二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.79 )
日時: 2015/01/19 07:37
名前: 紫苑有栖 (ID: 9AGFDH0G)

第26話「世界への旅立ち」

エルザも無事に助け出した後、リン達は宿を取って休んでいた。
ナツはエーテリオンを食べたせいなのか、3日間ずっと眠っている。

妖精の尻尾フェアリーテイルに入りたいと言っていたジュビアは、
いちはやくギルドの方へ向かったらしい。


「つーかエルザ…オマエは寝てなくていいんかよ?」

「ん…見かけほどたいしたケガではない。
エーテリオンの渦の中で組織レベルに分解される前にリンに助けられたみたいだからな」

そのリンはベットの上にてうつ伏せになっていた。

「リンはまだ気持ち悪いの治らないの?」


そんなリンにルーシィは聞く。

「いや、もう大分よくなったぜ?」

「確かメイデルって奴が言うにはその行き場を亡くしたエーテリオンの魔力を、
自分のトコに行くよう仕向けたんだっけ?」

「そんな感じ」



「しかしまぁ、いつからそんなことが出来るようになったんだよ。リン」

「(最初から…とはいえねぇよなぁ……)」


「同じような事してんのにくたばってるマヌケとはエライ違いだ」

グレイがそう言うとナツがいきなり起き上がる。
だが、からむことより眠気が勝ったのかすぐ寝てしまった。
そんな様子のナツに部屋中に笑いが木霊する。







「そうだ、エルザ。メイデルから聞いたんだが。
ジェラールは何者かに操られていたのかも知れない、だと」

夕食を食べに移動する前の事だ。
みんなの後ろを歩くエルザにリンは言う。
ナツもやっとまともに起きている。

「そうか…やっぱりそんな気はしていたんだ」

「………ふーん。まぁそれだけだから。あー、腹減った。メイデル達も呼んであるんだっけ?」


腕を頭の上で組み、少し足を早め歩いていくリン。
食事の会場には既にメイデル達は集まっていて。
リンがすぐにメイデルの隣へ座る。

「リン達遅いの!」

「ごめんごめん、メイデル」


その日の夜は盛り上がった。
誰もがはしゃぎハメをはずしていた。



+++

「外の世界ってすごいな…夜だってのにこんなに人が出歩いているのか」

「今日はきっと特別な日…お祭りの日なの」

ショウの隣で歩くメイデルは言う。


「お祭り…?」

「なにしてやがる!!てめぇ!!!」

怒声が聞こえてそちらを見る2人。
そこにはミリアーナが屋台の食べ物を食べてしまった姿があった。
ショウは急いで走りミリアーナの手を握り逃げ出す。
その後をメイデルたちも追った。

「追いかけてくる!私の魔法で…」

「駄目なの、ミリアーナ。外の世界で生きていくなら無闇に魔法を使っちゃ駄目なの」


ミリアーナとウォーリーがかなしげな顔をする。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.80 )
日時: 2015/01/20 18:44
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)


浜辺についた4人は用意してある小舟に近付いた。



「本当に俺達やっていけるのかナ。外の世界でヨ」

「みゃあ」

「やっていけるかじゃないよ!やっていかなきゃ」

「私も教えられる範囲で教えるの。大丈夫」

そう言ったメイデルにミリアーナが顔を覗く。


「メイデルはせっかく再開した友達と一緒じゃなくていいの?」

「! …大丈夫なの。私はミリアーナに着いていく」


「よし、行こう!姉さんたちが俺たちに気付く前に出発するんだ」

ミリアーナとメイデルが小舟に乗り込み、ショウとウォーリーがその小舟を船へと押し出す。
だけど出発する前にエルザは来てしまった。


ウォーリーはこれは自分達で決めた事だから止めても無駄だという。
その言葉にショウは続ける。

分からない事や不安な事でいっぱいだけど自分たちの目でこの外の世界を見てみたい。
もう誰かの為に生きていくのはイヤだし、誰かの為に生きていくのもごめんだ。
これからは自分自身の為に生きてやりたい事は自分の手で見つけたい。


「それが俺たちの自由なんだ」

エルザはそれを聞いて安心した、と笑う。

「だが妖精の尻尾を抜ける者には3つの掟を伝えねばならない。心して聞け」


鎧へと換装し、4人へ伝える。

「1つ!妖精の尻尾の不利益になる情報は生涯他言してはならない!

2つ!過去の依頼者に濫りに接触し個人的な利益を生んではならない!

3つ!!たとえ道は違えど強く……力のかぎり生きなければならない!!
決して自らの命を小さなものとして見てはならない!!!」

エルザが本当に伝えたかったのはきっと最後の言葉なのだろう。
涙を流して最後の言葉を叫ぶ。

「愛した友の事を生涯忘れてはならない!!!」

その言葉に、またウォーリー達3人が涙を流す。
メイデルの口元はにわかに笑っていた。


「妖精の尻尾式壮行会!始めェ!!!」

エルザの合図がかかりナツを最初に炎の魔法で花火を打ち上げる。
その後に続き、グレイ、リン、ルーシィも空へ花を咲かせた。



「リン!次に会える日を楽しみにしてるの」


「あぁ…。次に会うときは普通に会おうな、メイデル」