二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.86 )
日時: 2015/02/03 08:13
名前: 紫苑有栖 (ID: v2BiiJyf)

第30話「静かなる怒りを」

「チッ…リンが外に出れねーのは何故か知らないがこうなった以上、俺達がやるしかねえな」

グレイはギルドから離れて走り出す。


「あんたの孫だろうが容赦はしねえ。ラクサスをやる!!!」

「フェーリ、グレイの援護に行ってやれ」

「分かりました。」

走り出したグレイの後ろをフェーリが翼を広げ追い掛けて行った。
リンは石化してしまった石像達の前に立つ。
考える途中でリーダスが物陰が出て来て怖くて行けなかった事を告げられる。
マカロフはそんなリーダスにポーリュシカの所へ行くように任された。


「ごあーっ!!!」

その時、ナツがいきなり起き上がる。
状況を理解していないらしくキョロキョロと周りを見渡した。

「祭りは始まった!ラクサスはこの街の中におる!倒してこんかい!!」

「おっしゃああああっ!!!」

待ってろラクサス、と走り出したナツだが彼もギルドの出入り口で見えない壁にぶつかる。
その姿を見たギルドに残っていた者が驚きの顔をする。
あくまでルールは80歳以上の者と石像の出入りを禁止、だ。


「これは実年齢とかの問題じゃねーな」

「リン!お前も出れなかったのか!どうなってんだよコレ!?年齢の問題じゃねぇって…
じゃあ体質か?俺達も何処か石化してたりすんのか!?」


「落ち着けよ、ナツ。まだ確信を持てた訳じゃねえけど考えられんのは1つだ。“魔法の年齢”」

太古の魔法エンシェント・スペルである滅竜魔法や失われた魔法ロストマジックである滅神魔法。
どちらも古くに存在し最低でも80年以上の歴史は流れているだろう。

「…でもそうするとリンは外に出られるんじゃねーのか?グレイが外に出られたんだろ?」

「!(しまった…やっちまった)…あぁ、うん。だから言ったろ?確信を持てた訳じゃねぇって」

軽く冷や汗を流すリンは横目でマカロフの方を見る。
視線に気付いたらしいマカロフは困ったのぅという顔をして頬をポリポリと指で痒いた。


「っと、壁に違う文字が浮かび上がってんぞ」

リンがそう言うと一同の視線は見えない壁へと向かう。


“バトル・オブ・フェアリーテイル、途中経過速報。
ジェット vs. ドロイ vs. アルザック………勝者アルザック

ジェットとドロイ戦闘不能。
妖精の尻尾フェアリーテイル残り人数82人”


何故、仲間同士で争っているのか。

その後も、ギルドの仲間達が戦闘となる中継がされる。
あっという間に人数は半分に減ってしまった。
ナツはそれでもラクサスはギルドの仲間だろ、とマカロフに笑ってみせる。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.87 )
日時: 2015/02/04 15:42
名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)


グレイ、フェーリ。

「お!!グレイ発見ー!!」

「グレーだ」「グレーだ」

現れた影の周りにいる小さなトーテムポールの一部分らしきものがオウム返しする。

「ビックスロー」

服屋の店内にて見つけたのはラクサスではなくビックスローだ。
彼はケラケラと笑う。

「よォ遊ぼーぜぇ」

グレイ達の前に現れたビックスローは早速、攻撃を仕掛ける。
店内にいた客達は逃げ出し、店の中は荒れる。
フェーリはネコの姿から狼の姿へ変わり、ビックスローを襲う。

「うぉっと。お前、戦えたのかよー」

「私はハッピーとは違いますからね」


彼はギリギリで避けてフェーリにも攻撃を。
トーテムポールの一部分らしきものはフェーリに攻撃しビックスローはグレイに足掛けをする。
グレイはそれを飛んでよけた。
それを狙ったのかビックスローは命令を出す。

「ラインフォーメーション!!」

命令を出された塊達はフェーリへの攻撃をやめ、縦に並び縦長の波動をグレイへ打ち出す。
しかしその攻撃はグレイではなく近くにあったマネキンへと当たった。

「年下のくせにやるなァグレイ。次はビクトリーフォーメーションだ」

反応はない。どうやらそれらは氷漬けにされていたようで。
その隙にグレイは彼に膝蹴りをし倒れさしたあと、大槌兵ハンマーを造形し潰そうとする。

「エックスフォーメーション!!!」

たが、マネキンがビックスローを守る。
彼の魔法、セイズ魔法“人形憑き(ひとつき)”は魂を人形に憑依させる魔法。
人形からだは氷漬けにされても魂は無理。
別の人形にする事が出来る。

「だったらてめえ本体を凍らせてやるァ!!!」

「やれるもんならやってみなー」

逃げ出すビックスロー。
その後を追い掛けるグレイとフェーリ。
辿り着いたのは路地裏。


ビックスローは足を広げ、壁と壁に足を付け上にいた。

「てめぇ……一体何がしてえんだ」

「言ったろ?遊びたいんだヨ。ベイビーたちも」

グレイ達を囲むのは術式。
ルールは“この中にいる者は戦闘終了まで魔法の使用を禁ずる”だ。
おかげで、狼へと姿を変えていたフェーリはネコの姿へと戻ってしまう。

「罠か!!?」

「あ、そうだ。倒す前に“彼女”と仲良さそうだしグレイに聞きたいことあったんだよねー」

「彼女だと…?(リンの事か?)」


「何で男装してるんだー?そうゆう趣味?」

ビックスローは人の魂を見ることが出来る。
だからこそ知っているのだろう。その質問はただの彼の好奇心だ。

「……リンの事を知っているのはそれだけですか」

グレイが答える前にフェーリが俯き問う。

「それだけって言われるとそうだナ。魂の奥に“殺し”の概念が…!?」

それを聞いたフェーリが魔法禁止なのにも関わらずエーラを使い彼の所まで飛んで行く。

「フェーリ!」


そのまま突撃しようとしたらしいフェーリだが、その前に“何か”に攻撃を受け堕落。
グレイが何とか受け止め地面へとゆっくり降ろす。
ルールを守らなかった罰だとビックスローは笑いながら言った。





「すまん、フェーリ…。…何だかよく分からねーけど、お前は魔法なしでも殴り飛ばしてやるよ」