二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.88 )
日時: 2015/02/05 20:56
名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)
プロフ: しんらいとなかまのみ

第31話「信頼と仲間の身」

“ビックスロー vs. グレイ………グレイ戦闘不能。

残り29人”


ギルドの壁に映し出される戦闘結果。
その報告を見ていたラクサスが笑い、リンが目を見開いた。

「(グレイ…)」


「嘘だっ!絶対なんか汚い手使ったんだよ!!!」

「あとは誰が雷神衆に勝てるんだ?クク……」

ハッピーがガシルだと叫ぶが彼は不参加。
ナツやリンだってギルドから出られない。
マカロフはよく考えてから降参だと声を上げた。




「ダメだなァ…
天下の妖精の尻尾フェアリーテイルのマスターともあろう者がこんな事で負けを認めちゃあ。

どうしても投了リザインしたければ妖精の尻尾のマスターの座を俺に渡してからにしてもらおう」

ラクサスの狙いは初めからこのこと。
石像が崩れるまで残り1時間半。
リタイアしたければギルドの拡声器を使って街中に聞こえるように宣言すること。

「よーく考えろよ。自分の地位が大事か、仲間の身が大事か」

思念体であったラクサスはそれだけ言い残し消えていった。
マカロフは今のラクサスにはマスターの座は譲れないという。
でもこのままでは石像が砂になってしまう。

その時、がさごそと音をたて出てきたのはガジルだ。
ガジルがラクサスを倒す、とギルドから出て行こうとするが叶わず。



その内、残りの人数はとうとう3人に。
ナツ、ガジル、リンの3人だ。戦える魔導士はもういない。
するとナツは石像であるエルザを復活させると言った。

最初こそ、完全に砕けてしまうと思ったもののそんこともなく彼女は復活。
きっと義眼のおかげだろう、と立ち上がった。


残り3人だったものは4人…いや、5人へと変わる。
もう1人の最強候補、ミストガンも参戦。



反撃開始


エルザがギルドから出て数十分。
石像になってした女性達も復活。これで人質はいなくなった。
戦う理由もない。

だがその考えは打ち砕かれる。
術式の情報ボードがギルド中に現れる。

「聞こえるかジジィ。そしてギルドの奴らよ。
ルールが1つ消えちまったからな…今から新しいルールを追加する。

バトル・オブ・フェアリーテイルを続行する為に俺は神鳴殿を起動させた。


残り1時間10分。さあ…俺たちに勝てるかな?
それともリタイアするか?“マスター”」



「何を考えておるラクサス!!!関係のない者たちまで巻き込むつもりかっ!!!」

叫んだマスターはいきなり胸を抑え倒れ込む。
その状況に誰もが心配して近付いた。
ミラが薬を取ってくるついでに外を見てきたのだろう。
皆を外へと誘導する。

リンとミラはマカロフを医務室へと運ぶ。
外にはいくつもの雷の魔水晶ラクリマが浮いていた。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.89 )
日時: 2015/02/07 21:01
名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)


その魔水晶は1つ1つにものすごい魔力のいかずちが帯電されていた。
あれが放電されれば街中に無数の落雷が。

「そんな事はさせないわ!!!スナイパーライフル換装!」

ビスカは魔水晶を狙い撃ち落とす。
しかしその直後、ビスカの体に大量の雷が流れた。
ビスカは耐え切れず倒れてしまう。

「生体リンク魔法!?」

あの魔水晶は攻撃してきた者と自分のダメージを連結させる魔法がかけられている。
つまり攻撃を与えればそのダメージが自分に返ってくる仕組みだ。


このままでは街の人まで、と石化から復活した女性達は動き出す。
レビィはビスカを手当てする為にその場に残った。
ナツが「いい加減にしろ、ラクサス!」と見えない壁に頭突きをする。

「くそっ!こんなトコにも見えねー壁がっ!!」

「術式でしょ?文字魔法の1種だから私なんとかできるかもしれない」

グッと拳を握るレビィ。


「本当かレビィ!?」

「私…あなたたちならラクサスを止められるって信じてるから」

ビスカを医務室へと運びレビィは早速解き始める。
医務室にはマカロフとビスカ、そしてリンの3人。
ミラも外へと出て行ったみたいだ。


「じぃさん…死ぬなよ、まだ恩返し出来てねーんだ」

静かに眠っているマカロフに対してリンは呟いた。
それからまた数十分、ルーシィがビックスローを倒したんだと報告が入る。

「やるじゃねーか、ルーシィ」

そしてレビィが術式を解くことに成功。
ナツ、ガジルが参戦。


「だが…神鳴殿……街中を襲う雷の魔水晶。雷神の裁き…残り10分だぞ…」

そう呟くと誰かが医務室へと入ってくる。
入って来たのはポーリュシカとレビィだ。
それを見たリンがマカロフの前からどき、ポーリュシカに場所を譲る。


「ラクサスをつれてきなさい」

「え?」

その言葉にレビィもリンも驚いた。
ポーリュシカは更に続ける。

「祖父の危篤も知らずに遊び回ってるあの子をつれてきなさい」

「危篤って…そんなおおげさな……」

レビィの声が震える。



「いいからお願い。この人はもう長くない」

涙を流すポーリュシカの姿は本当の事なんだと思わせるのに充分だった。


「オレが行く。レビィ、じぃさん達は任せたぞ」

「うん…リンも気を付けて…」

すぐにギルドから抜け出しリンはラクサスを探す。
そんな時にリンの視界に入ったのは倒れるグレイの姿。


「グレイ!!お前、大丈夫かよッ」

グレイの傍に近寄り、声を掛ける。
う、と呻き声を出してそっと目を覚ましたグレイ。

「…はぁ、よかった……」

「リン……?お前、あそこから出れたのか…」

「あぁレビィが術式を解いてくれたんだ。立てるか?」

グレイが頷き壁に手を当てながらも自力で立ち上がる。


「レビィが?」

「あぁ、みんな石化から戻ったよ。ルーシィやミラも無事だ」


「そうだ!フェーリが…」

グレイがフェーリが倒れている方へと目を向ける。
傷が深いのか、まだ意識は回復していないみたいだ。
リンはそんなフェーリに近付き抱き上げる。




「ごめん…」

「大丈夫。今、1番の問題は空に浮かんでる魔水晶だからな」