PR
二次創作小説(紙ほか)
- 第6話 ( No.17 )
- 日時: 2017/04/15 10:32
- 名前: 夏目 織 (ID: 5MQ4cIeK)
「どうして4枚入ってるの!?」
あたしの耳に、フネおばさんの声が突き刺さるように聞こえる。
フネおばさんは手紙を取りだし、睨むように見つめてる。
「お母様。どうしますかぁ?」
カオルンがフネおばさんのことをお母様って呼ぶのってなんか変な感じ。ドレスを体に当てて舞踏会を楽しみにしているのはいつもと変わらない漢字なんだけど。
「そうね………王子様に失礼だから……」
んん? って言うことは私も行けるの!?
「失礼だから、断ってから私たちだけ行きましょう。準備しなさい」
が、がーん。
フネおばさんはカオルンを急かして、手紙を棚の上に置いた。折角手紙を貰ったんだからあたしも行った方が良いんじゃないの……!?
*
「それじゃあ、シンデレラ。留守番を頼んだわよ。」
バタンッ。
すごい勢いで玄関のドアが閉められて、家のなかにはあたし一人だけになった。
何だかシンデレラと話が違う気がする……ドレス自分で作っちゃってるし、招待状来てるし。
「どうしたの?」
「……おばあちゃん!?」
突然声がして振り返ると、そこにはおばあちゃん(若い頃バージョンね
が立っていた。もう、いきなりビックリさせないでよ!
おばあちゃんは話を聞きたそうに目を輝かせて立ってる。——あたしは、おばあちゃんに今日の朝からの出来事も含めて話をした。
「そうね……それじゃあ、 サトミちゃんも行けばいいじゃない。舞踏会に。」
だーかーらーっ!
おばあちゃん、全然わかってない。その行き方を考えてるんだってば!
「ちょうど、王子様が来たみたいよ」
おばあちゃんはにっこり笑うと光に包まれて——姿を消した。
これで本当に、家の中ではあたし一人。
「王子さま、か……」
ポツリと呟いてあたしは青色の光のことを思い出した。
PR