二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子 結婚生活は大変な模様? ( No.120 )
- 日時: 2015/12/15 00:22
- 名前: SUZU (ID: Hh73DxLo)
「ヤバイ俺天才」
「悔しいけど天才だと思う」
左手で沢山のお菓子の詰め合わせを抱えつつ右手でアームを操作するミッチー
一体もう、これでなん個目?って具合にバンバン狙った物を落としていく
私なんてさ、アームで持ち上がりすらしてないのに…
そんな私はミッチーの取ってくれたコアラのお人形を何体か抱き締めている
こうゆーことしてくれるからミッチーのUFOキャッチャー気分を止めることはできないんだなぁ
「サトミ、飽きてない?」
「え?全っ然」
「そっか、ならいいんだ」
ミッチーはミッチーなりに私を楽しませてくれてるんだ
皆でご飯食べてるときもきっと、見ててくれてたんだよね
ほんと、そういうところ相変わらず変わってないなぁ
「そういや、サトミ携帯は?」
「あ〜電源切れてて」
「ブンゴ心配してんじゃねぇの?」
「いやいや、ブンゴに限ってそんなこと…ん?どうしたのミッチー」
急に顔を青くしたミッチー
口をパクパクと開けてなにか怯えている
「どうしたのって」
「う、うしっうし…ろっ」
「後ろ?……あ」
ミッチーが怯える先にはびしょびしょに濡れて息を荒げているブンゴの姿があった
その姿はまるで狼
思わずボトボトと手に持っていた人形を落としてしまった
どうしよう…!!
これゼッッタイ怒っていらっしゃいますよねー
ほらほらほらガン飛ばして(るように見え)るし
「おい…っ」
ヤバい、今にも殴りかかられる!?
グイッと胸ぐらを捕まれて思わず目をつぶってしまった私
殴られるっ!!!
と、思った瞬間
ふんわりと暖かい何かに包まれた
「ブン…ゴ?」
「心配させんじゃねぇよっ…電話しても携帯繋がんねぇしよっ」
フルフルと震えているブンゴの体にギュッと強く抱き締められている
突然の状況に驚きを隠せない私
けれどもブンゴの泣きそうな声を聞いて私も何も言えなくなる
「サトミの姿が消えて、おまけにミッチーとどっか行ったっていうしよ…アイツに限ってそんなこと無いとは思ったけど、それでも自分の嫁が自分以外の男とどっかいなくなるのなんて…すんげぇ心配したんだよっ…」
「ご、めん…なさい…」
「ほんと、無事で良かった…」
ブンゴの手にますます力がこもる
ごめんなさい。
心からそう思った
軽い思いでミッチーと抜け出して
心配してる人がいるなんて考えもしなくて
ヘラヘラ遊んで
最低じゃん…私
「サトミ…」
ブンゴが私から手を離して私の顔をじっと見た
「ごめんな、退屈させて」
「あ、謝らないで!!私がブンゴの気持ち考えないで自分勝手で…その、ほんと…ごめん……それと、探してくれてあ、ありがとう……///」
目をそらしてしまう私
すると
「ほら、心配してたじゃん」
ミッチーが優しく、でもどこか寂しげに微笑んだ
そうだよね…
ミッチーにも迷惑かけちゃった
「うん、ミッチー。ありがとう」
「まぁな!」
ニカッと笑った
うん、やっぱりミッチーはその笑顔の方がよく似合う
世界で一番格好いいボディーガードなんだからね
「じゃ、戻るか」
「俺、傘とタオル買いてぇんだけど」
「あ、はい、ハンカチ」
「うわうわ、はい、ハンカチって…こんのラブラブ夫婦め」
「「意味わかんないし!」」
大きな傘のなか私達3人は窮屈だけど楽しく雨のなかを歩いた
こんな雨もたまにはいいな、なんて少しだけ思うことができた