二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.66 )
- 日時: 2015/01/08 18:58
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)
- プロフ: ずっとしんじてた
>>63の「リンを背負う女性」を「リンを背負う目隠しをした女性」に変更致しました。
申し訳ない。
第21話「ずっと信じてた」
「ナツー!グレーイ!!」
ミリアーナの管から脱出したルーシィが2人を探す。
やっとグレイの姿を見つけたルーシィだが、体は冷たく棒のようなものが胸に突き刺さっていた。
どうしようと焦るルーシィが彼の体を起こそうとすると、
彼は“パキパキ”と音を立てて氷のように粉々に。
「きゃあああっ!!!」
「安心してください」
「あ…あんたは!?」
床から出てきたのはジュビアの姿。
水となって床と同化していたらしい。グレイも一緒だ。
「突然の暗闇だったからな。身代わり造って様子を見ようと思ったんだが…」
「敵にバレないようにジュビアが水流拘束でグレイ様をお守りしたのです」
「余計な事しやがって!逃がしちまったじゃねーか」
喜んで貰えると思ってとった行動が否定され落ち込むジュビア。
「それよりリンとナツ、エルザは?」
「ナツは分かんない。エルザとリンは……」
その時、ドゴォと炎の渦が巻上がる。
飛び出してきたのはナツだ。
口の中に思い切り鉛玉をぶちこまれたらしい。
「あんの四角野郎ォオ、逃がすかコラァアアー!!!」
ナツが走り出しそのあとをグレイ達が着いていく。
勢いに任せて海の上。
運良く小舟が用意してあったらしい。
それに乗って来てみたはいいがナツは乗り物酔いでダウン。
本当にこっちであってるのかと不安になる一同。
「くそっ俺たちがのされている間にリンとフェーリ、
エルザとハッピーまで連れていかれるなんてヨ。
まったく…情けねぇ話だ」
「本当ですね…
エルザさんやリン様ほどの魔道士がやられてしまうなんて…」
「やられてねえよ、エルザの事知りもしねえくせに…俺の幼馴染みもなめんなよ」
声を荒らげるグレイにジュビアは思わず怯む。
ルーシィは落ち着いて、と声を掛けた。
「あいつらエルザの昔の仲間って言ってた。
あたしたちだってエルザの事、ぜんぜん分かってないよ…
それにリンも連れていかれたなら無関係じゃないと思うんだ……」
みんなが何かを考える中、遠くに塔が見えて来た。
それこそ“楽園の塔”
エルザ達が連れていかれた所で間違いないだろう。
何とか塔の地下までたどり着いたのはいいがすぐに敵に見つかってしまった。
その敵を全滅させ、1階への扉が開く。
罠かとも思ったが今は進むしかない。
もう侵入しているのがバレていると考え進む。
侵入者だと走ってくる敵。
一掃しようとするグレイ達だが、逆に誰かに倒されてゆく。
倒していったのはエルザだった。
「お…おまえたちがなぜ、ここに………」
あの四角野郎だけは逃がしておけねぇとナツは言う。
エルザは帰れと突き放した。
だが、ハッピーやフェーリ。
リンまでもが捕まっている。今ここで帰る訳には行かない。
「リンとハッピー達が?もしかするとハッピー達はミリアーナが…
しかし、リンは?(生け贄は私だけで十分なはずだ…何故)」
「そいつはどこだ!!!」
エルザはさあな、と答える。
ナツはそれだけで分かった、とすぐに駆けていく。
その後をルーシィ達も追おうとしたがエルザは止めた。
4人は責任を持って連れて帰る。今すぐここを離れろ、と。
これは私の問題。
グレイ達も巻き込みたくないという。しかし、もう十分に巻き込まれている。
ルーシィがどんな時でもエルザの味方だと言うが帰れと維持を張る。
「俺たちは、力を貸す。
おまえにだってたまには怖ぇと思う時があってもいいじゃねーか」
そう言ったグレイに向き直るエルザ。
彼女の目には涙が溜まっていた。
「この戦い…勝とうが負けようが私は表の世界から姿を消す事になる……
これは抗う事のできない未来。だから…
だから私が存在しているうちにすべてを話しておこう」
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.67 )
- 日時: 2015/01/09 21:18
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)
この塔の名は楽園の塔。別名、“Rシステム”
10年以上前。
黒魔術を信仰する魔法教団が“死者を蘇らす魔法”の塔を建設しようとしていた。
政府も魔法評議会も非公認の建設だった為、
各地からさらってきた人々を奴隷としてこの塔の建設にあたらせた。
幼かったエルザもここで働かされていた1人。
その時、ジェラールと知り合った。
過去のことを話し出すエルザ。
ジェラールが独房へ入れられ、何度も痛めつけられていた。
彼を助けようとエルザを筆頭に立ち上がり、塔の人を倒して行く。
犠牲者は出たが、エルザは魔法を使えるようになり闘いに勝った。
だが…ジェラールを助け、島から逃げ出そうとする時…まるで人が変わっていた。
楽園の塔を完成させ、ゼレフを蘇らせると。
逃げたければ逃げればいい。エルザだけで。
他の仲間たちは全員、塔の建設をさせる。
ジェラールは、そう言ってエルザだけを逃がしたのだ。
楽園の塔に近付けば1人ずつ殺して行く、と。
「私は……ジェラールと戦うんだ…」
「ちょっと待てよエルザ…話しの中に出てきたゼレフって…」
魔法界の歴史上、最凶最悪と言われた伝説の黒魔道士。
呪歌やデリオラもゼレフ書の悪魔の一体。
ゼレフとはそれほど恐ろしい魔物を、簡単に造り出すことが出来るほどの魔力を持っている。
ジェラールはそのゼレフを復活させようとしているのだ。
動機は分からない。
かつての仲間たちの話ではゼレフ復活の暁には、
“楽園”にて支配者になれるとか。
ルーシィはそのかつての仲間たちのことについてふに落ちない、と言う。
あいつらはエルザのことを裏切り者と言っていたけど、
裏切ったのはジェラールなんじゃないのかと。
「私は8年も彼等を放置した。裏切ったことに変わりはない」
エルザは私がジェラールを倒せば終わるんだ、と言う。
その時、近づいてくる1人の男性…ショウだ。
その話は本当のことなのか、と。
俺にはジェラールの言葉だけが救いだった。
だから楽園の塔を完成させた。
「正しいのは姉さんで間違っているのはジェラールだと言うのか!!?」
そうだ、と言ったのはシモンだった。
シモンは初めからずっとエルザの事を信じていた、と。
「ずっとこの時を待っていたんだ。強大な魔道士がここに集うこの時を。
ジェラールと戦うんだ。俺たちの力を合わせて。
まずは火竜とウォーリー達が激突するのを防がねば」