二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.6 )
- 日時: 2015/03/18 22:32
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: fExWvc7P)
魔堂様
ははははは初めまして!((
そんな頃から読んでいただけているとは…嬉しいです!
有難う御座います! 亀更新ですが頑張ります!(´∀`)
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相も変わらず巨大犬に頭を噛まれている女と失神なうの一輝。
血まみれになりながらも女は能天気だ。
02訓 すべての再会が感動的とはかぎらない
「そうだったアルか。まさかそんなことだったとは思わなかったネ」
酢昆布をもらった経緯を少女に話すと、あっさりと彼女は納得した。
嫌がらせで買い占めたのだと思われていたらしい。そんな金はない。
「にしても…アレアルな、おねーさんよほどの酢昆布好きアルな」
「え。なぜそう思うんだ」
「酢昆布と同じような臭いがするネ。すっぱくさいアル。羨ましいネ」
「風呂に二週間ほど入らずにいてみろ。おそろっちな臭いになれる」
マジでかァァァ、と叫んでいる少女を尻目に、女は自分に噛み付いている犬を引き離した。
あ、と見れば、着物は既に血まみれだ。もとは青い着物なのだが、若干紫である。
「…お嬢さん、お名前は?」
「神楽アル。このかぶき町の女王たァ私のことヨ」
「マジでか。ではそのかぶき町の女王、おりいってお願いがあるのだが」
「何アルか。金ならねーよ帰んな」
「冷たいなオイ」
氷のような冷ややかな目で、神楽は女をゴミを見るかのように見てきた。
女は小さく溜息をつき、あ、と小さく声を出すと、酢昆布がまだまだ入っている袋を差し出す。
「交換条件でいこう。この酢昆布をやろう」
「まじでか?!」
「あぁ。だからかわりに…おたくの風呂かしてくれ」
「お安い御用アル! てことで酢昆布もらってもいいアルか?!」
「どーぞ」
「ひゃっほォイっ」
ついてくるヨロシ、と神楽は言い、歩き出した。早速酢昆布をかじっているようだ。
気絶している一輝を背負うと、女は神楽に続いて歩き始めた。
「そういえばおねーさんとそっちのボウヤの名前は何アルか?」
「ボウヤって…お前と対して変わらないと思うが」
「私は女王アル。乳臭いガキと一緒にしないでほしいネ」
「マジでかさっせんした。この気絶している子供が、東雲一輝。私は、怜だ」
「霊と1期アルな! 覚えたヨ!」
「いやすでになんか違うんだが」
江戸の街中は賑わっていた。ハエを引き連れている怜は若干引かれているようだ。
ご丁寧にも、神楽は酢昆布を食べながら、あちらこちらを案内してくれている。
「そういえば、お前らはどういう関係アルか? 姉弟てきなやつアルか?」
「まぁ…そうだな。一応師弟関係だ」
「へぇ〜! 全然似てないアルな! 姉弟なのに!」
「いや当たり前だろう、師弟なんだから」
何だかとんでもない誤解を生んでいるようだが、二人とも気づく気配はない。
しばらく歩いていると、でかでかと『万事屋銀ちゃん』と書かれた看板が見えてきた。
「あ、あれアル!」
「『よろすやぎんちゃん』…ほう、何か胡散臭い店だな」
「失礼アルな。何でも屋アル! 万事を引き受けるネ!」
「オーナーはお嬢さんなのか」
「違うアル。メンバーがあと二人いて、眼鏡かけきと、オーナーのウ○コみたいなおっさんネ」
「どんなおっさんだソレ」
カンカンと音を立てながら階段を上り、扉の前に立つ三人と一匹。
ただいまヨ〜、と神楽は声を上げながら扉を開けた。
「…お邪魔します」
「汚いところだけど上がるヨロシ。銀ちゃァん、帰ったアルよ〜!」
居間へと入っていく神楽に続き、怜も一輝を背負い直してお邪魔する。
居間にいたのは、退屈そうにテレビを見ている、銀髪天然パーマの男。
その死んだ魚のような瞳が、こちらを見た。
「神楽テメッ、お客様がいるならきちんと言いやがれ! 銀さん格好悪いとこ見せちまったろーが!」
「大丈夫アル。銀ちゃんなんて万年金欠万年不細工アル。心配しなくても格好いいときなんてないヨ」
「ンだとコラァァァ! 言っとくけど銀さんはイケメンだからね…ってオイこらこっち見ろボケェェェ!」
「怜〜、私風呂わかしてくるから、そこらへんでくつろいでるヨロシ〜」
「…………え」
男——銀時の瞳が、怜へと向けられた。
一方の怜も、真顔でじっと銀時を見つめ返す。
「…………」
「…………」
「……………」
「……………」
「………………」
「…………本当だ、オーナーはウ○コみたいなおっさんだ」
「テンメェェェ再会第一声がそれかァァァァァァ!!」
(それか死んだ魚だな)
(イヤそれ違う! それを言うなら死んだ魚のような目な! って誰が死んだ魚のような目だコルァ!)
(なに一人でやってんだお前)