二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.99 )
- 日時: 2015/02/24 14:35
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: y36L2xkt)
第35話「命の時も止める」
外に出てしばらく走っていると上空に見えてきたのは魔導爆撃艇クリスティーナの姿。
しかしそれはすぐに攻撃を受け、落とされてしまった。
落ちた衝撃で出た煙の中から出てくる6人の影。
彼らが六魔将軍の6人だ。
一夜とジュラは既に倒された。
探す手間が省けたと走り出すグレイとナツ。
しかし、レーサーによって攻撃を受けてしまう。
彼らに続いて次々と戦いに挑んでいく、が六魔将軍の方が圧勝していた。
リンやイルは倒れる仲間の姿を見て冷や汗をかく。
「おいおい…2人でこいつらの相手はきついぜ…。昔みたいな強さはもうオレにはないってのに」
「うーん…俺もこの人数相手はさすがになぁ…近付く事も出来そうにねーし」
ははっと空笑いするイル。
「でも、やれるだけやってみますか。俺も新しい魔法覚えたんだ」
リンは再び戦闘体制へと構え、イルが1つの鍵を取り出す。
「「アイスメイク…鎌鼬!/開け、幻想夢への扉!」」
イルの目の前に扉が現れる。
そこから飛び出した魂のようなものがそれぞれ6人へと取り付いた。
「くっ、何だ…コレ……」
反応したのは2人。ホットアイとレーサーだ。
「お前らの強い“夢”が自身を弱くする」
更に6人全員の周りに氷混じりの大きな竜巻が起きた。
小さな氷の礫が6人の皮膚を切り刻む。
竜巻が晴れた時、目に映ったのはそれほど傷ついていない4人の姿。
レーサーとホットアイに関しては、あちらこちらで服が破れていた。
しかし戦闘力を半減するまでには至らない。
「もう終わりか?対した事のない奴らだ。消え去るがいい、常闇回旋曲」
大気が震え、大きな魔力がブレインの杖に集まって行く。
防御を展開しようとリンが構えを取るがブレインの魔法は中止させられた。
彼の視線は、岩の影に隠れるウェンディへ向かっている。
「間違いない。天空の巫女」
ブレインがそう言うと彼は、ウェンディを捕まえる。
彼女は、シャルルの手を取ろうと手を伸ばすが取ったのはハッピーの手。
助け出そうとするリンとイルはブレインの攻撃に邪魔をされ助け出す事は出来ず。
「うぬらにもう用は無い。消えよ」
ブレインが打ち出した魔法に伏せるリン達。
その時、前に出てきたジュラが攻撃を防いだ。
六魔将軍はもういない。
しかしジュラや一夜も無傷ではなく、一夜の痛み止めの香りで抑えているらしい。
「あいつらー…ウェンディとハッピーを…」
どこだー、と走り出すナツを止めたのはシャルルだ。
ハッピーやフェーリと同じく翼で空を飛ぶ。
ウェンディとハッピーは心配だが、やみくもに突っ込んで勝てる相手ではない。
「それに」
シャルルがエルザの方を向く。
そこには毒に侵され、苦しんでいるエルザの姿。
彼女はルーシィのベルトを使い、毒蛇に噛まれた上腕を締めて血の流れを止める。
「このままでは戦えん。斬り落とせ」
剣を投げ、腕を差し出す。
リオンがやる、と剣を拾うがグレイは止めた。
とうとうエルザは耐えきれなくなり、地面へと倒れる。
このままじゃ毒が体中にまわってしまう。
だが、シャルルはウェンディなら助けられると言った。
治癒の魔法を使う、天空の滅竜魔道士。
天竜のウェンディ。
今、やるべきことは1つ。
ウェンディとハッピーを助け出す事だ。
*
鎌鼬って読みます(`・ω・´)
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.100 )
- 日時: 2015/02/28 17:22
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: kaY8Y1HD)
エルザの元に残ったルーシィ、ヒビキ、イルの3人。
イルは苦しんでいるエルザに対し魔法を掛けていた。
「喜、怒、哀、楽 幻想夢発動」
イルがエルザの頭に手を乗せ、そう唱えるとイルの手から光が漏れ出す。
しばらくすると彼女の顔が苦しむ顔から楽な顔へと変わった。
「何をしたの?」
「彼女に良い夢を見させてるんだ。眠っている間だけでも痛みから開放してあげたいだろ?」
