二次創作小説(紙ほか)
- Re: 名探偵コナン夢物語2『闘い…』 ( No.42 )
- 日時: 2015/03/31 23:34
- 名前: らいち。 (ID: 4CP.eg2q)
彩は 鍋のフタを閉め、火を弱めた。
「上手…なのね。彩ちゃん…」
それを見た蘭が、パーカーのそでで涙をぬぐいながら 言った。
「そうでも無いよ…昴さんには負ける。
それより、何かあったんでしょ?私達でよかったら、話聞くよ。」
「彩君の言う通りだぞ。ボク達は親友だし。」
彩と真純は 罪悪感を持った。
大体の見当はつく。
真実を知っているのに言えない…それは、どんな事より もどかしい。
「実はね…」
蘭は ゆっくりと、話し出した。
小五郎から届いた メールの内容。
コナンがいなくなったこと。
その彼も、
『親戚の所に行く』という建前だけで 本当は捜査に協力しているのではないか、ということ。
真純達も 行ってしまうのではないかと思った事。
新一の安否が分からないこと。
「そうだったんだ…」
「…」
彩達は 何も言えなかった。
「ねえ…世良さん達、本当に どこにも行かない?」
蘭がまた、瞳に涙を浮かべた。
ここは、蘭を安心させてやりたいのが 2人の本音だ。
だが、彼女たちは顔を見合わせ、本当の事を話そうと 決意した。
「蘭さん…、あのね…」
真純が言い出す前に、彩が ためらいがちに切り出した。
「今 小五郎のおじさん達が関わっている事件は、
国際的な犯罪組織なんだ。
その歴史は、5年や10年じゃきかないほど…。
でも、
力が強すぎるがゆえに その存在は、
世間に知られてないの。
…知っているのは、日本ではごくわずか。
だから、
FBIの人達が 日本警察に極秘で捜査を進めてきたんだよ。
でも、彼らにとって 重要な秘密が表ざたになり…
組織は いよいよ動き出した。」
「そこで、ボクら…といっても ボクは入ってないけど、
日本警察・FBIの信頼がある、
工藤君達が 選ばれし者になったんだ。」
彩と真純の言っている事を、
蘭は 目をパチクリさせながら聞いていた。
実際、
今の今まで 何も知らなかった者としては、
受け入れがたい事実だろう。
「え…
じゃあ、新一は…どうなるの?」
蘭は、彩を じっと見つめた。
「大丈夫。
…きっと…ね…。」
彩の口から振り絞られた言葉が、
蘭を ほんの少しだったが、安心させた。
「蘭君…
あと1つだけ、すごく大事な話があるんだけど…」
「コナン君と哀ちゃんと、真純ちゃんのお母さん…
あと、私のこと…。」
真純と彩は、
パンドラの箱を解錠した———