二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.35 )
- 日時: 2015/02/13 12:26
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)
- プロフ: こわされしぎるど
第11話「壊されしギルド」
「いあー!!終わった終わったーっ!!!」
これでS級クエスト達成だと喜ぶナツ。
しかしリンとエルザがまだ終わってないと声をハモらせる。
「やめてくれよ…エルザと声が被るなんて……」
「どうゆう意味だ?」
「いや、何でもない。気にしないでくれ」
ルーシィは、デリオラは倒したし解決したんじゃないかと言う。
だがそれは呪いとはまったく関係ない。
月の雫の膨大な魔力が人々に害を及ぼしただけ。
デリオラが崩壊したといって事態が改善する訳がない。
「んじゃとっとと治してやっかー!」
「あいさー!!!」
ナツは前向きにそう言うがどうすれば呪いが解けるかはハッキリしない。
リオンなら分かるかも知れないと思ったがそれもはずれた。
村には一切関係することはなく、遺跡に来ることもなかった、と。
人体の影響にも少し疑問が残る。
3年間、彼も同じ光を浴び続けていたのだ。
「気を付けな。奴等は何かを隠してる。
ま…ここからはギルドの仕事だろ」
行くぞ、とエルザの声に遺跡から出ていく一同。
去り際にグレイがリオンにどこかのギルドに入れよと勧誘していた。
「そうだ、リン!」
リオンがリンの名前を呼ぶ。
それにリンは振り返った。
「前よりずっと、感情豊かになったな」
「!! ………そりゃどうも」
ふっとリンが笑う。
村の資材置き場
「あれ?誰もいない」
資材置き場には人の様子はなく。
フェーリとハッピーが資材置き場を見渡して来るが誰もいなかったらしい。
「皆さん!戻りましたか!?た…大変なんです!!
と…とにかく村まで急いでください!!!」
村人の言う通り、村まで行くとそこは元通りになっていた。
昨日までボロボロだったのがすっかりなおっているのだ。
リンとフェーリはあたりを歩き見る。
「……そうか、ボボの墓も戻ったんだな」
墓の前に座る村長の姿を見てリンは呟いた。
それに気付いたのか、村長はリンを睨む。
「村を元に戻してくれたのはあなた方ですかな?」
「いや…」
「それについては感謝します。
しかし!!!魔道士どの!
一体…いつになったら月を壊してくれるんですかな!!!」
その村長の喧騒に押されながらもリンは答える。
「もうこの際だから言うがエルザがいるなら月を壊すのは簡単だ」
「オイ…リンが滅茶苦茶な事言ってねーか?」
「あい!」
会話を聞いていたのか、グレイがそう言うとハッピーが返事をした。
「ただ、その前に確認したいことがあるんだ。
皆を集めてくれるか」
「! …分かったんですか?リン」
「あぁ。ほぼ確定だと思うぜ。エルザ、説明は任せたからな。
お前も分かってんだろ?」
突然近くにいたエルザに話を振るリン。
「大体分かってはいるが…何故私なんだ?
