二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.91 )
日時: 2015/02/10 13:24
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)

第32話「君へ伝えた言葉」


「な、何だよ…あれ」

空に浮かび上がるいくつもの魔水晶を見て声をあげるグレイ。
彼にリンは説明した。
説明を聞いたグレイはあれらを壊さなければという。

「生体リンク魔法かかってんの分かって言ってるのか?」

「やるしかねーだろ。その為にもギルドの奴らを探し出す。街中の皆を守れんのは俺達だけだ」

その言葉にリンは少し考えてから頷いた。


「分かったよ…じゃあこれだけ受け取ってくれ」

彼女はグレイの手を取り目を閉じる。

「! …何だ、この感じ……」

数秒して手を離し目を開けたリン。

「オレの魔力をグレイに渡したんだ。
それで攻撃受けても耐えられると思う。こんな事するのお前だけだから…」

「それってどうゆう意味だ?」


意味を聞かれたリンが赤面しそれを隠す為に顔を俯かせる。

「オレはラクサスにじぃさんが危篤だって伝えなきゃいけないから…無理すんなよ!」

グレイの質問には答えずにリンはフェーリを抱いたまま逃げるように走り去った。




「あれ以上怪我して欲しくないけど…任せたからなグレイ」

ラクサスの事を探し走り回るリン。
残り約1分。そんな時、空で一気に爆発した魔水晶。
何とか間に合ったらしい。

リンはその頃、教会へとたどり着いていた。

「残る場所はここか…」

強大な魔力の風がリンを横切る。


「この魔力…じぃさんの……ラクサス!!」

すぐに教会の扉を開けて中へと入る。
そこには今にでも妖精の法律フェアリーロウを発動しようとするラクサスの姿。


「ラクサス!やめろォオ!!!」

それと地面に倒れるナツとガジルの姿。


「じぃさんが…テメェの祖父が危篤なんだよッだからこんな事もうやめろ。じぃさんに会ってやれ!」

ラクサスは一瞬だけ動揺する。
だがあくまでそれは一瞬だけだ。

「丁度いいじゃねぇか。これで俺がマスターになれる可能性が再び浮上した訳だ」

心配も魔法を中断する気もなかった。


「消えろ、妖精の尻尾フェアリーテイル!俺が1から築き上げる!!
誰にもまけない!皆が恐れ戦く最強のギルドをなァァ!!!」

「っ…(グレイに魔力上げすぎたッ)」

妖精の法律を発動しようとするラクサスを凍らせようとしたリン。
しかし魔力不足でそれは叶わず。
妖精の法律は発動され、光が街全体を包み込んだ。





「俺は…ジジィを超えた…」

だが、咳き込む音が聞こえて来て誰もやられていないことを知る。
みんな無事だ。

「どうなってやがる!あれだけの魔力をくらって平気な訳ねぇだろ!!」

その時、フラついた足取りでフリードが教会へと入って来る。
ギルドのメンバーも、街の人もみんな無事だ、と。
確かに妖精の法律は完璧だった。


「それがおまえの“心”だ、ラクサス。
おまえがマスターから受け継いでるものは力や魔力だけじゃない」

仲間を思うその心。
妖精の法律は、術者が敵と認識した者にしか効果がない。

「心の内側を魔法に見抜かれたのか…」

「魔法にウソはつけないな、ラクサス。これがおまえの“本音”という事だ」


ラクサスは違う、と否定する。
ジジィなどどうなってもいいんだと。

「俺は俺だっ!ジジィの孫じゃねえ!ラクサスだっ!!」

そう吠えるラクサスにナツが立ち上がる。
そしてまた戦闘。
しかし、ナツの方が圧倒的にフリだ。
早くも地面に伏してしまう。
それでもまだ立とうとするナツにラクサスは最大限の魔法を繰り出した。
それがナツに当たろうとする寸前、雷は直角に曲がりガシルの方へ。

自ら避雷針となって攻撃を受けたらしい。

ラクサスは魔力が今ので尽きたのか、動かない。
そんな彼へナツは怒涛の攻撃を繰り返す。
その魔法…竜の鱗を砕き竜の肝を潰し竜の魂を狩りとる。


滅竜奥義…“紅蓮爆炎刃”




勝負はついた。
ナツが勝利の雄叫びをあげる。