二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.54 )
日時: 2015/01/01 20:18
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)


「こりぁまた…ハデにやられたのう……」

「あ…あの…マスター……」

ルーシィはマスターへ近付き話し掛ける。

「んー?おまえもずいぶん大変な目にあったのう」


その言葉に顔を俯かせる。
そんなルーシィに声をかける声。

それはレビィのものだった。
意識が戻り、ジェットとドロイ、リーダスとともに歩いてきたのだろう。
心配かけてごめん、とレビィは謝る。

ルーシィは自分のせいだと言うが。

「話は聞いたけど誰もルーちゃんのせいだなんて思ってないんだよ」

「俺…役に立てなくて…あの、あの……ゴメン…」

リーダスの言葉にルーシィは顔を横に振る。
マカロフは彼女の名前を呼んだ。

楽しい事も悲しい事も全てとまではいかないが。
ある程度は共有できる。それがギルド。

1人の幸せはみんなの幸せ。
1人の怒りはみんなの怒り。
そして1人の涙はみんなの涙。

自責の念にかられる必要はない。
君にはみんなの心が届いてるハズ。

「顔をあげなさい。君は妖精の尻尾の一員なんだから」

ルーシィは顔を上げ、泣き声をあげて涙を流す。
それを見守るようにみんなは笑っていた。


ファントムとの戦いが終わって1週間。

評議院の軍隊であるルーンナイトに取り囲まれ、
事情聴取の為、軍の駐屯地に連行されたりはあったが大分落ち着いてきた。

妖精の尻尾に対する処分は評議会の後、後日下されるらしい。




リン、グレイの家。

そろそろ外へ出ようとするリンをグレイは引き留めた。

「なぁリン。ここ1週間、忙しくて聞けなかったけど…
マスター・ジョゼと戦った時に使ったあの魔法……」

フェーリがハッとしてリンを見上げる。
リンは振り返らずに黙る。
伝えられる言葉を探していた。

「それに軍の事情聴取の時、変に気ィ張ってたろ?
何かやばいモンでも隠してるてか…そんな感じでさ」


「(グレイは勘が鋭いからな…)」

ため息を1つついて目を閉じるリン

「…そうだな。オレはたくさんの隠し事してる。
だけどまだ話せそうにない…ごめん」


「まぁ、気にしねーけど…」

「だけどいつか話さなきゃいけないと思ってる。
その時まで待ってて欲しいんだよ、グレイ」

目を開けてグレイの方へ向き直り、ふっと笑う。
その笑顔に彼は思わず固まった。


リンはこれだけは話といてやる、と思い出したように話始める。

あのジョゼに使った魔法。
副作用付きで使い過ぎると体が氷みたいに固まって動けなくなるんだよ、と。

「って聞いてるか?グレイ」

「! お、おぅ!」


「?」

「なんでもねーよ!ほ、ほらギルドの修復手伝いに行こうぜ」

キョドっているグレイを不思議に思いながら2人と1匹は外に出た。


「(一瞬、女に見えたなんてゼッテー言えねぇ)」

グレイの後ろを歩くフェーリは、何かを察したのかクスリと笑う。



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フェーリはきっと読心術の持ち主です。
みなさま、あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。