二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.31 )
日時: 2014/12/01 21:47
名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)
プロフ: “でりおら”

第9話「“災厄の悪魔”」

腹を刺されたグレイはそのまま床へと倒れ込む。

「お…おまえ…し…知って……た…のか………」

「おまえだって本気で信じてる訳ではなかろう。
ウルが生きてるなどと。早く大人になることだ」


グレイは苦しいのか、呻き声を出した。
体中に走る痛みを堪えて言葉を吐き出す。

「知ってて…こ…こんな事を……」

ぐっと力を入れ立ち上がり油断しているリオンをぶん殴る。

「な…!バカな!!そのキズでなぜ動ける!!?」

「限界だ…助けてやりたかったがもう限界だ」


グレイは両手で造形し弓と矢を造り出し、リオンへと当てる。
リオンはもろに矢があたり倒れかける。
すぐに体勢を戻そうとしたリオンだが、
グレイに顔面を蹴られ吹っ飛ばされた。

その後も、グレイの攻撃は続く。
本気の殴り合い。
いや、リオンは手も出せないでいる為に殴り合いとは言わないかもしれない。


リオンはその攻撃に絶えず何度か血を吐き出していた。

「がっ…はァ!この俺がグレイごときに血を流すなど…」

グレイから距離を取ったリオンはヨロめきながら壁に手を付ける。


「あってはならんのだ!!!


アイスメイク“白竜スノードラゴン”!」

片手で造形された白竜がグレイを襲う。

「無駄な魔力は使わせんでほしいな…
俺はこの後、デリオラとの1戦が控えてるんでな」

互いに息を切らしながら会話をする。


「させる…かよ…」

「どうあがいたところでデリオラは間もなく復活する。
もう誰にも止められんぞ…」

絶対に止めてやるんだとグレイは再び立ち上がろうとする。
この間にもザルティは月のムーンドリップの儀式をしているんだ、
とリオンは言うが。


「リンとナツをナメんなよ」



リン、ナツ。
2人は1度、見失ったザルティを再び見つけていた。
ナツが取り敢えず燃えとけ、とザルティに突っ込んで行く。

「なぜここがおわかりに?」

ザルティは儀式の場所ではなく、デリオラの前へ来ていた。


「俺は鼻がいいんだよ。ちなみにオマエは女の香水のニオイだ」

ザルティはデリオラを復活させなければならないんだ、と言う。
それに対してナツは自信を持って無理だと言った。
グレイがリオンをぶっ飛ばし、ナツとリンがザルティをぶっ飛ばすからだ、と。


「そうでしょうかねぇ?」

ザルティがチラッとデリオラの方を向く。
それに釣られ、リンやナツもデリオラの方を向くと
紫色の光がデリオラを照らしていた。

「誰かが上で儀式やってんのか!?」

たった1人では月の雫の効果は弱い。
だが実はすでに十分な量の月の光が集まっていた。

「後はキッカケさえ与えてあげれば……ホラ…」


“ビチャ”と音をたて、デリオラが溶けて行く。
リンはそれをただ冷静に見つめていた。

ナツが頂上へ向かおうとするとザルティが足元を崩し転ばせる。

「私を追ってきたのはミスでしたね、火竜サラマンダーくん」



「……そうだな。きっと今から行っても間に合わねぇ。
こいつぶっ倒すぞ、ナツ!」

「おまえに言われるまでもねぇよ、リン!!」

2人はザルティを見据えてから動き出す。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.32 )
日時: 2014/12/01 21:49
名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)


ナツが始めに殴りに行き、後ろによけたザルティをリンが狙う。

「よいのですかな?こんな状態で火の魔法など」

ザルティはリンの攻撃を防いだ。


「火の魔法で氷が溶けたら苦労しねーだろ?」

「はやいとこ、おまえぶっ倒さないとな」


「ほっほぉーぅ。戦場での頭の回転の早さと柔軟さには驚かされますなぁ」



リオン、グレイ。
こちらでは“ゴゴゴ”と言う音をたて遺跡が震えているのに気付いていた。
リオンはデリオラの氷が溶けはじめている、と答える。

「俺はこの時をどれだけ待っていた事か。
10年間、仲間を集め知識を集めのうやくこの島のことを知った」


月の光を集める島、ガルナ。
リオンが片手を上へ上げる動作をするとグレイの足元から、
氷の刃が飛び出しグレイにもろに当たる。

リオン達はブラーゴからデリオラを運び出した。
それが3年前。

グレイはその氷を相殺してから言う。
こんなくだらない事を3年間もやっていたのか、と。


「この10年間ギルドで道楽してた奴がよく言えたものだな!!!」

次に手を下へ下げる動作をするリオン。
グレイの頭上から氷の塊が現れグレイを攻撃する。

グレイはウルの言葉を信じただけだと言い放つ。
西へ行けばウルより強い魔導師は山ほどいる。
そこでたどり着いたのが妖精の尻尾だ。
確かにすごい魔導師が山ほどいた。

マスターマカロフに出会い、絶対氷結は溶かすことの出来ない氷だと教わる。
1つだけ手がないことはない。
しかしそれはウルを殺すに等しい行為。

「まさかそんなウルを殺すような事を兄弟子がやってたと思うとガッカリだよ」

「何とでも言うがいい…俺はこの日の為に生きてきた」

ウルが死んだ今、どうすればウルを超えられるのか。
答えは簡単だった。
彼女が唯一倒せなかったデリオラを倒すことで超えることが出来る。


リオンは狼を造形しグレイへ突進させる。
彼はそれをギリギリで避けた。

「何も見えてねえ奴がウルに勝つだと?
100年早ェよ出直してこい!」

グレイが氷の剣を造形し、目の前のリオンを切る。
だがそれは身代わり。
本物は彼の背後に立っていた。


「アイスメイク…“白虎スノータイガー”!!」

グレイはそれに気付き、彼を襲おうとする白虎を牢獄プリズンに閉じ込める。

「これはおまえの姿か、リオン。世界を知らない哀れな猛獣だ」

リオンが牢獄を壊そうとするがその牢獄は壊れない。
片手での造形はバランスが悪い。だから肝心な時に力が出ない。


氷雪砲スノー・キャノン!!」

両手で造り出したグレイのそれはリオンに命中した。

「ウルの教えだろ」


リオンはそのまま床へと倒れる。
グレイが一息すると脇腹の刺された場所から血が溢れ、
急いで氷で固めて止血をする。

その時、“オオオオオ”と言う声が遺跡に響きわたる。


デリオラ近くにいたリンとナツは耳を塞ぎ、
もう半分も溶けてしまったデリオラを見る。

「(ウルさん…)」