスタリアへと飛ばされて来ていた。
既にミストガンから貰った薬は飲んであるらしく、リンの周りには微量の強い冷気が漂っている。
おかげで、さっきからリンに向かってくる小石達は凍りつき地面へと落ちていた。
彼女に当たることは恐らくないだろう。
「出てけー!ここから立ち去れぇ!!」
「分かった分かった、出て行くよ。はぁ…もう全員凍らせてしまいたい」
ひとつため息を着いたリンが向かうのは街の外だ。
とにかくこのネコ達がいないところへ、と考えたのだろう。
「(…でもあっちだって国を守るために必死なんだよな、きっと……)」
フェーリがいればひとっ飛び何だけどな、と考えるリン。
でも近くにリンの知っている人は誰もいない。
改めて今、1人何だと知ったリンは首を横に振って考える事を放棄した。