二次創作小説(紙ほか)

第7話 ( No.19 )
日時: 2017/04/15 10:45
名前: とらじ (ID: 5MQ4cIeK)
プロフ: 夏目です


「王子様ねぇ……」

 あたしはリビングのソファに座って、軽くため息をついた。
 王子様なんて、ダイカくらいしか思い付かないけど……さっきは青色の光に包まれたわけだし……ソウスケになるのかな。
 いやいやまさか! ——何て思うけど、やっぱりそうなのかなぁ。

 それにしても、暇だなぁ。大体シンデレラのあたしが舞踏会に行かなきゃ意味ないんじゃないの?
 魔法使いのおばさんが出てこない辺り、ここはあたし一人で準備をした方が良さそう。
 あたしは立ち上がるとドレスがたくさんおいてある部屋に向かい始めた。



「よし! これで完璧!」

 ——なーんて独り言を言いながら、あたしは鏡の前でくるくると回る。ふわふわと揺れる純白のドレス。さらさらのピンク色の髪。我ながら上出来!
 なぜかクローゼットに大切にしまわれていたガラスの靴を取り出して、あたしは玄関に向かう。やっぱり、足はぴったり!
 招待状を手に持ちあたしはたくさんの女性の波に飲まれながらお城に向かった。



「うわぁ! きれーい!」

 お城に着くとそこは別世界! 金色の装飾がたくさん施されていてあたしは思わず目を奪われる。
 扉に向かう人たちもほんとお嬢様や貴族って感じ! 馬車に乗ってる人を見るとカボチャの馬車を思い出すけど、魔法使いがいなかったんだから仕方ないよね。

「ねぇ見て、あの子すごい綺麗!」
「ほんとね、どこの家の方かしら?」

 道行く人がこそこそ話している。耳を傾けると、どうやらすごい美少女がいるみたい。
 あたしもその子を探していると——その子は簡単に見つかった。ふわふわの綺麗な髪、薄い桃色のドレスを着用した彼女は——おばあちゃんだった。