二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.125 )
日時: 2015/04/12 19:57
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

第44話「嵌められた罠?」

「結構…歩いてきたな……」

かなり時間はかかったが、街から大分離れた所でリンが止まる。
そこは見渡しがよく、遠くの方に巨大な魔水晶ラクリマが見えていた。
真下には王都も見える。

「あれが……マグノリアの皆か…魔水晶にすると随分でけぇのな。
……取り敢えずは王都に向かわねーと…よし」

エクスタリアのすぐ真下はすぐ王都。
リンは一歩前へ足を踏み出して陸地から足を離した。



+++

その頃、ナツ達は切り取られた魔水晶の前でふつふつと沸き上がる怒りを抑えていた。
すると空から黒い雪のようなものが降り出す。
その場にいた誰もが何だ、と上を見上げる。
雲は出ていない。

「滅神ノ綿雲ッ」

切り取られた魔水晶のすぐ目の前、国王の目前。
大量に降ってきた黒雪はクッションとなり、落ちて来た誰かを支えた。

「いってー…どうやら降らせる量を間違えたらしい。失敗した、最悪だ」

「誰だ!お前は!!」「王様!こちらへ…」


警備兵が王を保護し、落ちて来た誰かは頭を抑えながら立ち上がる。
頭から思い切り落ちて来たのだろう。
少しフラつく様子を見せる。

「おい、あれ……」

王国軍が彼女の周りを囲み、警戒する。
ナツとルーシィ、ウェンディがその姿に目を見開いていた。

「それで…?今、どうゆう状況?」

そこにはアースランドのリンの姿。


「リン…様?」「いや、違う!アースランドのリンだ!捕まえろ!!」

「石の投げつけの後は捕獲かよ、ふざけろ」

そう言いながら今回は手加減しなくていいよな、と造形の構えを取る。

「リン!ここで魔法は…」



「アイスメイク…針雨シャワー!」

周りを囲み捕まえようとする軍人を次々と倒してゆくリン。
ルーシィ以外に魔法を使える奴がいた、と喜ぶナツとウェンディ。

一通り軍人を倒すと既に周りには誰もいなくなっていた。
残ってるのはナツ達だけだ。

「ナイスだ!リン!!!」

「なっ!ナツ!?ウェンディと…ルーシィもいんじゃねーか」

ハイタッチを求めてくるナツとハイタッチした後に2人を見つける。
フェーリ達も一緒にいるのを確認して笑った。

「それより速く逃げなくていいの?」

シャルルが言うと遠くから走ってくる王国軍の姿。


「逃げねーとな…。後でどうなってんのか聞かせろよ!!」

王国軍の目の前に壁を作って足止めをした後、リン達は走り出す。



説明ばっかだったので結構、話飛ばしました。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.126 )
日時: 2015/04/14 12:37
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: xV3zxjLd)


宿屋の一室を借りて、それぞれ休憩を取る。
ナツに至ってはずっとお城の方を睨み付けていた。

「随分と暗い顔してんじゃねーか、お前ら」

扉を開けて入ってきたリンが皆に声を掛ける。
フェーリは人間の姿からネコの姿に戻っていた。

「ムカつく奴等を払ったのはいいが結局、魔水晶ラクリマからみんなを助ける方法が分かんねーんだ」

「…オレは滅竜魔導士なら元に戻せるって聞いたが」

「本当か!?一体誰に…」

「ミストガンだよ、こちらに来れたのも魔法が使えんのもあいつのおかげだ」

薬、貰っただろうとルーシィに聞く。
そういえばそんなもの食べさせられたような…と苦笑い。

「残念ながら方法は聞いてない。聞いてくればよかったな」

「結局、王に直接聞くしかないのね」

だけどそんな簡単に教えて貰えるかは分からない。
ナツは殴ればいいと言うが…。

「殴って簡単に教えてくれるかよ。それに魔法を使えんのはルーシィとオレだけだ」

城の中には、兵隊だってたくさんいるだろう。

「明らかに数的不利だ」


「魔法…そっか!王様がみんなを元に戻す方法を知っているなら、もしかしたらいけるかもしれない」

ルーシィは何かを閃いたようだ。

どうやら星霊を使うらしい。
双子座の星霊、ジェミニは触れた人に変身できる。
尚且つ、変身している間はその人の思考まで知ることが出来るのだ。

王に触れることさえ出来れば、仲間達を元に戻す方法も分かるというわけで。


「なるほどね。後は兵隊に見つからず近付く方法…か」

「王に近づく方法はあるわ」

1枚の紙をみんなに見せるシャルル。
それは先ほどからずっと描いていたものだ。

町外れの坑道から地下を通り城へと繋がる道の地図。


どうしてシャルルがそんなことを知っているのか。
本人に聞くとエドラスに来てから少しずつ地理の情報が追加されるようになったらしい。

「オイラは全然だよ」「私もありませんね」


「とにかくそこから城へ潜入できればなんとかなるかも」

「おし!みんなを元に戻すぞ!!」

「出発は夜よ。今は少しでも休みましょ」



そうして夜。
宿を出て町外れの坑道から地下へ。
シャルルの案内の元、進んでいた。

「フェーリ。何でお前、変身しねえの?」

現在、フェーリは布をマント変わりにし姿を隠していた。

「いえ…長時間、変身していたら疲れてしまうので。
これから何が起きるか分かりませんし体力の温存を…」

なるほどな、と納得するリン。
それからも順調に進んで行った。

「ひっ」

ルーシィが小さく悲鳴を上げたと思うと何かが彼女の体を巻き付いていた。
それはナツやウェンディ、リンも同等に…だ。

「っち、凍らせられねーぞこれ。どうなってやがる」

姿を見せたのはたくさんの兵隊。
どうして見つかったのか、誰にも分かりはしない。


「こいつらがアースランドの魔導士か。奴等とそっくりだな」

そしてその兵隊の先頭に立った2人の女性。


「エルザ!!」「…オレ?」

彼女達はまさしく、エドラスのエルザとリンだ。

「つれていけ」

エルザがそう指示をすると引きずられていく4人。
ウェンディを追い掛けようと走り出したシャルルの前にエドラスのリンは立つ。



「……おかえりなさい、エクシード」

エドリンを筆頭に、全員がシャルル達の前で跪く。

「侵入者の連行、ご苦労様です」



その言葉に誰もが耳を疑った。