リンが説明すればいいじゃないか」
「…めんどくさい。何よりオレ、説明下手だから!」
ぐっと親指を立て、全てをエルザに託したリン。
その様子にエルザは他には何も言わないでいた。
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.36 )
- 日時: 2014/12/06 16:55
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)
皆が集まったのは門前。
その先頭にエルザは立ち、情報の整理から始めた。
村人たちは紫の月が出てから悪魔の姿になってしまった。
話をまとめるとそれは3年前から。
しかしこの島では3年間、
毎日月の雫が行われていた。
遺跡には一筋の光が毎日のように見えていたはず。
つまり、この島で一番怪しい場所だ。
ルーシィが作った落とし穴まで復活していたらしく、
その穴に「きゃあ」と声を出し落ちるエルザ。
グレイとナツ、ハッピーは顔を赤らめさせ、ルーシィは耳を塞ぐ。
リンがそれを見て笑い、フェーリがただ呆然と見る。
「なぜ調査しなかったのだ」
何事もなかったかのように、落とし穴からはい上がってきたエルザ。
「そ…それは村の言い伝えであの遺跡には近付いてはならんと…」
でもそんなこと言っている場合ではない。
死人も出てるしギルドへの報酬も高いのだ。
「本当のことを話してくれないか?」
村長は何かを決心して言う。
正直、あの遺跡は何度も調査しようとした。
しかし遺跡に向かって歩いても気がつけば村の門。
「我々は遺跡に近づけないのです」
「やはり…か」
「予想通りだな」
エルザは換装し、ナツについてこいと言う。
「今からあの月を破壊する。そして皆を元に戻そう」
高い所へ登ったエルザとナツは月を見上げる。
エルザが換装しているのは巨人の鎧。
投擲力を上げる効果を持つ。
次に闇を退ける破邪の槍を出した。
ナツが石突きを思い切り殴り、その火力で月まで届かせるというのだ。
エルザは槍を月に向け、名前を呼ぶ。
名前を呼ばれたナツはすぐさま拳に炎を灯し石突きを殴った。
それは見事、月へと激突する。
“パキィン”と音をたて、割れたのは月ではなく膜。
膜が壊れた向こうの月は元の色に戻っていた。
膜の欠片がキラキラと舞い落ちる。
しかし、村人達の姿は元に戻らない。
「元に戻らねえのか……?」
グレイの疑問にリンが答える。
「これで元通りだよ。
あの膜は姿ではなく記憶をおかしくしていたんだ」
「記憶?」
「あぁ。“夜になると悪魔になってしまう”そういった間違った記憶」
まさか、とルーシィに悪寒が走る。
「村の人達は元々、悪魔だったんだよ」
答えが分かっていなかったグレイ達が驚く。
村人たちは人間に化ける能力を持っていた。
その化けてる姿を本来の姿だと勘違いしたのだ。
リオン達に影響がなかったのは人間だから。
「さすがだ…君たちにまかせてよかった。
魔導士さん。ありがとう」
出て来たのはあの船乗り、ボボの姿だ。
自分たちが人間だと思い込んでいる彼らが怖くて村を逃げ出した、と。
船から突然、姿を消したのは彼には羽があったから。
村長が涙を流し息子の名前を呼び、宙へ飛んだボボに飛びよる。
そのあとに続き、他の村人も空へ飛んで行く。
「ふふ…悪魔の島……か」
エルザが空を見上げそう言う。
後にナツやルーシィ達も上空を見上げ笑う。
「でもよ…みんなの顔見てっと…悪魔ってより天使みてーだな」
+++
翌日、リン達はエルザが用意したという海賊船にてガルナ島を後にした。
今回の件は正式に受理された依頼ではない。
その為、報酬は黄道十二門の鍵が1つだけ。
得したのはルーシィのみ。
今回貰ったのは人馬宮のサジタリウスらしい。
「さて…さっそくだがギルドに戻っておまえたちの処分を決定する」
エルザは今回の件、概ね海容してもいいと思っている。
しかし判断を下すのはマスターマカロフ。
「私は弁護するつもりはない。それなりの罰は覚悟しておけ」
「まさか“アレ”をやらされるんじゃ!!?」
「ちょっと待て!“アレ”だけはもう二度とやりたくねえ!!!」
「“アレ”をオレもくらう事になる日が来るなんて…」
「“アレ”って何ー!!?」
ハッピー、グレイ、リン、ルーシィがそれぞれの反応を示す。
ナツはルーシィにポジティブに話かけるがエルザの「ほぼ決定だろう」、
の言葉に逃げ出そうとするがすぐに捕まり、引きずられて行く。
その時、リン達の姿を見るなり周りの人らがひそひそと話し出す。
「何だ…?ギルドの様子がおかしい……」
妖精の尻尾ギルド。
そこにはいくつもの鉄柱が刺さり、ズタボロにされてた。
「何があったというのだ…」
「ファントム。
悔しいけど……やられちゃったの………」
ギルドから出てきたミラはそう言った。
*
やっとデリオラ編終了ですね。