二次創作小説(紙ほか)

Re: 出口ゼロ ( No.2 )
日時: 2015/12/30 08:17
名前: とらじ (ID: X7Da.dhQ)
プロフ: 元・ちほりん(。・x・)ゞ♪

第一話 



 薄いピンク色の桜が吹雪のように舞い、私の視界を遮っていく。只でさえ身長が低くて他の人の背中で運命が決まるとも言える『クラス表』を見ることができなくて跳び跳ねているのに、それも無意味になってしまった。

 ──私、望月 怜羅はこの春からこの『如月学園』の高等部に入学するんだけど……この春この地に引っ越してきたので友達はおろか、知り合いはゼロ。周りには、私と同じ制服を着ている子が沢山居るけど……皆必ず友達が居るみたい。そりゃあ、初等部から同じたから皆友達だと思うけどさ……


「怜羅?」


 隅っこで一人で考え込んでいると、上の方から聞きなれた声が聞こえた。首をあげるとそこには、心配そうに私を見下ろすお兄ちゃんの姿が合った。

 お兄ちゃんは去年からここの学校に居た、って話してたっけ。……まぁ、色々と私の家庭は複雑なの。


「クラス表、見たのか?」

「……見てない」


 見てない。見れてない。──この身長じゃ、この桜吹雪じゃ、どうやってもクラス表は見えない。人は沢山居るし、見終わってもクラス表の前に居る人が沢山居るんだからね!


「じゃあ、俺が見てきてやるよ」


 お兄ちゃんはそう言うと、 私の返事も聞かずに一年生で溢れるところに入っていった。──少し経つと、人混みの中からお兄ちゃんは出てきたけど、それと同時に女の子の黄色い悲鳴も聞こえてきた。『キャアッ!!』とか、そういうやつがね。


「B組だってさ。俺の知り合いも居る」


 お兄ちゃんはそう言って、私が手に持っていたバッグを取り上げてもう片方の手で私の腕を引っ張って校舎に向かって歩き出した。


 ──B組って、どんな子が居るのかな。友達、出来るかな。──でも、お兄ちゃんの知り合いの子が居るんだよね──?


 そんなことを考えながらお兄ちゃんと一緒に歩いていると、目の前はもう『1−B』って書いてある札(カード?)がついてるドアの前。


「俺の知り合い居るからさ。頑張れよ」


 お兄ちゃんは最後にそう言って、私の頭を手でポンポンと優しく叩くと、背を向けて二年生の教室がある階へ行くために階段を上っていってしまった。
さっきまでお兄ちゃんが一緒だったから何も感じなかったけど。
一人になった途端、心臓の鼓動が早くなり始めた。──手を添えないでも分かるくらいに。まるで、耳元でなっているみたいに、煩かった。

 ──でも、大丈夫。お兄ちゃんの知り合いの子が居るんだから。その子となら、頑張れば仲良くなれるよ。頑張れ、怜羅。


──ガラガラッ


 教室の扉を開けると、中には男の子が三人、女の子が二人いた。
──相変わらず、私は男の子が苦手。男の子達を避けて自分の名前が置いてある机へと向かい、鞄を下ろす。

 ──変に、身体中に緊張感が走った。──何だろう。誰かに、じっと見つめられている気がする。


「ねぇ」

「ひゃっ!!」


 あぁあ。何やってんのよ怜羅! もう! 新学期早々こんな声出しちゃったら変なイメージもたれるじゃん!!


「あ、ごめんね。ねぇ、えーっと……怜羅ちゃん? お兄さんってさ、『怜士』って言う名前?」


 話し掛けてきたのは、赤茶色のストレートロングの髪の女の子だった。その子の横にはピンク色のふわふわの髪をした女の子も居る。
──この子達、お兄ちゃんを知ってるのかな。


「──うん。お兄ちゃんの名前は『怜士』だよ。……お兄ちゃんの知り合い……?」

「うん。私たちは怜士の知り合い。──私の名前は赤羽夕日。夕日、って呼んで。……怜羅、って呼んでも良い?」

「あ、私は河合ゆみか。ゆみか、って呼んでね……私も、怜羅ちゃんって呼んでも良いかな……? 仲良く、してくれる?」


 質問に答えると、今度は横にいた子も話し掛けてきた。
──ちょっと待って。
この子達はお兄ちゃんの知り合い、なんだよね。
──夕日ちゃんとゆみかちゃん、か……


「全然良いよ。……私、二人と仲良くしても良いかな……?」

「勿論! 怜羅、これからよろしくね!」

「怜羅ちゃん、仲良くしようね!」


 私の問いに、二人はとても嬉しそうに答えてくれた。
──良かった。新学期早々、変なイメージももたれなかったし、新しい友達が二人もできたし──


 高校生活ってちょっと──いや、とても不安だったけど、この二人のお陰で何か楽しくなりそうな予感がした。