二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃん家の8男子 結婚生活は大変な模様? ( No.28 )
- 日時: 2015/01/15 23:52
- 名前: SUZU (ID: Q19F44xv)
暑くて頭がズキズキと痛む
そんな中、うっすらと目を開けると金髪の誰かが目の前にいた。
金髪だし…ブンゴだよね
「ブ……ンゴ?」
「あ、サトミ様」
え?
朦朧としていた意識が回復し、視界もはっきりとしてきた。
何で…何で……
「何でシノがいるの?」
「今は安静になさってください」
この敬語も気遣いも顔も身長も…あのシノだ。
私に布団をかけ直して、おでこに置いてあるタオルも取り替えてくれる世話好きのシノ
いくつか疑問があって頭が追い付かないんですけれども
とりあえず1つずつ聞いてみる
「ねぇ…私は?」
「記憶喪失ですか!?」
この暑苦しさ…
改めて感じるよ、シノだ。
「ううん、何でここに…って」
すると呆れているのか何なのか、軽い溜め息をつかれた
「何言ってるんですか、玄関前で倒れたんですよ」
シノによると、うちに用事があったらしくて家に来たら私が倒れていたらしい。
(…嘘でしょ)
シノが私に気付いてくれたってことだよね
それまで、私はずっと倒れていたんだよね
うちには…私一人じゃないよね!?
「……は」
「はい?」
「ブンゴはっっ!!!」
私が怒鳴ると、シノは急に悲しげな顔になった。
何なの……
ヤメテよ聞きたくないからね?
「ご自分の部屋で…仕事を……」
蚊の鳴く声とはこういうものなんだろう
そのくらい小さく微かに言ったシノ。
「信じ…らんない」
大粒の涙が頬を伝わるのが分かる。
あぁ…ダメだ
泣かないって決めてたのに
ブンゴの為に涙なんか流さないって…決めてたのに。
無理だよ
どうして
隣にいて、私の涙を掬っているのが旦那じゃないの
悩みを聞き親身になってくれるのが旦那じゃないの
私を庇い、守ったりしてくれるのが旦那じゃないの
おかしいよ…
信じられない。
私は立ち上がり部屋を出る
シノは何か言っていたけれども今の私の耳には届かない。
向の部屋に書かれているBUNGOという文字。
私はノックもせずにドアを開けた…
意味分からない
教えてよ
どうしてそこまで私を悲しませたいのですか?
部屋の中に…
ブンゴはいなかった。
代わりに机に
【急遽仕事.夕飯いらない】なんていう素っ気ない文があるだけだった。
崩れ落ちた私を慰めてくれるのは
旦那ではなく執事なんて
こんな淋しい現実…認めたくないよ
結婚生活なんて…
こんなに苦しくて辛いものなの?