二次創作小説(紙ほか)
- Re: 名探偵コナン夢物語2『闘い…』 ( No.21 )
- 日時: 2014/12/15 19:34
- 名前: らいち。 (ID: 5xmy6iiG)
「ったく…体力もないのに無茶して…。とりあえず、応急手当をしとくぞ。
ワタル、5分位で終わるから、ちょっと待ってろ。」
「はい!」
ワタルは 警察手帳を閉じて敬礼し、
現場へと走り去った。
「おじさん…ごめんね…。」
スーツケースから救急セットを取り出していると、
啓太が 消え入りそうな声でそう言った。
「何も謝ることは無いだろう?」
あえて目を合わさず、
ガーゼに精製水を含ませる。
「だって…」
「口閉じろ」
半ば強引に 口周りを拭った。
長時間ガムテープを貼らされていたせいで、少々腫れている。
「かゆくなったりしてないか?」
「うん。…ねぇ…。」
「ん?」
「今から僕が言うこと、ちゃんと聞いてくれる?」
「あぁ」
使い捨ての冷却パックを叩いたところで、啓太の声色が 急に大人びたものになった。
「さっき言った、『会社の人』。
その人たち、みーんな、真っ黒な格好してたんだ。」
「真っ黒?」
眉を寄せ、小さく頷く。
「2人は普通の人っぽかったんだけど、
もう1人が…『ベルモット』って、呼ばれてた。」
「ベルモットだと?!」
「僕ね、その人たちが部屋を出て行こうとしたとき訊いてみたんだ。
あなた達は、誰なの?って。
そうしたら———」
続きを言おうとした啓太を、
俺は 人差し指を立てて、そっと制止した。
「We can be both of God and the devil.
Since we're trying to raise the dead against the stream of time.
(…我々は神であり悪魔でもある…
なぜなら…時の流れに逆らって、死者を蘇らそうとしているのだから…。)」
小さな大人は 真ん丸な目を更に丸くして、顔を真っ青にした。
「やっぱり…おじさんって、シルバーブレッドさんでしょ…!!!」
「フン…
狼共の心臓を打ち抜けるかどうかは、別問題だがな…」
「わ…ワームズ…さん…?」
いつの間にか戻って来たワタルに、
パンドラの箱の中身と
殺気立った眼をしていたのを 見られてしまった———