二次創作小説(紙ほか)
- Re: 名探偵コナン夢物語2『闘い…』 ( No.19 )
- 日時: 2014/12/07 19:36
- 名前: らいち。 (ID: 0sokIT7I)
赤い光が眩しい。
パトカーの到着後 消防車もやって来て、
静かな朝の町は騒然とした。
「えっと…君の名前は?」
その一角で、
1人の若手刑事が さっきの男の子に事情聴し…
いや、
話しかけている、と言ったほうがいいか。
痩せ形の頼りない奴だ。
何処かでみたことがある気がする。
「僕は 土井啓太(どい けいた)。もうすぐ7歳なんだ。」
Keita…
やはり 日本人の名前というのは慣れない。
改めて、あの男の子を観察してみる。
顔も髪も 根っからの日本人。
さっきからの動作を見ると、この子は右利き。
服は普通の Tシャツとジーンズか。少し寒かっただろうな…。
ほかにも色々と眺めてみたが、一番気になったのは 足だった。
時々、ジーンズと靴下の間から
包帯のようなものが覗いているのだ。
左足を怪我している?
さらに、右足の動きもぎこちない。
「助けてくれたおじさんって、誰かな?ここにいる?」
刑事が 啓太君に尋ねた。
「ここさ。久しぶりだな…ワタル。」
「はー??」
俺が声をかけると、
頼りない若手刑事———高木渉が 変な声を出した。
「え!おじさん達、お友だちなの?!」
「ああ、まぁ…な。」
啓太君が、目をまん丸にする。
「まさか、芹井さん?!!」
「勿論 その、まさかだ。」
「うわーっ!更にイケメンになりましたね!」
「ikemen…って何だ。」
「もう、照れないでくださいよ。」
時は遡り、13年前。
この時ワタルは…13歳か。
「かわいい…」
「ね?奈都 って名前なのよ。」
自由の女神を望む、リバティ島。
咲良は 1歳6ヶ月の奈都を抱き、ワタルに紹介している。
「奈都ちゃーん、こんにちは。」
当の姫は、
眠りから覚め、エメラルドの瞳を見せた。
手足をぱたぱた動かし、ワタルを一目みて 笑ったという。
「あれ、目の色が…」
「あぁ…そういえば 渉君に言うの忘れてた。
実は彼、日本人の血を引く アメリカ人なの。」
「へえ。じゃ ハーフだ!」
ちょうどこれくらいで、俺が到着する。
「お待たせ。」
「もう、遅いよ。」
休みをとるのに 少し時間がかかってしまった。
今回の1週間と、クリスマスを含めた年末年始分。
—少しくらい休まないと、気が滅入ってしまうよ。
それに、君には家族がいるだろう?
部下や私たちのことも思って、頼むぞ。
—あ、しかしジェイムズ…。
年末年始は事件が多いゆえ、休むわけには…
—そうだ、有休も溜まっているだろう。
じゃあこれは、クリスマス4日分。
—えぇ?!
—いいからいいから。上には 私から言っておく。
—はぁ…。
半ば強引だったが、感謝すべきだろう。
いつも見ている空が、今日は少し 違って見える。
「は、ハロー!マイネームイズ…」
咲良の隣に立っている少年が、カタコトの英語を話し始めた。
「I’m Warmes Seri. Nice to meet you.」
なんてぬかしてみる。
すると、彼は目を点にして 固まってしまった。
「ワームズ!!」
「だーっ!」
咲良が少し怒った。
心なしか、奈都も怒っているように感じるんだが…。
「嘘だよウソ。
日本語はちゃんと話せるから。」
「あ、いいい、いえ!ワームズさん!すみませんでした〜!!」
「渉君…」
「うー」
あの時から、ドジっぷりは変わっていないらしいな。
そして 4人で数日を過ごし、
その間に『男の友情』が築かれた、というわけだ。
え?
13歳と28歳じゃあ、年が離れすぎ?
んなもん、関係無いだろ?