二次創作小説(紙ほか)
- Re: 名探偵コナン 夢物語2『闘い…』 ( No.10 )
- 日時: 2014/11/06 01:15
- 名前: らいち。 (ID: BO2eV5at)
お父さんを亡くした…。
英ちゃんと離れた…。
アナウンサーもやめた…。
最近、何かを手放してばかり。
幸い バーボンこと降谷零は公安警察だったから良かったけど…
彼がいなかったら、私…
殺されてたかな。
1人考え込みながら車を運転する キールこと本堂瑛海。
最近は、ジンたちとの殺しには入っていない。
その代わりに
書類整理や暗殺場所の下見、他部の見廻りなど
やることはたくさん。
もちろん、
CIA本局や 日本に来ているFBIのチームに連絡する暇は全く無い。
そんな中、
かろうじて赤井さんには伝えることができた。
『RUM』
私の知らないところで、
幹部が少しずつ動き出している。
組織のNo2。
女のような男、
老人のような人、
ガタイのいい人、
そして…義眼。
さまざまな噂が飛び交う、ボスの側近だ。
信号が赤に変わり、
瑛海の車が止まった。
もうっ!
今は任務に集中!!
負の感情を取り払うかのように、ぶんぶんと頭を振る。
でも、最近思うことがある。
公安警察にFBI、CIAに探偵、ただ者じゃない科学者…
一体どれだけ 裏切り者に囲まれているんだと。
早くこんな世界から解放されたい…
信号が青に変わり、
瑛海は いつもより強くアクセルを踏んだ。
「おいしいですね、このレモンパイ。」
「でしょ?昴さん特製なんだから!」
「へぇ…あの人、料理もできるのか。」
「え…?」
工藤邸にて。
彩と零が会話している。
彩は、零の不自然な言動に 一瞬怪訝そうな顔をした。
そんな様子を察知し、『安室透』は 笑顔で彩を黙らせた。
コナンも、2人の異様な雰囲気に気づいたが
「では、あまり長居するのも彩ちゃんに悪いですし、
そろそろおいとまさせて頂きますね。」
と、受け流された。
うな重食って早く風邪治せよ!
と言う元太に苦笑を浮かべた、子ども3人と大人1人は
手を振りながら工藤邸をあとにした。
「あー。疲れたわ。」
某有名企業の子会社で書類整理を終えた瑛海。
近くの壁時計は、もう11時を指している。
山のように積みあがったファイルを運ぼうとした時、
ドアが開く音がした。
「お疲れ様です、『水無さん』。」
こんな所に来る人なんて、
1人しかいないだろう。
「あら、私はそんな名前じゃないけど。」
「おっと失礼、『本堂さん』。」
振り向くと、
そこにはやはり…
「別にいいのよ。降谷君。」
バーボンの姿があった。
すると 零は
ファイルの山の一つをサッと持ち上げ、
「まぁ、そう機嫌を損ねないで下さい。
こんなもの、さっさと片付けてしまいましょう。」
と、いつもの笑顔で言った。
たまに、その営業スマイルが怖いと思ってしまうのは私だけか。
「で…。何でここが分かったのよ?」
瑛海も もう1つの山を手にとり、
彼のあとをついて行く。
「ベルモットの気遣い、といったところですかね。
あの女…気づいているようですよ。我々の正体を。」
ベルモットの弱味を握っているらしいこの男。
やはり怖い。
「じゃあ、彼女も望んでいるのかしら…。
悪から解放される瞬間を…。」
「そうですね。
『江戸川コナン』君のことも、ジンたちには口を開かない。」
だったら そろそろ私たちも潮どきかしら、
と瑛海が棚にファイルを押し込もうとすると、
どこからともなく 見覚えのない封筒が落ちてきた。
「何かしら…これ。」
抱えていたファイルを床に置き、
封筒を開くと、5枚ほどの紙が入っていた。
「どうかしましたか?」
瑛海は、読み終わった紙を1枚ずつ零に渡した。
最初のうちは戸惑っていた零も、
だんだんと紙に釘づけとなっていった。
「降谷君…、これで分かったとは思うけど、もう 彼に…赤井さんに、
手を出しちゃいけないわ。」
「えぇ…。アイツを殺れば、僕が地獄行きですよ。」
零は、
何事も無かったかのように 封筒を元の場所へ戻した。
死亡未確認
FBI特別捜査官 ワームズ・芹井 当時31歳 (銃殺)
備考
Silver Bullet
いつか『アイツ』に言われた言葉が、零の頭にこだまする。
———狩るべき相手を見誤らないでいただきたい———