二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.8 )
日時: 2015/04/04 17:33
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: CqswN94u)

「もうさ、マジでさ、出て行ってくんない? 万事屋もホント手一杯なんだよ」
「いましがた“いいゼ! いくらでも泊まってケヨ!”と言ったのは誰だ銀時」
「んなことは一言も言ってねーからァ! 寧ろ騙されたから! 俺被害者だからァァァ!」


 04訓 時間とお金どっちが大切とかっていう質問されたけどお金っていったら時間ないと使うときないとかいわれるし時間っていったらお金無いと何もできないとか言われたからもうめんどくせーよじゃあそんな質問するなよ!!


『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』


「うるっせェェェ!! 何回再生すりゃあ気が済むんだテメェはァァァ!!」
「いやお前がこう言ったんだということをしらしめてやろうかと」


 真顔でケロリと言い放つ怜に、銀時の額の怒りマークも増えていく。
 ピッとボイスレコーダーを切ると、怜は真っ直ぐに銀時を見据えた。


「銀時。割とガチでお願いだからすませてください割とガチで」
「割とガチで二回言ったアル、めちゃくちゃ必死アル」
「お、お願いします銀さん! 僕、割と家事とかできるんで、精一杯しますから!」
「私は精一杯寝る」
「オメーはホントなんなの?! …ったくよぉ」


 チラリと銀時は怜の顔色を見た。蒼白、というわけでもないが、若干青白い。
 それに昔よりもかなり痩せているようだ。胸も変わらずペタンコである。


(“持病”ねェ…。…あながち嘘でもねェよな…)


 ハァ、と銀時は溜息をつき、頭を激しくかいた。
 ハゲるぞ銀時とか言っている女は一旦無視して、銀時は三本指をたてる。


「条件だ。住むにあたって、これだけは約束しやがれ」
「「……」」
「なんで師弟揃ってスルーなんだよ!!」
「ハァ…約束とはなんだ」
「なんで溜息? …まぁいい」


 ——ひとつ、しっかりと働くことー。働かざる者食うべからずってやつだ。
 ——ふたつ、万事屋のルールを守ることー。俺達にきっっっっちりと従ってもらうぜ。
 ——みっつ、臨時収入とかが入ったらなるべく万事屋の家賃等にまわすことー。


 三本指を二人にずいっと近づけ、銀時は“これが条件だ”と言った。


「なんだ、そんなことか。私もいい大人だぞ、余裕で守れる(ふたつめぐらいは)」
「僕も頑張ります!(ひとつめぐらいは…)」
「お前ら絶対やる気ねーよな? 絶対絶対守る気ねーよな?」


 その時、万事屋のインターホンが鳴らされた。
 続いてガラリと扉が開かれ、勝手に入ってきたようだ。そして怜達がいる部屋の扉が開けられた。


「くぉらァァァァ銀時ィィィ! たまってる家賃とっとと払いやがれェェェ!」
「げぇぇぇぇぇっババアッ?!」
「前から言ってるけどね、金がねぇんなら腎臓なりなんなり売りやがれってんだいクソったりゃァ!」

「このお方が大家さんか?」


 怜と一輝の存在に気がついたようで、お登勢は叫ぶのをやめた。
 怜はお登勢に歩み寄り、ぺこりとお辞儀をした。


「はじめまして。私は、怜というものだ。こっちの子供が一輝だ」
「ど、どうも」
「…なんだいこの子達は。銀時…まさかアンタ」
「「お世話になりまーす」」
「ふざっけんじゃねェェェェェ!!」
「ぐぉぶゥゥッ」


 とばっちりを受けたのは銀時である。思いっきりお登勢に膝蹴りをくらっている。
 ワーオミゴトーと三人はパチパチと拍手をしているようだ。


「今でも家賃はらえてないのにさらに二人追加だってェ?! 銀時、あんたマジで腎臓売りな」
「アイツらが勝手に言ってるだけだっつーの! 俺まだ住めとか言って」
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
「言ってんだろーがァァァァァ!!!!」
「ぐぉげフッ」


 ナイスなタイミングで怜が音声再生をしたため、再び銀時は膝蹴りをくらった。
 ヒーヒーと荒い呼吸をしながら、銀時はお登勢を見る。


「そうだババア! アイツらが店の手伝いすっから! それでいいだろ!」
「「え」」
「あぁ、それがいいアル。あんなババアだらけのとこならちょっとくらいは目立てるネ」
「女王、それは一体どういう意味だろうか」
「…そうさねェ…」


 お登勢は怜を上から下までじっくりと見た後、一輝をもじぃっと見つめた。
 そして、ふん、と何か納得したように一人頷いた。


「まぁそれなら…ちなみに給料は出ないもんだと思っておきな。全部家賃にまわすからね」
「「マジでか」」
「そっちの…怜だっけ? は本格的に手伝ってもらうとして…一輝だったかな。アンタは雑用だね」
「あの、お店って何されてるんですか?」
「ん? スナックだよ」


 怜と一輝の頭の中でぐるぐると様々なお菓子がまわっているようだ。
 そうじゃなくて、とお登勢は続ける。


「まぁ…要するに男達の愚痴を聞いてやって、んで一緒に酒飲んだりすんのさ」
「すんのかい」
「話長くなっからやめろ怜」
「なるほど、だから一輝は雑用アルか」
「一応大人の場所だからね。…居候すんなら、そんくらいの仕事は当然だろう?」
「……」


 怜は大きな溜息をついた後、分かった、とだけ呟いた。一輝は早速気合が入っている。
 

「じゃ、交渉成立だな。テメーらしっかり働けよ」
「オメーがいうなヨ万年ニートが」
「ひでぇなオイ」
「よろしく頼むよ二人とも。あ、紹介遅れたが、あたしゃお登勢だ。よろしくね」
「「っしゃーす」」
「適当だなオイ」


 
(あれ、待てよ。誰か出てきてなくね? 誰か忘れてね?)
(え、そうアルか? あ、下にいる猫耳ババアアルか?)
(いや、そうじゃなくてなァ…誰だったっけか)
(まぁいいアル。そのうち思い出すヨ)
(そうだな。HA☆HA☆HA!)



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ぱっつぁん忘れてないヨ!(´∀`)←