二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.33 )
- 日時: 2014/12/04 07:50
- 名前: 紫苑有栖 (ID: CqswN94u)
- プロフ: うるがのこしたもの
第10話「師匠が残した物」
「くっそーもたもたしてらんねぇ」
「もう遅いだろうけどな」
「うるせぇ!止める価値はあんだろ。一気にいくぞ、リン!!!」
はいはい、とリンは言うとザルティを見る。
その近くに浮かんでいた水晶がナツに向かって行くのをみてそれを砕く。
が、すぐに再生し水晶はリンを狙う。
リンは何とか体勢を保ち向かってくる水晶を凍らした。
ザルティがニヤリと笑うと水晶を凍らせてた氷は溶けて水になり蒸発。
それに驚き、現れた水晶に思い切り当たる。
“彼”の魔法は物体の時を操る。
水晶を壊れる前の時間に戻し、リンの氷を蒸発する先の時間へ進めたのだ。
「時!?ありえねぇ!!」
「“時のアーク”は失われた魔法の一種ですからね」
「これじゃあオレの出番、ねーじゃん」
次は水晶の時を未来へ進めましょう、といきなり水晶の早さが上がる。
それはリンとナツを襲い続けた。
ナツは何とか水晶を壊すがすぐに元に戻ってしまう。
再生した水晶を再び壊そうとすると水晶はいきなり止まる。 
「それ…人間には効かねーみてーだな」
正確には生物には効かない。
だからこそウルである絶対氷結の氷も元には戻せない。
ハッキリいってお前らよく分からないとナツは話し出す。
デリオラを復活させてリオンが倒す。
リオンはそれでいいかもしれないが他の奴等には何の得があるのか。
ザルティは最近仲間になったばかりで分からないと言う。
「んじゃオマエでいいよ。本当の目的は何だよ」
ザルティはただ自分のものにしたい、と答えた。
たとえ不死身の怪物であろうと操る術は存在する。
あれほどの力が我がものにできたら楽しそうだと。
ナツは燃えるような目的があるんだと思ったと聞いて損している。
「あなたにはまだわかりますまい。
“力”が必要な時は必ず来るという事が…」
「そん時は自分と仲間の力を信じる。
妖精の尻尾の力をな」
「言うねー、ナツ。
オレも…その期待に答えられるようになりたいよ」
「十分答えてんじゃねーか。どうゆう意味だ?」
「何でもねえよ、」
ザルティが手を天井にかざすとボロボロと瓦礫が落ちてくる。
ナツは足と手に炎をまとい、ザルティに突っ込んで行く。
すぐにザルティの背後を取り、思い切りぶん殴った。
しかしデリオラは復活してしまう。
そのデリオラの声にリンとナツは1度全速力で離れる。
離れた場所にはグレイが立っていた。
「こうなったらやるしかねえ!あいつぶっ倒すぞ!!」
その時、クククと笑い声が聞こえた。
声の元には地面に這いつくばりながら移動するリオンの姿。
ウルを超えるために俺が倒す、と立ち上がろうとする。
「俺は…今…アンタを……超え…る……」
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.34 )
- 日時: 2014/12/04 07:51
- 名前: 紫苑有栖 (ID: CqswN94u)
だが立ち上がったリオンを手刀で倒れさせたグレイ。
もういいよ、と前に出てきたグレイは絶対氷結の構えを取る。
リンがそっと目を閉じてナツがグレイの前に立つ。
「俺はアイツと戦う」
「どけっ邪魔だよ」
「死んでほしくねえからあの時、リンは止めたんだろ。
そのリンの言葉がお前には届かなかったのか?」
やりたきゃやれよ、その魔法。
ナツがそう言うとグレイは魔法を止める。
そしてデリオラは腕を振り上げた。
「よけろォオォー!!!」
「俺は最後まであきらめねェぞ!!!」
そんな状況下でリンは目を開けて一言呟いた。
「もうそろそろ…かな……」
デリオラの腕は振り上げた状態でピタリと止まる。
それから腕や体、顔にヒビが入りデリオラは崩れていく。
「バ…バカな…そんなまさか…デリオラは…すでに死んで…」
ガラガラと崩れていくデリオラ。
「10年間…ウルの氷の中で命を徐々に奪われ……
俺たちは…その最後の瞬間を見ているというのか……」
ガン、と拳を地面に叩きつけるリオン。
「かなわん…俺にはウルを超えられない」
「す…すげーなおまえらの師匠!!」
「あぁ…ウルさんは……命の恩人だから」
“おまえの闇は私が封じよう”
「ありがとうございます…師匠……」
片手で顔を覆い、涙を流すグレイ。
そんなグレイをリンは後ろで笑いながら見守っていた。
ウルの氷は溶けて水になってしまった。
そして海へと流れて行く。
それでもウルは生きているんだとグレイは言った。
エルザ達も遺跡に入ってきて合流する。
フェーリはリンに近付き、欠片となってしまったデリオラを見つめた。
「一時はどうなるかと思いましたけど…
やっぱりデリオラはもう死んでいたんですね」
「あぁ…師匠が残したものが無くなってしまったのは残念だけど。
でも…これのおかげで2人は和解したと思うんだ。
やっぱりすげえよ、」
リオンへ肩を貸すグレイを見ながらリンはそう言った。
「そ、そうだよ!リン!!
てめぇデリオラが既に死んでる事いつから知ってたんだ!?」
エルザから逃げようとしてるのか、ナツは聞いてくる。
「最初にこいつを発見して氷に手をあてた時だ」
「な!それだけで分かったのかよ!」
「………オレを誰だと思ってる?
これでも氷の造形魔道士、ウルさんの弟子だぜ?」
「うっわー何ソレ。すっげえムカつく」
本当にイラついてそうな顔をしているナツにリンは思わず笑う。
エルザ達はその様子を見て呆れていた。