二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.82 )
日時: 2015/01/23 07:01
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

第28話「包むは不穏な雷」

「完成したのか!?新しい妖精の尻尾フェアリーテイル!!!」

5人と2匹の目の前には前よりも大きくなった妖精の尻尾ギルド。
入口にはオープンカフェがあったりグッズショップがあったり。
中も少し広くなり綺麗になっている。

更には酒場の奥にプール、地下には遊戯場、そして1番変わったのは2階だ。
誰でも2階に上がってもいいことになったのだ。


「へぇ、じゃあオレも上がれるんだ」

「そうよ」

リンの呟きにカナが答える。
その時、疑問に思ったルーシィがリンに問う。

「? リンはS級魔道士なんじゃないの?」


「オレなんかがS級だったらグレイ達もそうだろ?」

「でも…あのファントムのマスターとほぼ互角に戦ったって聞いたからつい…」


「なるほどね。まぁどちらにせよオレは“タブー”だからS級にはなれねぇよ」

「え?」

こちらにマカロフが近付いて来てるのを見つけたリンが今の話は誰にもいうなよ、と話を切り上げた。
ルーシィの頭の上には「?」が浮かんだままだ。


「帰ってきたかバカタレども」

マカロフが近付いて来たのは新メンバーを紹介する為だったらしい。
ジュビアが挨拶をする。
その後、続けて紹介されたのはガジルの存在。
どうやら彼も妖精の尻尾に入ったらしい。

彼も根はいい奴なんだと信じたいとマカロフは言った。


しばらくするとギルド内は暗くなり、ステージがライトアップされる。
そこにいたのはバラードを歌うミラの姿。
しかし、滅竜魔道士2人が暴れだしそれが連鎖してギルド内に乱闘が起こり始めた。

結局いつもと変わらないこの光景にギルド中のみんなが笑う。


翌日、ギルドに取材が来ててんやわんやといつもより騒がしい事になり、
妖精の尻尾の名を更に悪名高くする結果になってしまった。


+++


「うーん…あたし1人で行けそーな仕事あるかなー」

クエストボードの前、ルーシィは1人で依頼内容を確かめていた。

「1人?ナツやグレイたちと一緒に行かねーのか」

「それがねー」

隣にいたナブがルーシィの呟きに反応した。
その疑問にルーシィは何故1人なのかという状況を説明する。


まず、グレイはジュビアの面倒を見なくてはいけないらしく2人で仕事へ。
リンは何かむしゃくしゃすると言ってフェーリと2人で暴れられる仕事へ。
エルザは新しい鎧に不具合があった、と抗議へ。

「ナツがいるだろ?」

その肝心のナツは今頃になってエーテリオンを食べた副作用が出たのかくらくらしている。
あれは当分仕事はムリそうだなとナブも納得。

「でもねっ!何か仕事行かないと今月の家賃払えないのよォー、ナブ手伝って!!」

「俺はやめとくよ。自分にしかできねぇ仕事をずっと探してんだ」

何それ…と、言ったルーシィは再びリクエストボードへと目を向けた。
そして見つけたのは“子供向け魔法教室の先生募集”と書かれた仕事。
これなら、と取ろうと思ったルーシィだがガジルに先に取られてしまう。
何とか抗議しようとするが…。

「どんな仕事やろうが俺の勝手だろーが。はりつけんぞバニーガールさんよォ」

とのガジルの言葉にルーシィは悔しい、と地団駄を踏む。
ナツに何か言ってやってと頼むがナツは調子が悪いと帰ってしまった。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.83 )
日時: 2015/01/25 17:12
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)


「こんな所に呼び出して何のつもりよォ俺ぁこれから仕事なんだヨ」


仕事に行こうとしていたガジル。
しかしジェットとドロイが彼を呼び出し勝負を挑んでいた。
同じチームであるレビィも木の影に隠れている。
やられたままでは妖精の尻尾の名折れだと。

「余裕かましてられんのも今のウチだぜ!!!」

走り始めたのはジェットだ。
己の魔法である神速ハイスピードで一瞬の内にガジルの目の前まで行き殴り付ける。
次にドロイがガジルの近くに種を撒き、
そこからドロイの魔法、植物プラント魔法で攻撃。
暇を与えず、ジェットも彼に攻撃を加えた。

しかしガジルは動こうとしない。
避けることさえもしなかった。

「これは何のイジメだ?あ?」

そこへやってきたのはラクサスの姿。
こいつ(ガジル)がギルドに上等かましてくれたガキか、と連続して雷での攻撃を与えていく。

それでも彼は動かない。攻撃を受け続けていた。
妖精の尻尾の仲間だと認めて欲しいから…と。


それに気付いたジェット達はもうやめろ、とラクサスに制止をかける。

「うるせえよ!ザコは黙ってろや!!」

ジェット達に向けた攻撃がレビィに当たろうとする。


「アイスメイク…シールド

しかし当たる直後、雪の結晶を形どった氷の盾がレビィを守った。

「大丈夫か?レビィ。間に合ってよかった」

「リン…」


レビィの前に立つのは仕事から帰って来たばかりなのであろうリンの姿。
ガジルはそれを見て仕事があるんだとフラつきながら歩いて行ってしまった。

ラクサスもまた何も言わずに何処かへと去って行く。

「ラクサス帰って来たのか…」

「何か不穏な空気ですね」

「そうだな…収穫祭も近付いてきてる。何もなければいいが……」

リンとフェーリは去っていくラクサスの姿を見つめていた。
姿が見えなくなった所で、リンは3人を見る。


「…詳しい事は聞かねーよ。ただ、守りたい奴がいるなら後先の事を考えて行動しろ」

冷たくそう言ってからリンはギルドへの道を歩いて行った。