二次創作小説(紙ほか)
- Re: 名探偵コナン夢物語2『闘い…』 ( No.24 )
- 日時: 2015/01/25 21:45
- 名前: らいち。 (ID: HSAwT2Pg)
「高木君!急用って何?!」
勢いよくドアが開いて、佐藤刑事が姿を現した。
髪は乱れ、
息も随分とあがっている。
「もう、何だか大変なことになってて、
あんまり時間無いのよ!手短に話してもらっていい?!」
「す、すみません佐藤さん!」
2人が話し始めたのを見て、啓太は手の力を緩めた。
汗でびしょ濡れになっていた。
「おじさん…
もう、いいんじゃない…?」
一言で折れた、と言っても過言ではない。
啓太の手を離し、
ジェイムズの返事を待つスマートフォンの電源を切り、
意を決して打ち明けることにした。
「あの。」
「あら?芹井さんじゃない。
ちょっと高木君!まさか、まだ終わってないの?!」
「あーっ、だからー!!」
ったく、こっちの気も知らないで…
せっかく立ち上がったのに、
盛大なため息をつき、床にしゃがみこんでしまった。
何やってんだ…
マジで…
「あ、ちょっと 大丈夫ですか?」
「誰のせいだと思っている…」
「すみません…」
上司が来たからといって力を抜くとは、なんてヤツだ。
「佐藤刑事。」
「何ですか?」
俺はゆっくりと立ち上がり、相手を変えることにした。
「実は、君にも話しておこうと思ってね。
私が日本に来た本当の目的を———」
「はぁ…。」
まずは 秀一達の事を話した。
2人は、一度だけ 秀一と会ったことがあるらしく、その辺では 手こずらなかった。
だが、問題は…
「え?!じゃあ今の今まで、イギリスに住んでいたんですか?!」
ワタルがかすれた声で言った。
「その分、出来ることも増えたからな…
ヤツらのことも 随分と情報を得ることができた。」
「もしかして…ハッキングとかで?」
佐藤刑事も、段々と話にのめり込んでいった。
「あぁ。
これはまだ、日本チームにも言っていない事なんだが…
ヤツらは以前…50年以上も前は…
俗に言う、マフィアだったことが判明したんだ。」
「え?!に、日本に…マフィア?!」
「しっ…声がでかい。」
思わず声をあげたのも 無理はない。
そういう事を知っているのは、公安警察かCIROあたりだ。
それこそ…
降谷零、お前なんじゃないのか…?
アイツの後ろ姿を思い出す。
でも、そういうことは 私達の管轄ではありませんよ…?
と 佐藤刑事が口を開いた。
「だからこそだ。
今の話を上層部や公安部にしたところで、
状況は悪くなる一方だからな。
こちらも、イギリスで色々と調べさせてもらった。
公安部と刑事部では あまりリンクが良くないと伺っている。
それに、この修羅場でそんなミスをしてほしくないのでね。
以前 宗教団体のテロが我々を打ちのめしたように、
今回ばかりは 一般人への被害は計り知れない。
大げさな表現になるかもしれないが…国家の滅亡危機と言っても、過言ではないんだ。」
「そうだよ。
あの真っ黒な人たちは、そこら辺の悪い人とは違うんだ!!」
啓太も一生懸命だった。
澄んだ瞳で、世の中を素直に見る時期の子どもなのに…
黒い世界を、泥沼のような裏社会を 当たり前に思ってほしくない。
その事に関しては既に、
奈都の時点で 俺が道を逸らしてしまったのだろう。
FBI捜査官になりたい
初めて奈都がそう言ったと聞いたとき、
嬉しく思った。
だが、あとになって、自分の犯した重い罪に気がついた。
こんな姿で憧れを抱かさせるような 酷い父親だったことに…