「それがイルの魔法…?」
「そっ、幻想夢。相手に夢を見せる魔法だ」
「そういえばさっき鍵を…」
「! あぁ、あれは魔力増幅のただのアイテム。本当は星霊魔道士に憧れてたんだよね」
そう笑うイル。
一瞬だけカッコイイと思ったルーシィだが次の言葉ですぐに打ち消される事になる。
「あぁ…ウェンディちゃん大丈夫かなあ…」
そう言って頭を抱えた。
一方、ウェンディ救出の為に走り出したナツ、グレイ、リン、フェーリ、シャルルの5人。
その目の前に立ちはだかる六魔将軍の傘下。裸の包帯男。
「拠点とやらの場所をはかせてやる」
「今行くぞ、ハッピー!ウェンディ!」
「今の実力を知る為には丁度いいかな」
グレイ、ナツ、リンはそれぞれ戦闘態勢へ。
シャルルはギルド1つを相手にしているのよ、と驚いていた。
そこへフェーリは安心して下さいと声を掛け、笑う。
それから数分後、怪我する事無くしてギルドは全滅。
リンは手に少しだけ冷気を纏わせ納得していた。
「3人でこれだよな…大分、弱くなったな……。
まぁ別に今はそんな大きな力いらないな。(お前らがいるし)」
誰にも聞こえない声でボソッと呟いた。
ナツは倒した奴らを起き上がらせ、拠点をはかせる。
彼らの拠点は西の廃村。古代人達が住んでいた村だ。
リン達はすぐに西へと向かう。
しばらく進んで行くと、見えてきた寂れた村。
ナツは大声で2人の名を叫ぶ。
その時、敵に気付かれたのか1人の敵がリン達を攻撃する。
六魔将軍の1人、レーサーだ。
「ここは俺達に任せろ!早く下に行けナツ!!!」
「行かせるかよ」
レーサーがナツの元へ走り出そうとするがそれをリンが足元を凍らせた。
彼はいきなりのことに滑ってコケる。
「シャルル!今だ!!!羽!」
だがシャルルはさっきの攻撃で気絶。
変わりにフェーリがナツを村まで連れて行く。
「てめぇ…この俺の走りを止めたな」
「っは、滑ってコケただけだろ?」
2人は再び戦闘態勢へ。
先に攻撃を仕掛けたのはレーサーだ。彼は素早い動きでリン達を攻撃する。
その速さを目で捉えることは出来ず。
避けるのに精いっぱい、といった感じだ。
「何て速さだ…野郎……」
「せめて動きが止められれば…」
「俺のコードネームは“レーサー”。誰よりも速く、何よりも速くただ走る」
- Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.101 )
- 日時: 2015/03/05 11:08
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)
そう言った彼の真上を飛ぶハッピー達の姿。
助け出したか、と喜ぶがレーサーはすぐにハッピー達を攻撃し地面へと落とす。
唯一、誰も持っていなかったフェーリだけは避ける事が出来たが。
ハッピーとシャルルが気絶。
ナツが2匹とウェンディを腕に抱え走り出そうとする。
「ナツさん、乗って下さい。大丈夫、この姿なら2人くらい行けますよ。時間制限はありますがね」
そう言ったフェーリの姿はグリフォンの姿へ。
「サンキユ!」
ナツがフェーリの背中に飛び乗ると、フェーリは助走を着けてから勢い良く空へ飛び出した。
そこへレーサーが向かおうとする。
「フェーリッ!!!」
「アイスメイク…“城壁”」
しかし追いつこうとするその間際、グレイが巨大な壁を作った。
何とかレーサーの動きは止められたが…。
「! グレイ、お前……」
「行け!フェーリ!!」
リンの言葉を遮り、グレイが叫ぶ。
「しかし…グレイさん、今ので貴方の魔力は……」
「いいから行きやがれ。俺にはリンもいるッ!ここは死んでも通さねェ!」
「っ!」
グレイに頼られている、その言葉に驚いたリン。
ただ、それが本当にそうゆう意味ではなくとも単純に嬉しかった。
「…フェーリ、出発してくれ!必ずエルザを助けるんだ!!!」
ナツがフェーリにそう言うとフェーリは頷き、エルザがいるであろう方向へ飛んでいく。
「貴様ら…二度もこの俺の走りを止めたな」
「何度もでも止めてやんよ。氷は命の“時”だって止められる。
そしておまえは永久に追いつけねェ。妖精の尻尾でも眺めてな」
グレイはレーサーに向き直り言った。
「久しぶりのまともな共闘だな、グレイ。幼い頃、リオンと戦った時以来だ」
「あぁ、ひと暴れしようぜ、リン!」