二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.5 )
- 日時: 2014/10/01 20:48
- 名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
- プロフ: だんそうのきっかけ
第1話「男装のきっかけ」
「逃がすなよ!さっさと捕まえろッ!!」
さんさんと暗闇に雪が降り積もる中、幼い1人と1匹は走っていた。
「リン魔法は…!」
「もう使えない。これ以上は…、」
1匹は後ろを1度振り向き覚悟した上で伝える。
「私が囮になりましょう。リンはその間に…」
「…フェーリだってもう魔力は少ないでしょ!!」
「っ…」
1人と1匹を追いかける者は多数。
それらを捕まえる為にそれぞれが魔法を繰り出す。
リンと呼ばれた1人とフェーリと呼ばれた1匹は、
魔法をギリギリ避けながらも走り続けていた。
「大丈夫だよ、フェーリ。
すぐに…すぐにあいつらから逃げられる」
「…、リン?」
「フェーリ、翼は?」
「…使えても10分程度でしょう……」
「十分だよ、合図をしたら飛んで」
しかし、こんな状況で飛んでも逆に的にされるだけ。
それを伝えようとしたフェーリだが
瞬間、後ろから聞こえてきたのは爆発音。
追い掛けて来ていた者たちはその突然の爆発に巻き込まれ足止めをくらう。
「フェーリッ」
呼ばれたフェーリはすぐに翼を出し、リンを掴み飛び出した。
「あれは…?」
「“ギルド”の倉庫から爆弾をすってきた」
「! …いつの間に……」
「でもあれは最終手段。いつまで足止め出来るか分からないよ」
「分かりました。急ぎましょう」
フェーリは先ほどよりもスピードを上げた。
+++
“「毒花の住処(プラントテ-ナメント)」活動激減。
世間を騒がせていた闇ギルド、毒花の住処の活動の勢いが減った。
評議員はメンバーが減った為、と推測し近々乗り込むつもりでいるらしい。
なお、以降の写真に心当たりがある者はすぐに評議員へ連絡を”
記事にはそんなことが書かれていた。
そこには幼い少女の姿。
前々から毒花の住処(プラントテ-ナメント)では有名な少女だ。
マスターを抜いてギルド最強だ、という噂も。
一番下の方には「毒花の住処(プラントテ-ナメント)」の紋章が描かれている。
「こんな幼い少女がね…殺人か……」
闇ギルドにしては珍しく正式なギルド並に知名度がある。
知名度があるということはそれほど評議員に勝てるという自信があるのだ。
実際、今まで捕まっていないということは連勝している、
ということなのだが。
「ウル!助けてくれよ!!」
扉越しに聞こえて来た声。
ウルと呼ばれた女性は読んでいた記事を机に置き、立ち上がった。
「どうしたんだ、リオン」
扉を開けると目の前にいたのは幼い少年、リオンの姿。
リオンは幼い少女…それこそついさっき記事で見た少女、リンをおぶっていた。
意識はないが息はしているようだ。
「そこのネコが助けてくれって…」
リオンの後ろにいるのは1匹のトラ模様のネコ、フェーリの姿。
助けるか否か。
意識はないようだしこのまま評議員へ送りつけるのだって可能なこと。
でもウルはそうしなかった。